小室哲哉が引退を発表した。引き金は週刊文春の不倫疑惑だが、難聴を患っていたとか、妻の介護等で精神的に疲れていたこともあり、そもそも11月の誕生日に引退するつもりだったのを前倒ししたとか、まぁ、色々と話題が出ている。

 

それにしても、この手の話題で芸能レポーターや芸能ニュースが「男女の関係はあったか」「一線を超えたか」といった下衆な質問を取り上げているが、そんなこと知りたいか?と思う。自身や相手の家族に迷惑を掛けたことは事実にしても、社会に対して罰を受けるほどのことではない、と僕は思う。もちろん、不倫を肯定するものでもないが。しかも、男女関係に至ったかどうかなど、公私の別で言えば明らかに「私」の部分、安易に踏み込むべきじゃないだろう。それに、不倫になって恋に落ちれば、そういう関係になったであろうことは想像つくはず。それを「公」の場で、吐露させて話題として取り上げようなど、下衆の極みみたいだなと感じる。第一、興味も無いし。

 

さて、音楽の話。僕世代には、はるか昔はTMネットワークのメンバーであり、90年代はプロデューサーとして一世風靡したのが小室哲哉。ただ、個人的に衝撃的だったのが、その過渡期のV2なるグループ。他ならない、X JAPANのYOSHIKIとの限定ユニットだ。

 

何が衝撃的かと言えば、それはもう、グループの枠を超え、レコードレーベルの枠を超え、TMネットワークの小室哲哉と、当時人気が鰻上りだったX JAPANのYOSHIKIが手を組んだこと。サンシャイン池崎も顔負けなほどに目玉が飛び出そうだった。しかも、いつも背後でシンセサイザーやピアノを弾いてるイメージの小室哲哉がボーカルというのも斬新だった。THE ALFEEの高見沢俊彦も参加予定だったと聞いたことがあるから、もし実現していたなら、相当異色なコラボだっただろう。

 

「背徳の瞳〜Eyes of Venus〜」は、滑らかさも歯切れの良さも無い、独特な音と歌い方によって編み出される感覚のサビが好きだった。

 

「背徳の瞳〜Eyes of Venus〜」

 

この歌詞を小室哲哉はどのような気持ちで読み返すのか。引退は不要だと思うが、惜しい。

90年代のTKミュージックに酔い、X JAPANに酔った人の、記憶の箱を開ける名曲。

 

※本ブログでは、すべて敬称略とさせていただきます。