術後のトーク | こころもよう

こころもよう

日々、感じたこと、考えたことを綴るブログ

病室の窓から
透き通るような青い空が見える。

澄み渡った秋の空を

高層ビルの先端が鋭く削り取っている。




予定通り

10月31日の午前中に入院して

11月1日の午後4時頃から手術が始まった。



膀胱がん(初期)の手術は

これで4回目になるのに

なぜか、今までで一番緊張していて

体はこわばり、声がうわずる。



先生の問いかけに

落ち着いた声で応えられない自分が

情けなくなった。


今回の手術が決まった瞬間から

「3回目の再発」の意味について

思いを巡らせていたせいかもしれない。




手術室の天井を見つめながら

深く息を吸い、長く息を吐き

風の流れが滞らない様にと

頭と心を、できるだけ空っぽにするよう

努めていた。



1時間あまりで、手術は終わった。



主治医が

私の顔を覗き込むような距離で

手術が無事に終わったこと

削り取った部分がいくつもあったこと

傷ついた膀胱壁が回復するのに

予定より時間がかかると思うので

退院が少し延びること

生検の結果次第では、退院後

ワンクールの治療が必要になるかもと言うこと

などを、ゆつくり丁寧に説明して下さった。



私が、頭と心を空っぽにしていたせいか

主治医の言葉は、まるで洞窟の中で

聞いているみたいに、変に反響して

現実離れしていたけれど

主治医の言葉はすべて、理解できた。



ただ


「わかりました」という言葉が、声にならず

何か飲み込み難いものを飲み込んだ様な感覚が

その後、しばらく、喉元に残っていた。




クリップ


とりあえず 東京タワーを 眺めてみる