バイト先に女子高校生の新人がやってきた。




ピッチピチで羨ましい限りだ。



「夏休みはあっという間。日々の学校がつまらない。彼氏が欲しい」なんて、昔の自分と同じことを言う彼女を見て、懐かしく思った。




礼儀正しくて、元気で、少し口が悪くて、サッパリしてるその子を見て、心配だな〜って思ってしまう。




ことある事に、「ちゃんと断るんだよ!」「こんな変な人いるからね」なんて、先輩面をしてしまって恥ずかしい。


でも、その子はいい子だから、「そんなことあるんですね!」「私の友達でも〜」なんて言って軽快に会話を広げてくれる。







無言でいるのが気まずいらしくて、一生懸命話を見つけては慌ただしく話してくれる彼女がとても可愛らしい。





私もせっかちだし、全く同じことを思っていた時期があったから、尚のこと可愛く思える。




こんな可愛い高校生に「彼氏作れ」だとか「モテないの?遊ばないの?真面目だね」なんて言葉をかける大人はどうかしてる。





実際私も大学に入ったばかりの頃に卒業を控えた男の先輩に「今のうちに遊んでおけ。男をつくれ。」と言われたことがある。




遠出の最中、車の中で「ゆたんぽちゃん、恋愛するの大変そうだな〜」なんてバカにされてとても嫌な思いをしたことをよく覚えてる。







「男の初体験だとか恋愛の話なんて、誰も気に留めないけど、女の子は違うでしょ。

男にも女にも結婚しないの?なんて聞かれる。そんな女の子が女の子で入れる時間は短いよ〜。

今はそのままでいいじゃんって言ってもらえるかもしれないけど、30歳間近の女性が初経験まだだから怖くて恋愛できない〜なんて痛いよ〜。

若いうちなら失敗で終わるけど、歳とってから同じ失敗をしようと思ったら難しいと思うから、若いうちに悪い遊び沢山しておきなよ〜。ヤリマンとかビッチになれとかそういう話ではないけど…………」



なんて話をされて、大人になるのは嫌だな〜なんて思ったのをやんわり覚えている。






それでも、先輩のこの話を聞いて


30歳なんていう自分から見たら、とても大人に思える女性が王子様を待っているだけでなんの行動もしていなかったら、確かに痛いな。と思ってしまった。




高校生まではルールを守れ、悪い遊びなんて…………と言われるけど、大人になればかつての悪い遊びはそこまで悪くなくなる。





その事をまだ分かっていなかった真面目な私にとって、先輩のこの話は本当にタメになったと思う。色んなことの的を射ていると思う。






当人からしたら怖かったり、何かしらの事情があったのかもしれないけど、その当人を知らない人からすると、年齢や立場でその人のあるべき姿を想像して、それに一致しないと違和感を感じてしまう現象は誰にでも起こりうる。



起こされるうる、という方がいいかもしれない。







自分を守るための行動は、実は今だけ自分を守っているだけで、未来の自分を危険に晒しているのかもしれない。




日本では、女性の行動が制限されることが多い。

特に、私の家はそうだった。


女の子なんだから守られていればいい的な感じで過保護に育てられてきた。その育ちと社会とのギャップは昔から感じていた。つまるところ、自分と家族とのギャップだった。











その時の私は、色んなところで尖っていて、自分にも他人にも素直になれていなかったから、周りにヤキモチを焼くだけの厚かましい、ただただ理想が高いだけの女の子だった。




だから、今のありのままの自分が好かれずに、可愛いことだけを言う女の子たちがちやほやされていることに強く嫉妬していたし、劣等感を感じていた。





それは、自分がやりたくてもできないことだったから、余計にだったんだと思う。





だから、この時の先輩の言葉に私は背中を強く押された。






その結果、大学4年間で色んなことに挑戦できた。その中で、1番大きな出来事は、本音を伝えられる恋人ができたことだと思ってる。


恋人ができてから、人に強く嫉妬することは極端に減ったし、ぶりっ子と呼ばれる女の子は、めちゃめちゃ周囲に気を使ってくれる頼れる存在だったり、シンプルに賢いだけだったことを知った。






