圧倒的映像美!音楽美!「竜とそばかすの姫」
「竜とそばかすの姫」見てきました!4回泣きました(´;ω;`)
細田守監督作品、「バケモノの子」、「未来のミライ」と劇場で見てきたんですけど
毎回始まった瞬間に泣くんですよね笑
「やっと見れた!細田監督の夏が来た!」って感じで。
今回は泣いたのに加えて、初めから映像が綺麗すぎて、開いた口が塞がりませんでした。
初めて会う人に会うとき「最初の印象が大切」なんて言いますけど、
これは作品にも言えることだと感じました。まじで最初から半端なかったです。
こっからネタバレ大ありで感想を述べていきたいと思います。
〇物語について
物語はやっぱり「サマーウォーズ×美女と野獣」って感じでした。
正直、美女と野獣要素はあまりいらなかったかもしれません。
「あー美女と野獣要素だから次ジャスティスがベルに問い詰めて、んで竜が助けにくるんでしょ」
って思いながら見てしまいました。別に美女と野獣じゃなくてもいいんじゃないかと。
逆にサマーウォーズ的要素は良かったのかなと思います。
サマーウォーズが作られた時よりもさらに進歩しているネットの世界を視覚的に表現されていて(誹謗中傷とか)
OZとはまた異なったネットの世界を堪能することが出来ました。
冒頭に出てきたあのうさぎ!!もうあれを見た瞬間脳内パニックになりました笑
「えOZのうさぎがなんか進化してる!!」って笑
また「え?なんで?」な点が多数あったのでそれは後で書きたいと思います。
〇登場人物について
・すず、ベル:歌声がまじやばい!もっと歌って欲しかった!
ほんと歌声がすごい!!もう最初の曲「millennium parade – U」から迫力がやばくて!
また演技も良かったです!歌手の方が声優ということで正直、演技面は期待していませんでした。
しかし、演技面も良かったです。棒読みな所もなかったし、
なんといっても震えながら歌い始める演技がとても良かったです!
・しのぶくん:イケメンですね。
すずのことを支え続け、そしてすずの背中を大きく押したしのぶくん。
学校でのバスケシーン1人だけフード私服って感じのスタイルで「なんでやねん」って
面白かったです。そしてなぜすずがベルであることを知っている!?
・カミシン:心配になるくらいの天然馬鹿(誉め言葉です)
「カミシン!!あんたはもう!!」ってくらいの天然馬鹿笑
コメディ要素を作ってくれる存在。カヌー部頑張って笑
・ルカちゃん:もうこの性格でいいのよ!
キャラクター紹介でめっちゃ美女として書かれていたから
すずを馬鹿にするような存在なのだと思っていたら
全然違いました。もうただの乙女でした。
・ヒロちゃん:大好きです!良きキャラです!
ヒロちゃん最高です笑性格も行動も破天荒笑
すずをUの世界に導いてくれてありがとう。ヒロちゃんの高笑い大好きです。
佐久間くんと絶対話が合いそう笑
・合唱隊:プロだった。もっと歌って欲しかった。
プロ集団でした笑合唱団どころではないですね。
あと公式サイトには職業も書かれていたので、
働くシーンもあるのかなと思ったら一切なかったですね笑
・すずの父:もうなんか心が・・・
すずの父の声優さん知っていますか?役所広司さんです。役所広司さんが
今までに細田作品で演じたキャラ知ってます?
熊徹です。そう父です。父なんです。もうそれを考えただけで心が(´;ω;`)
「人間の父になれたんだね」とか考えちゃうしもう胸が(´;ω;`)
・すずの母:なんでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ(xeの連続押)
なんでなんですか!なんで救命着を1着しか持ってなかったんですか!
そしてなんで行ったんですか!すずちゃんと歌作って幸せに暮らして欲しかった。
・兄弟、竜:野獣でした。
なんかただ暴れるキャラとして用意された感が💦物語の主要人物だけど
もっと掘り下げて欲しかったかなと思います。ただバトルして、正体は僕でした!
みたいな感じで、もっとベルと話して欲しかったし、なんかもう少し掘り下げて欲しかったなと。
今の私の中の竜は美女と野獣の野獣と同じように見えてしまいます。
兄弟もキングカズマ並みには印象に残らなかったです。竜の印象が強すぎて。
竜になってUの世界で何がしたかったのか、助けて欲しかったのなら他にやり方があったのではと思ってしまいました。
あと竜のオリジンの雰囲気がなんかキングカズマに似てましたね。
・ペギースー:もっとあなたの歌声を聴きたかったよ
なんか好き。敵対視していたベルに対して最終的には心を開くようなシーンが書かれていた。
ベルと歌の対決をしたりしてもっと歌って欲しかったという印象です。
・ジャスティン:あなたは誰?
