昨日、新作カバー動画をアップしました。

 

 

 

 

 

このアーティストはQaijffというバンドでここ最近僕の音楽に多大なる影響を与えているバンドです。

 

 

 

…本当は12月に出したかった!!!笑

インフルにさえならなければなぁ…。

 

さて、あまりSNSで喜びの感情を爆発させるのもこっぱずかしいのでこっちに書くんですが実は…。

 

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森彩乃さん(クアイフのボーカル・Key)からいいねを貰ってしまいました…!!!!!

 

まさかの御本家からの反応を貰って舞い上がっています。嬉しい。凄く嬉しいです。

最初通知を見たときは一瞬時間が止まりました。そしてその後自体を理解してみぞおちのあたりがヒュッとなる感じに…。ええ、ご本人に見てもらえたんだ…って。

嬉しい気持ちとこっぱずかしい気持ちとでいっぱいでした。

 

 

クアイフとの出会いは去年の10月で実はそんなに長いことファンやってて…ってわけではないんです。もとは自分のバンドの和音楽器をギターで行くか、キーボードで行くかで少し方向性の修正が問われたとき、実はギターレスキーボード編成って経験が自分にはなかったので手探りでした。そんなわけで、どんなバンドがあるんだろうって色々と聞き漁っている中でたまたま偶然出会ったバンド。それがクアイフとの邂逅でした。そしてwebでライブ映像を見て、音源を各種配信やDLで聴いて、メンバーのこれまでの辿ってきたことを読んで、現在の表現者としての執着ともいえる情熱、そういうものすべてに感化されて気がついたら10月以降は聴いている音楽の98%はクアイフの楽曲っていっても過言ではないくらい、ずーっと、文字通り朝から晩までずっと聴いています。

ギターがいなくてもすごく聴きごたえのあるようによく楽曲が洗練されていて、それでいてライブはライブらしい音源とは違った情動的なパフォーマンスを見せてくれて、どこをとってもアーティストとしか言いようがない演奏。一瞬で心をつかまれました。

 

思えば社会人になり幾許、なかなかここまでぶっささるアーティストって出会わなかった気がします。例えばパスピエは大学生からだし、社会人になってからは学生の時に聴いていた音楽を基調に、Passcodeのようなラウド系を少しと、シューゲイザーを少し。邦ロックだとtacicaを若干聴いていたかなってくらいで新規の楽曲の開拓はそこまでなかったし刺さるものにもなかなか出会ってなかったと思います。

 

 

その俺が。

 

 

Qaijffは3人編成だったバンドですが、ドラムのゆきひろさんは群発性頭痛発症で無期限活休、森さんは乳癌で闘病しながら音楽をやってる。多くのバンドがコロナで活動の制限を受けた中で、どうしたら従来のライブハウスのような飛沫感染を抑えてでも音楽的なものを伝えるか、ドラマーを失った中で導き出した答えがオーケストラ編成。しかもスコアは自分たちでプロデュースするって。僕はさっきあえて表現者としての執着なんて言葉を使ったけれど、これはもう情熱とも執着ともいえるような強い音楽に対する欲求!そしてライブをしたい!という強い演者としての願い。そうだった、そういうものをひっさげてステージに立たなきゃ、お客さんにも自分の本当の気持ちにも誠実であれないじゃないかってそういうことを考えさせられました。

 

森さんならきっと、そんな小難しいこと考えないで私たちの音楽を楽しんでくれって思ってくれるんだろうけど、楽曲からにじみ出るアーティストとしての強い情熱に突き動かされずにはいられませんでした。

 

そうして、本当に悩み悩んだ末に、カバー動画を出したい、そしてもっとみんなにも魅力を知って欲しい。なにかカバーをする中で掴みたい。色んな気持ちが昂って、それでカバー曲にsnow travelerを選びました。この曲をカバーしたいって。それには季節的な物はもちろんあるけれど、誰にも誰かを愛してそれで素直になれなくて、苦しんで後悔して、もっとうまくできたらって抱え続けてる気持ちがあるんじゃないかって思うんです。

この曲の歌詞は最後に、「届くかな私たちトラベラー」で終わる。私じゃなくて私たちなんだって思って。解釈は人それぞれでいいのだけれど、最初は楽曲の中に出てくる男女2人なのかと思った。でも、「届くかな」ってタイムトラベルをするのは私だけでもあなただけでもないんだきっと。きっとそこら中にいる誰の中にもそんな気持ちがあるんだ、あっていいんだって思うようになって。見上げた無限に降る雪に、この街の一人一人の想いがあって…。そんな風に解釈したら素敵だなって思って。優しい歌だなって思ったからです。

