800曲で10億は安いのか? | アッシュのブログ

800曲で10億は安いのか?

800曲で10億。
これは果たして安いのか?

音楽ビジネスの常識で言えば、ひょっとしたら安いのかもしれません。
名の通ったヒットメイカーTKの楽曲一式ですからね。

ただ、昨日の記事で触れましたけれど、キャリアの長さに対して不釣合いに曲数が多いのですよ。
本当にヒットした曲は数十分の一でしょう。
水増し作品は賞味期限切れのものが多いはず。

今一度ビートルズを例にとれば、3人の作曲者がいて(すまんリンゴ)、カヴァー曲も入れて213曲。
ビートルズの活動期間が約7年ですから、ジョン・レノンやポール・マッカートニーをしても、1人が1年間でものにした実質の曲数はせいぜい10~20曲程度です。
しかも当時ビートルズはアルバムを年に2枚ずつ出す契約だったので、無理して出していた状況です。

今のアーティストの場合、もっとずっと少ないのが普通でしょう。
TKが天才であったとしても、約15年で800曲はいかにも多い。
毎週1曲完成するくらいのペースじゃないとできないのですから。

さて、その楽曲の現在の価値です。
音楽配信、CD販売、カラオケ、放送、出版・・・
いろいろ絡んで収入が見込めるとしても、10億となると長期で回収する覚悟がいります。
ましてアーティストTK本人が落ち目になってるので、長期的にみるとジリ貧の権利です。
長く使えるのは多分20曲もないかと。

ニュースによればこの著作権関係でTKが得ていた金額は年間2億程度。
このレートが維持されたとしても、元を取るだけで5年かかります。
2億というのも実績として挙げられた数字でしょうから、急速に冷え込んでいたTKの人気から言えば、2億/年をキープするのは難しいでしょうし。

TK(またはTKの専属アーティスト)が現役で、1年に1枚でいいのでヒットアルバムを出してくれるなら迷わず買いでしょうけど。その場合は10億ぽっちじゃ買えないでしょうね。

そういう点から言っても、人気に陰りが見えたあたりで創作ペースを落としクオリティを維持するよう努めればよかったのじゃないでしょうか。


もうひとつ追記。
TKが人気が落ち目の上に金に詰まっていた以上、将来的に何かトラブルに関るリスクも大きいとみるべきですよね。投資金額を回収する前にスキャンダルのひとつでも起こされたら大変です。
現実には、この事件の発生時点で既にトラブルを起こしていたわけで。
そういうのも込みで、10億はやっぱりお得じゃなかったように思います。