怯えて暮らしていた私達
誰にも助けてもらえず、母の愛情もほとんど感じる事もなく、ただ耐えるしかなかった
そんな頃、学校からの帰りに
『気ママさん?校門でお父さんが待ってるよ』と言われて校門まで行くと
そこには父がいた…
最初は分からなかったけど、二カッと笑った時に見えた金歯で父だと分かった
私は何故父がここにいるのかも、どうしたらいいのかもわからないまま、父に言われるがまま家まで案内した
父は家を確認するとまた来ると言って何処かへ帰っていった
なんとなく私は誰にも言わなかった
するとその日の夜、父は酔っ払って家に来た
私達は物置小屋から家に上げられて私だけが父と話すように母に言われた
ガラス窓を隔てて父と話をしろと
『いい子だからここを開けて。お母さんと話がしたいんよ。』
母は『お前が決めなさい』と
私はまだ小学校3年生
決めなさいと言われてもどうしてたらいいのかわからない
震えて泣いてどちらからも責められてるようで、パニックになった
そして、父の
『早く開けろ!』の叫びで開けてしまった…
瞬く間に父は家に入り、母を引きずり出し殴り始めた
母は悲鳴をあげて裸足で逃げ回りパパは家の中から
『俺の女に何しとんじゃー!』と叫んでいた
でも、助けなかった
しばらくして警察が来て、父は連れて行かれた
母にはお前が開けるからと責められた
ずっと母に対して思っていた不信感が一気に溢れ出してきた
私はその日から母を今までのように愛せなくなった
無償の愛が無くなった
そして数日後、まだ母もパパもいない間に父が来て、私達3人は何処かのアパートに連れて来られた
その時私達兄弟は、あの地獄から開放されると胸をなでおろしていた
これで辛い日々と決別できると…