音楽詩小説のKindle版の販売を再開いたしました。

Amazon 『東京カラス』 FOAJEON


音楽詩小説 

その1 

東京カラス


愛を実感できない女性が逃れるように家を捨て大都会東京に描いた夢はいったい 何処に行き着くというのだろうか ㆒


地方の工業都市で生まれ育った女は幼い頃からその町全体を覆うような独特なニオイに悩んでいた。

反りの合わない母親との関係がそのニオイに同化していく中で女は家族という血の繋がりに希薄になっていく自分を感じ始める。

此処にいては私は一生夢を持つことができない。

青春すら通り過ぎていってしまうかもしれない。

そんな不安に押しつぶされそうになった女が思い描いた未来は大都会東京への逃避行だった。

何か特別なことを人生に望んでいる訳ではなかった。

ただ一人の人間として一人の女性として普通に生きていきたいと願っただけだった。

あまりにも幼なく切ない動機で一人暮らしをするようになった女の前に想像もつかなかった絵模様のような人間模様が繰り広げられていく。

孤独とは何か。

その孤独の背をみつめる者は自分自身の影なのだろうか。

都会で一人で生きる女性の感情の内脈を鼓動を打つように描いた女性必読の新ジャンル音楽詩小説。

本当の孤独を知る人にしか本当の恋は愛は訪れてこないー。

今一人を生きる女性にとって人間として必要な多くの示唆に明確な光景を与えてくれるに違いない。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


主題歌は、同タイトルの『東京カラス』です。

https://youtu.be/Pd_2mmFvtcI 

わたしの歌の中ではダントツに低音の歌で、新鮮に感じたのを、昨日のように覚えています。

女性のかたがファンになってくださることの多い歌でもあります。


『東京カラス』

作詞作曲:FOAJEON

歌:川村南魅


1.

いつからだろう 空を感じない

人の目を気にして歩いている私

街の夕暮れはビルの森のよう

人の声が波の音のように


その日を暮らして 疲れ 眠ったの

あまりきれいじゃない手で顔をかばいながら

私 負けたくない 胸でつぶやいてた

頬に流れる涙をみつめながら


夢を抱いて ただ もがいて

生きる意味を ただ 探して

東京ーーー

私を 抱きしめてください


2.

やさしい言葉をかけてくれた人

驚いてうれしくて その人に恋をして

普通の結婚 胸に描いたけど

私 何故か踏み切れなかったの


小さな希望と素朴な毎日

私 それだけで生きていられるのに

街の三叉路に消えた夢人の

遠い声がさびしい雨のように


あれから何年経ったのだろう

月日は流れ ただ流れて

東京ーーー

私を 抱きしめてください


3.

風になれたら どこへ行くのだろう

私 本当に何をしたいのだろう

何でもいい 誰でもいい 胸を開いて

自分の素顔で生きて行けばいいのね


夢を抱いて ただ もがいて

生きる意味を ただ 探して

東京ーーー

私を 抱きしめてください


東京ーーー

私を 抱きしめてください