飯能花子さんから引き取った、耳カットありの女の子は
人に慣れていないシャーシャーの子だった。

「おとなしい」と聞いていたがとんでもなかった。

シャーシャーというよりは、ピャーピャーかん高い声で鳴いて威嚇してくる。

ご飯のお皿をケージに入れようとしたら、ものすごい勢いで叩き落とされたので、
長いトングを買って それで対応している。

初日に入れてあげたベッドもすぐにオシッコされてしまい、仕方がないのでヒモつきのクッション?座布団?よく椅子にくくりつけて使う薄っぺらいクッションを、ケージに結びつけて落ちないように固定した。

写真ではうまいことちゃんと使っているが、今日は帰宅したら片方のヒモが食い千切られ、フリースの毛布とご飯のお皿はトイレに落ちていた。あーあ、、お皿もうんちまみれだし。

可哀想に、私がのぞくとブルブル震えてしまう。
ケージには毛布をかけて目隠ししているものの、ご飯やトイレ掃除のときは毛布をめくらなければならない。

夜中はずっとピャーピャーと鳴いている。

ご飯は食べてあるし、うんちもいいのをしているので、健康状態は問題ない。



慣れない気性の荒い子を保護するのは
私は慣れているのでいいけれど

この子は一体どこからやってきたんでしょう。


花子さんの話によると、
花子さんの自宅周辺は、もうほとんどのらちゃんはいないらしい。(きっと花子さんがほとんど保護した)
いたとしても、TNR済みの決まった餌やりさんがいる知ってるネコだけだとか。

ところがある日、見知らぬこの子が現れた。

近所のネコ好きおじさんが、ネコを飼いたいからとこの子を捕まえて、自宅のケージに入れたらしい。(まだ正確な個体確認は出来ていないがおそらくこの子だろうと 花子さん談)

ところがしばらくして、そのおじさんの自宅の外に ケージが出されていた。
その時花子さんは、もうケージではなく室内フリーにしたのかな?と思ったそうだ。

そしたらこの子が現れた。

あれ??この子はもしや、おじさんが捕まえた子では!?
それから ケージが外に出されていたことなどから、
もしかしておじさん、この子を飼うの諦めた!?
とよぎったそうだ。

まだおじさんに確認は取れていないが
状況からしてそうだろう、とのこと。

私「いや、そのおじさんにこの子を返す?」
花「いやいやいやー、おじさんには飼えないでしょう」
私「まぁ、ネコが飼いたいからといきなりのらちゃん捕まえて飼おうとしても無理だよね」
花「おじさんには手に負えないほど狂暴だったのかも」
私「確かに。ってかそれで私のところに、、、」
花「でも、じゃあ、この子はなんでいきなり現れたのか、ってことですよ!この子はどこから来たのか、ってことなんですよ!」
私「確かに。多分生粋ののらちゃんなんだけど」
花「でも最初はおとなしかったんですよ!」
私「それはビビってただけなんじゃないかと。ピャーピャー威嚇してすごいんだけど」
花「あははははー!でも店長んとこでよかったですよー!」
私「…まぁ確かに。でもおじさんが手に負えなくて諦めたってことは相当かと」

ピャーピャーすごいので「ピャー子ちゃん」という名前にした。


この子が狂暴だろうが気性が荒かろうがどうでもいいが、
耳カットありの子が、ある日突然見知らぬ土地に現れるという謎。

餌やりさんが居なくなったのか、
はたまた違う場所にリターンされたのか、
誰かがのらちゃんを捕まえて見知らぬ土地に遺棄したのか、

避妊手術済みのしかも女の子が、どこからか自力で流れてくるのは考えにくい。

間にちょっとだけ入ったおじさんはどうでもいいとして、
TNRの鬼の花子さんのシマに突如現れるとはどうしたことか。

私はネコの下僕なのでまぁいいとして、
この子の身に一体何が起きたのか、話を聞ければよかったのだけど。


おじさんは勝手だけど、悪い人ではないのでしょう。
気性が荒いのでびっくりしたのだろうし
ネコ初心者🔰だから仕方ないのかもしれない。

気の毒なのはピャー子ちゃんだ。

知らない土地で、知らない人に二度も捕まって、そりゃあ怒りたくもなるでしょう。
ベッドにオシッコしたり、ご飯をぶちまけたくもなるでしょう。
おまけに知らないネコがたくさんいる環境にやって来てしまった、
ピャー子ちゃんの心情を思うと申し訳ない気持ちにもなる。

まぁ私は下僕なので、
ピャー子ちゃんのゴキゲンをとりつつ、
そして
私はおじさんのように、途中で諦めて放り出したりしないから
どうか安心してほしい。

気長にお付き合いしますよ。
大丈夫だから、安心して眠ってほしい。


どこにいたの?
どこから来たの?
聞きたいことはイロイロあるけれど

ピャー子ちゃんのみぞ知る ピャー子ちゃんの過去。


まぁいいや、
仲良くしよう。
まずはそこから。