兄弟の父かな?ヒーローみたいでかっこよかったよ。あとスポンサーの出し方がサマーウォーズの花札
〇???な部分
「なんで?こうなるの?」な部分を挙げると
・なぜベルがルカちゃん外見にそばかすになったのか
学校でルカちゃんに誘われて撮影した集合写真を基にアズをつくりベルが誕生したのですが、
外見はルカちゃん。だけどそばかすがあるんですよね。
アズの定義としては自分の分身で1人につき1体しか作れない。
そんな自分のアズを他人の外見に似せて作る。
これにはすずのルカちゃんへの憧れもあったかもでそれで外見を決定したのは良いが、
なぜそこにそばかすがついたのか。人を人として認識できてないの?
・なぜベルはあれほどまでに有名になったのか。→ネットの拡散の効果?
・突然の母の死
細田守監督は本当に自分のキャラに容赦がないですよね。あんな状況、他にも手立てがあるでしょって思いながら見てました。
ひもでつなぐとか。
・母の死後、なぜすずと父は話さなくなったのか→すずが無口な人物になった影響?
・竜と初めて出会ったときのベルの反応「あなたは誰?」
そして竜への執着がすごい
ひたすら「あなたは誰?」って感じで、なんでってなってしまいました。
ネットの世界は匿名。そんな個人を特定したくなるようなことはほぼないはず。
なのにベルは竜の正体ばかりに気を取られている様子。何ででしょう。
そして何で自分のライブを壊した竜にあそこまで執着するのでしょう。
無理やり美女と野獣の世界観に引っ張っていった感が満載でした。
・謎のすずへの攻撃
あのソシャゲに例えたようなすずへの攻撃あれは何だったのでしょう💦
・ベルの正体がばれる
しのぶくんにベルの正体がばれてしまうシーン。そこまで絶望しなくても良いのでは?となってしまった。
「うん。私がベルだよ」ってすっきりした感じでも良かったのでは。
てか何で周りの方々が知っていたのでしょう。そしてなぜ小学校だと思ったのでしょう。
・竜のオリジンの弟
竜のオリジンの弟は結局クリオネだったのですかね?
そしてなんであんな言葉足らずなのでしょう
・生体認証?の仕組みがいまいちよく分からなかった。
ベルが躍って歌っている時はすずも同じ動きをしているということでしょうか。
なら竜を助けるために川辺を走りながらイヤホンをしていたシーンからの
あの立ちすくみは流れ的におかしいのでは?
これは自分の解釈不足もあると思うのであまり気にしていない
〇良かった点
先に疑問点ばかり並べてしまいましたが、次は良かった点
・ガチの歌声に綺麗すぎる映像
もう歌声の為に見るでも全然大丈夫です!ほんと「さぁみなさんこちらへどうぞ」です。
もう歌声だけでも聞きに来てください。そして綺麗すぎる映像。
ほんとあり得ない世界観。あんなライブ会場無いし、あんな複雑な建築物なんて
どういう発想があれば考えられるんですかね。
そしてベルの衣装がすごい可愛かった!あの赤のドレス大好きです🌹
・Uの世界と現実の区別
Uの世界を3Dで作成し、またリアルの世界はこれまでと同じように手書き?で。
この区別が良かったです。また始め冒頭からリアルを描くのではなく、
「サマーウォーズ」と同じようにUというネット世界からはじまり、解説を始めにしてくれるというのは
作品にも入りやすくて自分的には良かったです。
・現実はやり直せないけど、Uならやり直せる。
さあ、もうひとりのあなたを生きよう。さあ、新しい人生を始めよう。さあ、世界を変えよう。
少し言葉は違うかもしれないけど、Uにログインする時に流れるアナウンス。
このアナウンスがすごい美声なんです!好きですね笑
この言葉、初めて冒頭で聞いた時「おおーーー」っと思いました。
「これがUか」とも。新しい人生を始めるきっかけとしてUがあるんですね。
Uで歌って様々な事件に巻き込まれて、だからすずもリアルで成長できた。
この言葉はかなりグッときましたね。
・子どもの描写
ほんと、細田守監督は子どもの動きが子供ですよね。
すずと母親の回想シーン。一緒に遊んでいるシーンですずをこかしたり。
こかすっていりませんよね。楽しく遊んでましたっていうことだけを伝えたらいいのに
そこにこける要素を加える。もう子どもって感じです。子どもって大人に比べてコケる頻度も多いですし。
