第2番の出演者は4人です。
1 ジャック・マイヨール(素もぐり105メートル記録保持者、イルカの友)フランス
2 14世ダライ・ラマ法王(チベット仏教最高指導者、東洋の叡智)チベット
3 佐藤初女(日本のすてきなおばあちゃん、日本の女性の生活の中の叡智)日本
4 フランク・ドレイク(天文学者、宇宙生物学者、地球外知的生命探査計画の父)アメリカ
第2番の出演者もすごい方ばかりで
たくさんの気づきや学びがあったのですが
先ずは佐藤初女さんのことを少し書きたいと思います。
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ご存知の方も多いと思いますが、
佐藤初女さんは、1992年から岩木山麓に
「森のイスキア」という
痛みを分かち合う癒しの場を主宰し
長年心や体を病んだ人々を受け入れてきた方です。
ある男性が死を決意して
死ぬ前に初女さんを尋ねました。
初女さんは、誰が尋ねて来ても
何も聞かず、ただ食事をふるまうんですね。
その男性も何もしゃべらず
しばらくして立ち去ろうとするときに
初女さんは彼に
おにぎりを握って持たせたのです。
彼は最初から、
青函連絡船に乗って
その船から海に飛び込んで死ぬつもりでした。
そして死ぬ前に
初女さんが握ったおにぎりを食べたんです。
そしたら、そのおにぎりが本当に美味しくて
なんだか死ぬ気持ちが失せてしまいました。
その後すぐに青森に戻って
もう一度初女さんを尋ね
今度は自分の人生の話を涙ながらに
全部語ったそうです。
そうして立ち直っていったそうです。
龍村監督はこのエピソードを聞いて
なぜ、たった一つのおにぎりが
彼の命を救ったのか?
いったいどんなおにぎりだったのか?
それを知りたいと思ったことが
初女さんを取材するキッカケだったそうです。
初女さんが映画の中でこんな風に話されていました。
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「長い冬に耐えて雪解けと共に芽ばえたふきのとうの生命をいただいて、おひたしや天ぷらをつくる。ただ“おいしく食べさせて上げたい”という心を込めて料理した時、そのふきのとうの生命が、“おいしさ”になって食べる人の生命を活かし、心を癒してくれるのです。」
「自分が喜びに満たされると、人は必ずその喜びを分かち合いたいと思うようになります。霊的な喜びこそ、人間の最大の喜びです。」
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自分の抱える悩みにがんじがらめになっているとき
人は多分、すべての五感が働かなくなって
頭だけが堂々巡りをしているのだと思うんです。
周りの色も匂いも味も感じられない。
すべての外界から
つまり世界から遮断された状態です。
その人に初女さんのおにぎりは
命を吹き込んだ。
食べるということは生きることで
命をいただいて
自分の命をつなぐこと。
本来の人間という生き物が
元々持っていた生きる力を
初女さんの、その人を想って
想いを込めて握ったおにぎりが
呼び覚ましたのではないかと思いました。
人の想いはエネルギーになる。
そして食べることは命をいただいてつなぐことであると
感謝すること。
人が本来持った五感を
もっと大事に使って生きること。
そんなことをもう一度
見直すことが出来たらと思います。
