娘の誕生日パーティー用の用具を買いに車を走らせている間、ラジオでイギリスのレゴの売り上げが去年25%アップしたと言っていた。それも数万円もするような大人向けセットの売り上げが好評だと言う。確かに周りにも旦那や彼氏へのクリスマスプレゼントでレゴを買ったという人達がいた。数人、インタビューを受けていたが、インタラクティブなコンピューターゲーム、動画、携帯などをいじるよりも、黙々と手を動かしてレゴを作り上げていくのがストレス発散と出来上がった時の達成感があるというのだ。クリエイティブアウトレットはとても大切なのだと。

 

私も洋裁という趣味がある。娘達が乳幼児だった時期も寝不足になるのは承知で夜遅くまで縫物をしたりしていた。旦那は早く寝なさいとうるさいが、それよりもこのアウトレット’発散’というのがとても大事だった。黙々と作業をするのはストレス発散になる。編み物など、同じことを繰り返すものなどは科学的にも脳にリラックスをもたらすと医学ジャーナルでも読んだことがある。毎日の積み重ねは何も脳を刺激するようなことばかりではない。おむつ替え、家事一般、単調な仕事、同じ通学路と通勤路。それらはしなくてはいけない事がほとんど。確かに毎日分刻みで働いて、家事をこなして、育児までしてしまう人達など、忙しくて夜はバタンキューという人も少なからずいる。特に東京に帰省していると、長時間労働の人たちが多いなという印象も受ける。私もそういう時期もあったが、趣味を復活させてみると幸福度が増したと思う。他人に奉仕するだけでなく、自分の好きなことに没頭できる時間を自分のためにプレゼントし、何か完成した時の達成感。アーティストが生業の人はこのクリエイティブアウトレットを強調する。それが勝っているため、日常的ないわゆるつまらない事が疎かになっている人も見かける。しかし、別にアーティストとして宣伝していなくたって、人間誰でもクリエイティブアウトレットは大事だ。一時的にスパに行ってマッサージしてもらうのもいいけど、自発的にそして継続的に続けられて達成感が湧くようなものがいいと思う。紙面でインタビューなどを読むと世界の大物こそ、趣味の時間をとても大切にしていることがわかる。