 

 

自分はドラマーだからドラムのカバーになってしまったけれど、どのパートも本当に美しい。歌はへたっぴだけど歌いたい。ピアノのフレーズやコードも、ベースラインとそのキメやリズムの、ドラムと寄り添う感じも、ずっと聴いていられる。

「この曲を演奏したい!」って強い気持ちの元に練習を始めました。

 

 

…しかし、演奏して気づく難しさ。この曲はすごくキャッチ―に聴こえるのにその実いかにドラムのフレーズが細かいことをやっているかびっくりしました。スリーピースゆえの手数の多さでもあり、アレンジでもあるのだけれどとにかく音数が細かい。細かいのに、シンバルの音量一つとっても抑えるところはしっかり抑えてあって繊細さが求められる。特に苦労したのはイントロと2番Aメロ…。イントロはHHがオープンクローズしながら(左足は4分を刻みながら)16分を手で刻み、バスドラは裏拍が多いので足は左と右で独立したバラバラなことをやっている。どこかに注意が偏るとHHのオープンクローズに若干のムラができて綺麗に鳴らない。

 

2AはHHはクローズで裏打ち、左手はスネアでゴーストノートを絡めつつ、右足はこれまた裏拍をとるわけですが、16分単位で1か所も同じ音が鳴ってないのです。これはもはやビートってよりはフィルに近くて右手左手右足が綺麗な16分で順番に入れ代わり立ち替わりってならないと奏でられないんですね。なのに4小節目だけキックが8分で2連打でてくるしスネアもそこだけユニゾンするっていう。

 

ドラマーでもたぶん何を言ってるか分かんないと思いますが一回見てみてほしいwあるいは楽曲をよく聞いてみてください。聴けば音はわかるけれど、演奏しようとすると手足の分離がめっちゃ問われる難しい楽曲でした。

 

 

それで、やってみての感想っていうのかな、「難しいな」って思ったのはもちろんあるんですが、そんなに凝ったフレーズにするんだっていうのがすごく驚きでこれはドラマーの手癖にしろ何にしろ、すごく考えられて作られた技巧フレーズでした。それがあのキャッチ―さでまとまってるんだから、恐ろしい楽曲です。Qaijifはそんな曲ばかりなので音楽に詳しいひとも、そうでない人も聞いたらきっとその魅力と奥深さに驚くんじゃないかなって思います。演奏して初めてもっと好きになる部分ができて、久しぶりにドラムをやっていて楽しいなって思って。これが自分たちの音楽だってどこに出しても恥ずかしくないような、そんな素敵な楽曲なんだって改めて気づかされて。子のカバーは自分でも驚くくらい、色んな収穫がありました。

 

 

さて長くなってきました。冒頭に戻るんですが

森さんに届いてほしいとか、Qaijffのメンバーに届いてほしいとか、そこまで考えてカバーしたわけではない。投稿時間も選ばなかった。これは単に自分が演奏した証を残したかったその一つの形として、動画サイトにアップっていうのを選んだわけですが…。

その後SNSで森さんからいいねが届いていました。

森さんはとってもファン想いな人で、普段の言動やライブの立ち居振る舞いから伝わってくるものがあります(僕は新参のファンでライブは行けてないのですが、なんとか見つけたライブDVDや各種映像でそのお人柄は伝わってくるようです)

だからもしかしたら、その延長なのかもしれないけれど、どんな形であれ自分の演奏が少しでもご本人達に届いたのだったら嬉しいことこの上ないです。1秒でも見てもらえてたら嬉しい。Qaijffの楽曲にたくさんの素敵なものを貰っています。そういうものをいっぱい込めて今回のカバーにいきついたので、だからその気持ちが少しでもアーティストに届いてたならいいなって…。

届かなくても良いって思っていたけど、届いたならこれ以上嬉しいことはない。

寒空にsnow travelerを口ずさみながらそんなことを思った一日でした。

 

森さん、内田さん。ゆきひろさん。どんな形であっても僕は皆さんの作った曲が大好きで、少し出会うのは遅くなってしまったかもしれないけれど、これからもずっと皆さんの曲を大切に大切に聴いていきます。ご病気のこと、すごく頑張ってらっしゃることをいつもブログで拝見しています。医者じゃないからなにができるってことはないけれど、一人のファンとしてずっと応援しています。そしていつか、ライブ観に行かせてください。この曲を聴かせてください。大好きです。

 

 

ちひろあい