【課題】迷っている人
【本文枚数】三枚
【人物】
仁川弘嗣(21)大学生
喜嶋満(21)その友人・大学生
ストーミーブラック(3)青毛・競走馬
アロンダイト(3)栃栗毛・競走馬
〈7612頭の頂点〉
○東京競馬場・ゴール前スタンド
陽光に照らされたターフに浮かぶ陽炎の向こうから馬群が現れる。湧き上がる歓声と、迫る蹄の音。
仁川弘嗣(21)、背にのし掛かる群衆に顔を歪めながらも大声で叫ぶ。
仁川「差せー! ストーミーブラックー!」
ストーミーブラックが前を行くアロンダイトに馬体を併せたと同時に、二頭がゴールへ突っ込む。
○仁川家・仁川自室
弾かれたようにベッドに半身を起こす仁川。その額には汗が浮かぶ。
仁川「あー……。夢かよ。やばい。ダービーのことで頭が爆発しそう」
○東京競馬場・パドック観覧スペース
最前列に居る仁川と喜嶋満(21)。
喜嶋「アロンダイトを見なよ。俺は並みじゃないって言ってる。俺には奴の声が聞こえる」
二人の前を悠然と横切るアロンダイト。
アロンダイトと仁川の目が一瞬合う。
仁川「げっ! 睨まれちゃったよ。何? あの王者の風格。でもなー。京成杯で見せたストーミーの鬼脚が忘れられないんだよ」
仁川、赤ペンで印だらけの新聞を頭に被り、手すりにだらしなく肘をつく。
喜嶋「いつまで迷うんだよ。レース始まるよ」
新聞の隙間から胡乱な視線を喜嶋に送る仁川。
【本文枚数】三枚
【人物】
仁川弘嗣(21)大学生
喜嶋満(21)その友人・大学生
ストーミーブラック(3)青毛・競走馬
アロンダイト(3)栃栗毛・競走馬
〈7612頭の頂点〉
○東京競馬場・ゴール前スタンド
陽光に照らされたターフに浮かぶ陽炎の向こうから馬群が現れる。湧き上がる歓声と、迫る蹄の音。
仁川弘嗣(21)、背にのし掛かる群衆に顔を歪めながらも大声で叫ぶ。
仁川「差せー! ストーミーブラックー!」
ストーミーブラックが前を行くアロンダイトに馬体を併せたと同時に、二頭がゴールへ突っ込む。
○仁川家・仁川自室
弾かれたようにベッドに半身を起こす仁川。その額には汗が浮かぶ。
仁川「あー……。夢かよ。やばい。ダービーのことで頭が爆発しそう」
○東京競馬場・パドック観覧スペース
最前列に居る仁川と喜嶋満(21)。
喜嶋「アロンダイトを見なよ。俺は並みじゃないって言ってる。俺には奴の声が聞こえる」
二人の前を悠然と横切るアロンダイト。
アロンダイトと仁川の目が一瞬合う。
仁川「げっ! 睨まれちゃったよ。何? あの王者の風格。でもなー。京成杯で見せたストーミーの鬼脚が忘れられないんだよ」
仁川、赤ペンで印だらけの新聞を頭に被り、手すりにだらしなく肘をつく。
喜嶋「いつまで迷うんだよ。レース始まるよ」
新聞の隙間から胡乱な視線を喜嶋に送る仁川。
