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商船三井のRO/RO船 "MERLION ACE "です。

皆さんが思ったように私も最初はコンテナ船の改造船かなと思いました。

ブリッジがあまりにも高くコンテナ船そのものじゃないか。

SEA-LANDのコンテナ船がLO/RO船に改造された本船もあるので
てっきりそう思っていました。

関係者のお話を聞くことができました。

1980年代の建造で詳細はわかりませんし推測でもありますがとの前置きですが、
1980年代前半はデッキにコンテナが積めるLO/RO船が結構あったそうです。

コンテナ船が日本に寄港し始め、コンテナターミナルも整備し始められましたが
まだまだ隻数もコンテナ本数も少ない時期だったそうです。

重機や長尺物、自動車などが積めるRO/RO船のDECKにコンテナが積めるのは
効率的に荷物が運べるのではないか、ということだったらしいです。

すでにNEDLLOYDが同じようなLO/RO船を運航しており名古屋港のコンテナターミナルではRO/RO荷役用の
ランプのついた岸壁も設けられました(今は撤去されています)。

しかしこの本船、見てのように船高があり、ガントリークレーンでの荷役では段積みがしづらい
(当時のガントリークレーンは低かったため)、コンテナ船やコンテナ本数も多くなり、
コンテナターミナルでは重量物、自動車などを置くスペースがなくなったこと。
また、コンテナ荷役をするためだけにコンテナターミナルにシフトし通常荷物は
他の岸壁で荷役するには時間もお金もかかる・・。
コンテナの採算悪化・・・
等などの理由でコンテナは積まなくなったのではないか、ということです。

また、船齢が20年以上たっており近い将来は売却やスクラップなどになるのではないか
とも付け加えてくれました

トヨフジもつい数年前までLO/RO船を所有しており、DECKにコンテナを積んでいましたが
撤退しましたし、Wilh. WilhelmsenもLO/RO船をRO/RO船に改造し、コンテナから撤退しました。

COSCOも数年前までオーストラリア、ニュージーランド航路でLO/RO船を運航しており、
横浜、名古屋、神戸に寄港していました。
本船に何度か行きましたが、コンテナ荷役を行いながらランプでの自動車積み込みなどは
非常に危険でした。

しかしこのタイプの本船はヨーロッパや南北航路では多数活躍しています。
ターミナル施設が整っており需要もあるのでしょう。

色々なタイプの本船が登場し、隻数も増えるとそれぞれの専用船の方が
効率は良いですし、安心して荷物が運べます。

ブリッジとデッキの間(1階部分)にくぼんだスペースがあるのがわかりますでしょうか。
(携帯の写真なので見えないかなぁ)
マンションで例えると1階が駐車場、2階以上が居住スペースと言う感じです。
くぼんだ部分には大型エレベーター(船によってはランプ)があり、
そこからデッキ上に車を運ぶことができるそうです。

詳細やもっと奇麗な写真はantonさんのブログをご覧ください。


M/V "MERLION ACE"
ex:AURORA ACE
IMO NO:8303989
FLAG:SINGAPORE
BUILD:
KEEL LAY-16th DEC 1983
LAUNCH-21st MAR 1984
DELIVERY-23rd JUN 1984
LOA:181.890m
BEAM:32.20m
DEPTH:21.770m
DRAFT:9.420m
DWT:17090t
GWT:33546t
CAPACITY CAR/CONTAINER:3500/136teu.200Feu
TRIAL SPEED:20.7kn
BUILDER:Shin Kurushima Dockyard Co., Ltd.
OWNER:SSC Carriers Pte Ltd
MANAGEMENT:OW SHIPMANAGEMENT PTE LTD
OPERATOR:MOL



撮影日:2007年6月28日(木)
PHOTO(MERLION ACE):風間遊介(ever_gifted)
PHOTO(GU BEI KOU):GEORGE1