大好きすぎて、ただ彼に会うためだけに、毎年大枚をはたいて北海道旅行を敢行しています。
その彼の名は、ステイゴールド。

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を書いた頃は、まさかこの後、大物息子たちが生まれ、日本競馬界を席巻するとは夢にも思っていませんでした。
何せ、ステイゴールドは地味な種牡馬でしたから……。
父を優に超えまくる息子たちの登場に喜びつつも、正直なところ余りの勢いに、ちょっと唖然としています。
ステイゴールドはやっぱり凄い。
ファンの想像を遥かに超えたことをやってのけます。

現役のステイゴールド産駒の中でも、以下の三頭は彼の後継種牡馬になる存在です。
世界の頂点へ王手をかける五冠馬オルフェーヴル。



メジロ牧場が培ったスタミナの凄みを今に伝えるゴールドシップ。



そして、この度、天皇賞・春を獲ったフェノーメノ。顔と首とタテガミがステイゴールドに激似。デカイけど。



父が現役時に何度も挑戦して、何度も惜しいところまで来て、ついに最後まで獲れなかった重い重い春の盾。
昨年は、押しも押されぬ大本命で挑んだオルフェーヴルが、謎の不調でまさかの11着大敗。
ステイゴールドの血と天皇賞・春の悪い因縁を感じ、もう一生ステイゴールドに春の盾は巡って来ないかと本気で落胆しました。
そんな天皇賞・春を、ステイゴールドの息子の中でも、生き写しかというほど一番彼に似たフェノーメノが獲ってくれました。
いずれG1を獲る器だとは思っていましたが、父に似ている分、苦労するかもしれないと思っていただけに、こんなに早くG1を勝つとは……。
しかも、悲願の天皇賞・春。
こんな喜びがあっていいのでしょうか。
競馬の神様に、心から“ありがとうございます!” と言いたいです。

今年の天皇賞・春は、実はもう一頭の大物息子ゴールドシップが世間的には大本命でした。
実績からいえば当然の前評だったと思います。
どっちが勝っても嬉しいですが、やっぱり一番贔屓のフェノーメノが勝って、なお嬉しかった。
ゴールドシップもフェノーメノも、ステイゴールド産駒らしく丈夫ですが、これからも元気で、互いにライバルとして活躍し、たくさんの名勝負を観せてほしいです。
そして、できればオルフェーヴルと凱旋門賞へ挑み、誰かが勝って、日本に最高の凱歌を轟かせてほしい。
いや……やっぱり現時点の力では、世界の頂点はオルフェーヴルにしか狙えないかな。
あとは、ディープインパクトの娘、ジェンティルドンナがもしかしたらというレベル。
凱旋門賞は、距離適性はもとより、スピード、持久力、重く絡む洋芝をこなすだけのパワー、展開によっては瞬発力、そして何より、強豪を押し退け、当たり負けしない強い勝負根性が不可欠です。
謂わば、サラブレッドとして完璧ともいえる心技体が揃わなければ勝てない、まぐれなどあり得ない舞台です。
世界の壁は本当に厚い。
最近だけでも、(マイラーですが)フランケルやシーザスターズといった、隙がなく、圧倒的に強い馬が世界にはいました。
数年前、あのディープインパクトですら跳ね返された凱旋門賞。
私は、あの衝撃をいまだに忘れられません。
そのくらい、ディープが負けたことはショックでした。絶対に勝つと思ってました。
そして、ショックと同時に、世界競馬の難しさと厳しさを、実感をもって初めて知りました。
それでもまた、世界一を狙える馬が、なんとステイゴールドの血を受け継いで生まれてきてくれました。
すでに一度、凱旋門賞に挑み、オルフェーヴルが勝ち負けのレベルに十分いると分かっていながら、いまだに信じがたく、それだけになお嬉しさを感じるのです。

父ステイゴールド×母の父メジロマックイーン。
このニックスにより、オルフェーヴルやゴールドシップが生まれました。
この配合は、ステイゴールドの父であるサンデーサイレンスと、社台でサンデーサイレンスと盟友であったメジロマックイーンとの、世代を隔てた血の融合でもあります。
そして、国内最高のブリーダーである社台グループ(色々訳ありだったサンデーサイレンスをアメリカから輸入し種牡馬として大成功させた)と、世界に通用する重厚な血を今も根底で支えるメジロ牧場(メジロアサマ・メジロムサシ・メジロマックイーンの親子三代で天皇賞制覇。日本のステイヤー血脈の老舗)の一つの集大成でもあるのです。
また、現役時のメジロマックイーンとステイゴールドを親子二代の手で育て上げ、今はオルフェーヴルを鍛えている池江調教師親子(親父さんは一昨年引退)。
オルフェーヴルの母や兄の鞍上も務め、なるべくして彼の唯一無二の主戦ジョッキーとなった池添騎手。
偶々にしてはできすぎた、そんな人と馬の生き様をも背負って、メジロ牧場の廃業と入れ替わるように競馬界に現れたのがオルフェーヴルでした。
だから、オルフェーヴルは、このまま負けっぱなしでは終われません。
どう考えても、使命を持って生まれてきた馬ですし、それに見合うだけの大器を備えた馬ですから。
もし、オルフェーヴルでまた負けたら、もう仕方ないです。
それは、まだ日本競馬が世界のトップレベルにないという証にほかならないからです。
それでも、これまでの色んな日本競馬の道程の上に、オルフェーヴルが大勝をもたらしてくれると、競馬ファンはどこかで信じているはずです。
エルコンドルパサーやナカヤマフェスタ(この
牡馬もステイゴールドの息子)、そしてオルフェーヴル自身が2着まで来て、果たしきれずにいる夢を、今秋、今度こそオルフェーヴルが叶えてくれると私も思っています。
オルフェーヴルこそが、日本競馬の新時代を切り開くサラブレッドだと信じています。
本番が楽しみでありながら、同時にめちゃくちゃ恐いですが、ステイゴールドの血が、日本競馬史上、最大のミラクルを起こすことを願って。
これ、まじで勝ったらたぶん号泣するな。
去年、凱旋門賞でなぜか最後の最後でオルフェーヴルがワケわからん負けを喫したときも、めちゃめちゃ泣いたけども(笑)


おまけ

ぶちかましている図
爺になっても元気なステイゴールド。
盛り上がってるステイに対し、ハイハイ……みたいな無表情の厩務員さんがイイ。
ステイにはいつまでも元気でいてほしい。
お願いします。