【CDレビュー】 懺悔の赤犬『白河以北一山百文』 | ライヴレポートとかCDレビューとか

懺悔の赤犬『白河以北一山百文』

① 蛇蝎村(Instrumental)

② 鼠といふ字を書いてみろ

③ 白河以北一山百文

④ 蛇が入るぞ

 

 本人たちは「陸奥DOOM歌謡」と呼んでいますが、個人的には「和製ドゥームメタル」だと認識しています。非常に個性的な音楽形態で、聴けば聴くほど味わいが出てくるのよ。

 

 メンバーはヴォーカルを取っている成田一子さん、ギターの成田健さん、和楽器担当の保科利伸さん。

 後から知ったことですが、一子さんは WILD FRONTIER『TO THE FUTURE』の1曲目「Children of the Future」と 2曲目「Soul is Eternal」でヴォーカルを取っていた Ichiko Narita さんだった! 大ファンです! この2曲が特に好きなのよ。

 横笛や和太鼓を担当している保科さんがえらい貴重な音楽活動をしている和楽器奏者で、打藝衆 ‘傀’ を主催しています。宮城県にいた時に彼らの活動をローカルニュースでよう見ました。

 そして「懺悔の赤犬」の音の核になっているのが健さんのギターです。後から書きますが、彼のギターがプログレファンにはたまらない音なのよ。ようこれだけ才能のあるメンバーが揃ったなと思うよね。

 

 ①「蛇蝎村」のインスト曲から入る感じがまずたまらない! 彼らがこのCDの構成をいかに大切にしているかってことですよね。ピアノと横笛の旋律が、この後の展開への関心を高めてくれます。

 ②「鼠といふ字を書いてみろ」の健さんのギターがトニー・アイオミを思わせる部分やロバート・フリップみたいな部分があって、非常に楽しめます。保科さんの横笛と一子さんの歌がまたいい!

 ③「白河以北一山百文」。アルバムタイトル曲です。緊張感に満ちた曲で、一子さんの歌には圧倒されてしまいます。前述の「Children of the Future」と「Soul is Eternal」を歌っていた人とは思えないよね。

 ④「蛇が入るぞ」。この曲を最後に持ってきたのは良いですね。ラストを締めるのにふさわしい楽曲です。それぞれの個性が全開です。

 

 幸いなことに2021年の7月3日と9月25日の2回、このバンドのライヴへ参戦することができました。聴くたびに思うけれど、このバンドを仙台だけのものにしておくのは実に惜しい! 価値ある音楽とはこういうことを言うんだよ。皆さんもぜひこのCDを入手して聴いてみてくださいね。

 写真は2021年7月3日のライヴ写真、2021年9月25日の記念写真です。