8月のアンサンブルコンサート | 遠藤雅伸公式blog「ゲームの神様」

8月のアンサンブルコンサート

 フルオケ初演に向けての全6回アンサンブルコンサートシリーズも、いよいよこの8月で最後になる。
遠藤雅伸公式blog「ゲームの神様」-2013 アンサンブル5&6
 ここまでどんな流れで来ているかと言うと、これがもう最初の思惑なんか全く吹っ飛んでいて、BGMフィル自体が磨かれて方向性がカチッとする方向に進んでいる。


 第1回は、昨年のCEDECで正式な設立前に弦楽四重奏でお披露目をしたことを除けば、正式にメンバーが決まって最初の演奏だったので、もう色々と失敗ばかり。まずはステージの構成で、トーク用にPCを置いた演台が出ていたんだけど、これが全体の流れを妨げていて、何かローディングの長いクソゲーみたいな雰囲気になっちゃってた。演奏は申し分なかったんだけど、ゲーム以外に「チャルダッシュ」と「ディベルティメント」をやったのに違和感が多少。


 第2回は、ゲストの方(岩垂さん)をもっとフィーチャーする方向に振ってみたんだけど、これはこれで会場との距離が縮まった感がある。がしかし、一番ウケたのはビオラの相良君 が「好きなゲームはモンハンです、2000時間くらいしかプレイしていませんが…」だった。ここで1つ分かったこと。ゲーム音楽好きがゲーム音楽を聴ける機会を提供するだけなら他と同じ、BGMフィルは演奏する方もゲームが好きだということから来る何かが共感できるのだ。


 アレンジで「これ、楽器で演奏することは想定していないので、難しいからキー変えようか?」と作曲者から提案されても「いえ、原曲のキーでないと気持ち悪いです」と言えるのは、やはり元のゲームをやっているからなんだよね。他にもアレンジでは演奏が困難なので弾きやすく変えると、「これ、原曲と違うんですが、原曲通りに練習して弾けるようにするので、そっちでやっていいですか?」とか。


 第3回は初めて弦以外での演奏となる木管五重奏だったんだけど、植松さんがゲストでFFの1~5のフィールドをメドレーでやった後、セットリストに載っていなかったシークレット曲「ビッグブリッヂの死闘」が演奏された。オーボエの宮川君 が「楽譜貰った時に難易度高かったんで、夜寝られなかったですよ」とこぼしていたけど、でも奏者みんな演奏したい曲なわけで、そりゃ「練習します!」になりますよ。もし演奏しきれなければ…というセイフティでシークレットにしていたわけじゃないけど、最初のフレーズが流れた瞬間の会場のどよめきがすごかった。前列では両手挙げて喜んでた人もいたしね。

 この曲の前が15分のFFメドレーなので、息がヘロヘロになってるオッサンの宮川君は、出だしが休符なのでステージから客席の衝撃がもろに感じられて、テンション上がりまくりだったらしい。終わったら植松さんが拍手で出てきて「難しい曲なのに演奏してくれてありがとう」って言ってたけど、こんな曲を持ち曲にして、どんな編成でも演奏できるようになっておくべきなんだろうな、と思ったね。


 第4回は再び弦楽に戻ってなので、今さら感があるんじゃないかと思っていたけど、蓋を開けてみたら満席で追加の席を作るほどになった。もちろん原因はイトケンこと伊藤賢治さんがゲストだからなんだけどね。それも分かっていたので、過去3回でそれぞれ2曲ずつ演奏されていたクラシックの定番をセットリストから外し、ゲストトークを厚くしてみた。そしたら「クラシックはなくていい」という意見も多く、改めてBGMフィルが演奏すべきはゲーム音楽であり、「クラシックも聞いて欲しい」とかいうオーケストラのプライドなんか邪魔だと分かったね。

 これについてはゲームに使われているクラシックも結構あるので、もしやるなら最低でもこの中から選ぶべき、なんだろうね。それと、奏者の紹介でゲームの話を聞くのも会場との一体感があって、もうBGMフィルでは当たり前になりそう。この回はビオラの飯田君 が「今まで秘密だったんですけど、実はアンジェリークファンです」と言って赤面していたけど、会場は「あぁ、アンジェリークね。私もやったけど秘密にする必要あるの?」的な反応で、対比が面白かった。奏者も他ではゲームの話なんかできないから、それを許してくれる客席に暖かさを感じるそうだ。ファイヤーエンブレムの前にどうぶつの森から戻ってこれない話とかねw


 そして、今月の17日(土)と18日(日)は金管五重奏と弦楽四重奏で、このシリーズを締めくくる。遠藤は管楽器で一番得意なのがトランペットなので、トランペットの荻原君 の演奏が楽しみ。すべてのトランペットのオーディションには参加できなかったので、本気で吹くのを聴くのは初めてなのだ。

 また、弦楽は今まで3回ファーストを弾いていたヴァイオリンの小林君 に代わり、いよいよもう一人のコンミスである尾池君 が登場する。尾池君とは共通の知り合いが居て、「尾池はゲームだけじゃなくて、色々良い意味で馬鹿ですから」と聞いているので、トラブルとか失言とかにも密かに期待してたりww。

 今回は会場も山手線内なので、今まで仕事の都合で来れなかった人とかも、是非また遠藤が変なことに加担しているので、騙されると分かっていてもktkr。チケットとかは公式サイト から、状況は読めないので当日券だと席がないかも知れないし、実はガラガラで誰も来ない(運営的には困るけどな)かも知れないので、各人の都合に合わせてね。