何が怖いって、子役ほど怖いものはない | アッシュのブログ

何が怖いって、子役ほど怖いものはない

「光る眼」(Village of The Damned)
1960年公開。

これ、私は続編(Children of The Damned)の方を先に観たんですが、あっちは退屈で寝ちゃいそうな映画でした。
本当に寝ちゃったのかよく覚えていないのです。とにかく第一作を見る気が失せましたね。

あれから10年以上が経ってようやく最初の作品にたどりつきました。
続編を観たせいでかえって回り道をしました。

原題を直訳すると「呪われた村」というこの映画。
なぜか村全体が数時間にわたってマヒ状態になった後、その村の女性がことごとく妊娠するという事件が起こります。
なぜ妊娠に至るプロセスをちゃんと描写しないんだ!という疑問もなくはないですが、まあ先へ進めましょう。
妊娠した女性たちはやがて無事出産するのですけれど、生まれてきた子供たちは特異な能力をもっていた・・・というお話です。

タイトル通り、子供たちの眼が光るんですが、このチープな特撮が実にいい味出しています。
そして、この映画が成功した最大の理由とも言えるのが、子役たちの強烈な存在感です。
全員が明るいブロンドの髪で、黒ずくめの服装。ゴスです。
顔立ちは決して美男美女揃いではなく、ちょっと個性的な顔というべき子ばかりなんですが、見ているだけでなんとも寒気がするような強烈な印象を残します。ほとんどの子たちがこの作品以外に有名な出演作がなく素人同然なんですけれど、その芸の無さがまたピッタリなんですよ。

多分、少年期にこういう映画ばかり観ていたであろうジョン・カーペンターが後にこの映画をリメイクします。
私はジョン・カーペンターをあまり買っていないのであまり監督作を観てません。当然のようにこのリメイク作も観ていませんが、今こうして思い返してみると、ジョン・カーペンター監督の映画って、50~60年代のSFとして当時のテクノロジーで製作したらすごくしっくりくるんじゃないでしょうか。
「パラダイム」とか、「クリスティーン」とか。
「クリスティーン」なんて、レイ・ハリーハウゼンばりの人形アニメで撮ったら、多分もっと強烈なのができたでしょう。

「クリスティーン」といえば、原作者のスティーブン・キングも、古いホラーやSFに染まったような趣味の小説ばかり書いていますね。
モダン・ホラーとか言われていますが、あの細かい情景描写のねちっこさや、人物描写の残酷さというか冷淡さを取り去ったら、モチーフはハマープロあたりで過去にやったようなのばかりですよ。吸血鬼とか、死者が蘇る墓地だとか、宇宙人の襲来だとか、お化け屋敷だとか、意思をもって人を殺す殺人カーとか。どう見ても昔のSF・ホラーにどっぷりはまった人の趣味です。

彼の作品の映画化の大半が不成功に終わったのも無理ないというか、原作のモダンな部分やポップな部分にとらわれず、古典的なホラーに通ずるまがまがしさを上手に映像化する必要があったように思います。ストレートに映像に起こすと陳腐になります。多くの作品は、映像化するときにもうひとつ何かフィルターをかける必要があったんじゃないでしょうか。そんなわけで私のお気に入りは、キューブリックの映像が冴える「シャイニング」です。
ただ双子が出てくるだけで怖いとか、まさに「光る眼」と同じじゃないですかw