<沙羅side…>
受信者:杏奈
件名:杏奈です
命令。
クラスメートの誰か一人をみんなで殺す。
ナイフ、銃、紐は第一視聴覚室にある。
…は??
私たちに殺人を犯せ、と。
コイツの頭、どうかしてるだろ。
そしたら後ろから音が聞こえた。
…カチャ、と。
後ろを見たら…、
…え。
「あなたが死んで?」
…うそだ。
「うち、まだ死ねないよ!」
「美玲だって!」
誰か…助けて下さい。
「なにやってんの…、美玲。」
「…みんな!」
みんなして私を殺す気だね。
「簡単にクラスメートを殺そうとするなんて…、美玲の事、見損なったよ。」
「…みんな!や…やめてぇえええ!!!」
…バン。
「…あ…あぁ…いやぁああああっ!!!」
「…美玲を…殺しちゃった。」
ただただ私は、ぼーっと立ち尽くしていた。
—プルルルル~♪
受信者:
件名:恐怖の鬼ごっこ
服従確認。
なお、丸谷 美玲は命令に服従しなかったため、罰を与える。
まただ。
一体、罰とは何だろうか…?
—キャーッ!!
「なに!?」
「おにだぁ!!!」
「待てー!……タッチ。」
「嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁああああ!!」
—プルルルル~♪
受信者:
件名:恐怖の鬼ごっこ
原口 美帆、鬼に捕まったため罰を与える。
藤岡 恵美、罰を決めろ。
・一酸化炭素中毒
・首吊り
・射殺
・刺殺
・薬
美帆…。
恵美が捕まえたんだ。
「沙羅ちゃん?」
あ。
「…美帆!大丈夫?」
「私は大丈夫。沙羅ちゃんは大丈夫?」
「うん。それより美帆もう少しで死ぬんだよ。…恵美のせいで。」
「ね。」
「恵美の事恨まないの?」
「うん。だって恨んだところで何も起こらないし、何せ恵美ちゃんだって誰か捕まえないと罰が与えられるんだよ。」
なんだか美帆が大人びて見えた。
「…確かにそうだね。…でも…でもやっぱり美帆がいなくなっちゃうのは嫌だよ!」
いなくならないで。
私の頬を一筋のしょっぱい水が伝った。
「…泣かないで。」
でも…、あ。
「…原口 美帆。こっちへこい。」
そしたら美帆が耳元で言った。
「でも無駄じゃない最後の抵抗、手伝って。」
「OK!よっしゃ!!逃げるよ!」
「待てー!!」
「やーだよッ!」
「簡単に死んでたまるかぁ!」
バタッ
「…キャッ!痛いッ!」
「大丈夫!?」
美帆がころんだ。
「…あ。キャーッ!!」
美帆が…!!!
「無駄な抵抗、お疲れ様でした。こっちへ来てもらう。罰は一酸化炭素中毒だ。一番楽だぞ。」
「…美帆ぉおおお!!!」
「沙羅!助けて…。」
美帆は人見知りだった。誰かしらにもちゃん、君を付けて呼んでいた。
でも…最後に呼び捨てで呼んでくれたのだった。
泣くことしかできなかった。
—プルルルル~♪
受信者:杏奈
件名:杏奈です
命令。
第二音楽室に集合。
何だろう。
あ。
鬼だ。
「逃がさない。」
「奈津子!」
ごめんね。
足には自信があるんだ。
「待てー…」
「撒いた。」
「と思ったでしょ。」
「え。」
お楽しみに



