半分、諦めていた。
東京都美術館の「マティス展」
上野駅から都美術館までけっこう歩くし
暑くて熱中症になる危険もあるし
台風の影響で、断続的な大雨も降るし
開催終了まで後1週間しかないし......と
日に日に、弱気になっていった。
弱気になり始めると
やらないこと、やらなかったことへの
言い訳ばかり、次々に浮かんできて
自分を慰めようとする。
気弱なスパイラルに陥りそうだった。
火曜日。
ようやく、重い腰をあげた。
家から地下鉄の駅に向かう途中
突然、左足の力がスコンと抜けて
「膝カックン」みたいな感じになった。
これは、足の筋力の衰えのサインかも
と、怯える。
上野駅に着いた。
厳しい日差しが容赦なく照りつけている。
日傘をさして、歩き始める。
東京都美術館は
上野公園の向こう端にあるので
かなり歩かなければならない。
恐れていた「膝カックン」の軽いヤツが
2回くらいあったので、慎重に歩を進める。
会場は、結構な人、だった。
入場制限はしているけれど
会場内は、やっぱり、混み混みで。
一度に、こんなにたくさんのマティス作品を
観たのは、初めてだった。
会場を出て思ったのは
「やっぱり、来て良かった」
マティスが好きだ、という人の気持ちが
なんとなく、わかったような気がした。
今 私が使っている勉強机
青山の骨董市で 買った
イギリスの学校で使われていたもの らしい
いろんな落書きも そのまま 残っている
上部にある丸い穴は
インク瓶を差し込むためのもの