赤死病の仮面 | アッシュのブログ

赤死病の仮面

昨日の「蜂女の恐怖」のロジャー・コーマンがプロデュースと監督を担当した映画です。
原題は"The Masque of The Red Death"
アメリカの作家エドガー・アラン・ポーの短編小説の映画化です。
厳密には、他の短編との混合ですが。

あらすじくらい書いておきましょうか。
あまり書くとネタバレになるのでさわりだけ。

中世ヨーロッパ。
感染すると体中から出血して死に至るという怖い伝染病「赤死病」が大流行しており、暴君プロスペロ公は感染した村を焼き払い、自らは周辺の貴族を招きいれて篭城し、領民が苦しむ中、流行の収まるのを待つばかりであった。
彼は焼き払った村から美しい娘を連れてきており、我が物にしようというところ。
集まっていた貴族たちと豪華な宴を開催した・・・。
そして・・・。

という物語ですな。

この頃、ロジャー・コーマンはまだ30代前半くらいのバリバリのチャキチャキで、新しい恐怖映画のスタイルとして、ドラキュラやフランケンシュタンとはまた違ったタイプのものを提案しており、それがAIPに認められて、一連のポー作品映画化へとつながりました。
モンスターが登場しないホラー。
当時はまだホラー映画の分野は未成熟でしたが、コーマンはその可能性を見抜いていたのですね。

ここでの主演はビンセント・プライス。
かつての二枚目もこの頃から恐怖映画の象徴的俳優へと転進してゆきます。
プライスの城に連れ込まれる村娘がジェーン・アッシャー。
かのビートルズのポール・マッカートニーの恋人だった人です。
この映画の出演のあたりを境に関係が冷めたそうで、この映画が1964年に対し、ポール作の"I'm Looking Through you""Another Girl"とか、かの"Yesterday"が発表されたのが1965年。
ゴシップ的視点からするとちょっと見所でしょうか。

そういうのを抜きにしても、ゴシックな香りの漂うホラーとしてよくできた作品です。
コーマン作品としては文句なしに傑作です。

AIPホラーの日本版DVDは数年前にリリースされましたが、価格が高かったせいかあまり売れなかったようです。
安くしたら売れるというものでもないでしょうが、残念なことです。