おおかみこどもの時から思っていましたが、ほんと子どもなんですよ。
あそこまで子ども子どもしてる子どもを見たことないです。
・カミシンとルカちゃんのあの駅のシーン
あれは演出めっちゃ良かったですね。あのルカちゃんが顔を覆う映像にそこにカミシンの
変な行動を加えて、カミシンを画面に映す映さないだけであそこまで尺が持つのかと笑
あのシーンは面白くて良かったですね!そしてそこからのすずの絶望は温度差がやばかったです笑
・すずと母親
見知らぬ子供を助けるために川へ飛び込み結局母親は死んでしまう。他人の為に。
それをすずはなんでなんでと問い詰めて結局歌えなくなってしまう。
そしてすずはUと出会い、歌を歌い、そこで出会った少年を助けるために東京へ行く。
そう、他人の為に。他人の父親に顔を傷つけられても兄弟を守り抜いたすず。
ここに母親と同じような運命をたどるすずの成長が見えて良かった。
・川で見せるすずの心情
川などの自然を魅せるのも細田守監督作品の特徴のひとつ。
今回は川。すずが絶望の淵に居る時は同じ川でも暗めの色なんですね。そこで心情変化を行う。
そして最後は細田守監督作品の重要な要素、入道雲。
今回の入道雲は雲の後ろに太陽があり、太陽の光が少し見えている状態。
光が見えますね。
〇まとめ
今回の「竜とそばかすの姫」、圧倒的映像美、音楽美なのはもう十分分かりました。
では、何が伝えたかったのでしょう。
それは「ネット社会の匿名性によるメリットデメリット」ではないでしょうか。
メリットは、すずはUの世界で自分の分身を作りそこで歌を歌い、その結果リアルでも歌えるようになりました。
また、兄弟はネット配信の時に流れた時刻を知らせる音楽と窓の背景から位置情報を解析し、
助けに行くことが出来ました。
このようにネット社会では、匿名性、自分を知らない、また知らない相手とのやり取りを行うことで、
リアルとは違う自分を魅せてくれます。また、匿名性とは関係が無いのですが、
画像などから位置情報の特定を行うことができます。これらがメリットなのではないでしょうか。
しかし、デメリットもある。匿名性によって引き起こされる誹謗中傷。簡単に人を傷つけることができる。
変な噂が流れる。位置情報を特定できるというのも個人情報の漏洩と同じです。
誹謗中傷によってベルのオリジンであるすずは慌てふためきます。誹謗中傷は簡単に人を傷つけることができます。
すずの母だって人助けをした結果誹謗中傷されてしまいました。
また、変な噂は竜探しの最中にありました。あのアーティストはこうだだの、あの人はこうだから竜じゃないかなど。
誰かがでっちあげた噂によって簡単に人の人生は狂うのです。
またメリットとしてあげた位置情報の特定も怖いです。事件にも繋がります。
匿名性だからって油断してはいけません。ぶっちゃけると、私は人物のアカウントを特定するのが上手いです。
自慢できることではないですが、裏垢、本名ではないアカウントでこれまでに数人のTwitterアカウントを見つけたことがあります。
特定する方法としてあまり詳細には言えませんが、趣味だったり常日頃の言動だったりから特定することができます。
正直裏垢は裏垢じゃないと思っています。
だから私はリアルの友達に「私は黒花ってアカウントでしてるんだけど」って本名じゃないアカウントの事を
もうすでに言ってます。だっていつかばれるならもう言ってしまおうと笑
こんな素人の私ですらアカウントの特定はできますし、どこで何をしているのか写真だけで特定することもできます。
できちゃうんです。だから匿名性だから好き勝手に書き込んで「ばれないでしょ」と思ったら大間違いです。
ばれます。こんなことあまり書きたくないですが、ネット上で誹謗中傷をしたとして逮捕されている方もいますよね?
特定するのは簡単なんです。
このように以前作られた「サマーウォーズ」の時とはネットの世界は大きく変わりました。
「サマーウォーズ」では誹謗中傷を描いているようなシーンもなかったです。ただネットの世界を娯楽として
楽しんでいる人々の姿が描かれていました。
それに比べ今回はネット世界のリアルが描かれている気がしました。
「竜とそばかすの姫」映像、音楽だけではありません。
ネットを常日頃から使用している私たちへのメッセージ性もある映画なのだと思いました。
