DVD分析45「王家のゴタゴタ」
ギルガメス王の暗殺については、それを指示したのがマーフであると思って間違いないだろう。ではなぜ、マーフが王の暗殺を企てたのか?
「王家のゴタゴタなど関係ない」「そうでもないさ」などというやりとりから、王家にはゴタゴタが存在するらしいことがわかる。だとすると、マーフがその片方を担っているというのが前提条件となる。何せ暗殺計画の首謀者だからね。
王家という限定が付いているので、そのゴタゴタの源泉は王権争いということになる。原作ではギル王は王子であり、バビリムは王と女神イシターの巫女が結婚して、その子供が新たな王となる世襲。マーフが首謀者たり得るには、血族の一人を祭り上げているか、クーデターなどにより新王朝を立てるつもりでないといけない。
第8話の回想シーンの中で、ギル王の息子が遠征に出掛けるくだりがある。この遠征先に落胤がいるというのが遠藤の推測、その中の一人がカーヤであれば、ギル王とカーヤの関係も説明がつくかと思ったのだが、ギル王の年齢とその息子の遠征時期、そしてカーヤの年齢を考えると、世代が異なるのでもうワンクッション入っているのかな。
パズズは王が死ななかったことに対し、「さてどんな手品やら」みたいに予想外だった反応を示している。それに対してニーバは「明日になればわかる」のように、王が死なないことを知っていたようだ。
ニーバの陣営が旧スーマールではないかという表現があるが、ラルサはウルクの東に位置する、これは現実の話。原作ではバビリムから川を下って東へ行くとスーマールなので、これを一緒にすると、ラルサから陸路スーマールへは遠くないことになる。地縁からも旧スーマールの可能性は高い。
さて、マーフが首謀した暗殺計画だけど、ひょっとしたらマーフは、ギルが不死身であることを確かめたかっただけなのかも知れない。あるいは、ギルが不死身であることで、何かそれとリンクするものの存在が確認できるとか。どちらにしろ「暗殺」計画ではなかったと考えた方が自然だ。
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