先輩のように「遊んでおけ」という人は男女ともにいた。けど、私はそう言う人が嫌いだった。





でも、先輩に詳しく説明されて初めてその意味を知った。

「どんなことも、そうなんだ〜って受け入れてやってみることも大事だよ」

つまるところそんな意味を含めた言葉が、今を思う存分楽しめよ!っていう先人からの「遊んでおけ」っていう短いアドバイスだった。






きっとこの短い言葉を理解出来る、飲み込めるような人は賢い。
そんな賢い人はきっと私の思う真面目な人ではない。




世間一般でいう真面目な人は、「〜しなくてはいけない」っていう強い意志や頑固さがある人のことを指すから。

頑固な人は、人の言葉に影響されて行動を変えたりしない。




真面目な人=賢い人な訳では無い。



世間からズレたまま真面目に生き続けてしまった人は、きっと賢い人から”拗らせてる”と思われ、

真面目に生きてきた人は、”拗らせてる”とバカにする人のことを”浅はかで卑しいやつ”とか”クズ”って思うんだと、ふんわり思った。



これは男女ともに言える話。




だけど、これは特に女の子に大きく関わる大事な話だと思う。



女の子と女性のギャップは大きくて、その壁は大きくて分厚い。



そこには、いつも”可愛い”って言葉が存在して、濁して邪魔するからだ。



この話は、女の子から女性になる大きな壁を乗り越えるのに直接関係する話だと思う。





話は戻って、可愛い後輩のバイトちゃんはいつも話題を見つけては一生懸命話してくれる。

その事を私は可愛いとしか思わない。






でも、その状況を穿った見方で考える人は、
バイトちゃんのことを”話が長くて厚かましい人で一緒にいると疲れる”と言うと思う。


バイトちゃんは、小さい子供が親に話すのと同じように「これこれ、こんなことがあって、こうなって、あぁなって」と紆余曲折しながら話してくれる。





子供と接するバイトをしていることもあり、その姿を可愛らしく思う一方で、その姿に”女の子と女性のギャップ”を強く感じざるを得ない。


私は今2つバイトをしている。
1つはjkのバイトちゃんがいる接客業で、もう1つは塾のインターンだ。



接客業のバイトの方は学生が多く、会話は友人と話すのとほぼ変わらない。

一方で、インターン先の方ではほぼ社員と同じ働きをしていることや、学生が少なく上司が年上であるからか、フランクには話さない。



いや、フランクには話す。プライベートの話もするし、コロナ前は呑みにも言ってたし、プライベートで遊びに行く話もしょっちゅう出るくらいには普通に話す。



ただ、JKのバイトちゃんや他の後輩のようには話さないなと、ふと思った。
正直ハッキリ言ってしまうと彼女たちの話し方は会社の中ではそぐわないと思う。




一方で男の子に対してもそういったことを感じたことは無い。
多少おふざけが過ぎてしまうような学生らしい人もいるが、それでも”この人会社にそぐわないな”と思う人はあまりいない。



話が長い男性は一定数いるが、後輩たちのような厚かましさは感じない。

この女の子特有の話し方?厚かましさ?は、自分を理解して欲しい、共感して欲しいという子供じみたオーラが会話に滲み出ているからだと思った。


男性にそれを感じないのは、男性が共感を求めず、依存しにくいことや、男の子と男性とのギャップが少ないからなんだと思った。




男の子はずっと男の子、なんて言われるように男の子と男性のギャップが少ないのは、男性(少年)
みたいなところがあるからなのかもしれない笑





それを抜きにしても、女の子らしさは時に子供っぽさを強く秘めていることが多いと感じる。
 



甘え上手なんて言葉がまさにそれだ。

この甘え方を子供のようにする人が多いが、
きっと賢い女性は相手を立てるためとか自分の要求を叶えてもらうためのあくまで計画的手段として用いてる。

けど、女の子はこの甘え上手を自分の気持ちをぶつけるとか、自分が甘えたいからそのままストレートに甘えるって行動にしてる場合が多い気がする。(私だけかな???笑


それが女の子の面倒臭いところに繋がる気がしている。なんだか、こうして考えていると私自身の特性とは関係なく、女の子自体が依存しがちで、承認欲求が強い人が多い気がする。


この女の子、女性論争は男女差別的な社会問題や因習が強く関わっているし、根の深い問題だけど、めちゃくちゃ身近で、ここを乗り越えられる人は楽に生きられる気がしてる。




私は真面目な女性よりも賢い女性になりたい。そのために今はせめて賢い女の子くらいでありたいと思う。