サイレントヒルをもうちょっと語ってみる | アッシュのブログ

サイレントヒルをもうちょっと語ってみる

サイレント・ヒルの美術はすごく綺麗なんですよ。
でも、その綺麗さは、いわばゲームのCGの綺麗さ。
CGが綺麗でもクソゲーはクソゲーであるように、映画も映像が綺麗なだけでは成立しません。

ただ、サイレント・ヒルは、100点満点で0~20点というような本当の駄作じゃない。
批判的なことをたくさん言いますけど、それでも点数をつけるとしたら50~60点くらいはつけることになるでしょう。
最悪・最低映画の類じゃないです。
ただ、スジが悪い。どうしようもなく悪い。


例えば、物語のつながりがよくない。
過剰に説明的かつ強引です。
教会に逃げ込むシーンの、階段でダラダラだべっているのなんて最悪ですよ。
絶対にありえないシーンの存在は、それ以降の部分の説得力を失わせます。

演技もNGです。
クライマックス間近の教会内における群集の動きはかなりヘボいです。
ああいう大勢が動くシーンは細部まで指示を徹底して全体を緻密に構築するのがセオリーです。
好き勝手に動いているように見えても全部指示通りに動いているものです。
サイレント・ヒルは、全部がわざとらしく動いています。
自然な部分がまったくない。
わざとらしい演技で禍々しさを演出したつもりなのかもしれませんが・・・学芸会の演技にしか見えませんよ。

編集もいまいちです。
恐らく撮影前のコンテの段階でNGだったのだと思います。
人物が会話するシーンのショットのつながりはいずれも凡庸です。
また、凡庸な編集は、過剰に説明的であるという印象を強めます。
あたかもテレビの2時間ドラマを豪華にしただけのような後味が残るのですよ。

さらに、個々のシーンをしつこく引き延ばそうとするので冗長になります。
2時間を超える長さながら、中身が薄っぺらい感じしますよね。
もっとテンポよく展開できれば1時間半で十分収まるでしょうし、その方がスリリングだったはずです。

よくわかりませんが、ヒットしたゲームを原作としたことの限界が露呈したのかもしれません。
あるいは、監督の力量の問題だったのかもしれませんけど、映像が綺麗なだけにこのコケ方は残念です。
imdbで確認すると、この監督はろくに作品がありませんから、もしかしたら他分野のクリエイターが本職の方なのでしょうか。

ただ、この映画が好きな人がいてもおかしくはないと思います。
綺麗な映像ですし、ヒットしたゲームの映画化ですし、謎解き的な要素もありますし。
楽しみ方はいろいろありますから。