「爾血刀」
昨日も一昨日も雨。
憂鬱になる、雨。
時は西暦2155年。
技術は進歩し、人類は地球温暖化から生き延びた。
そんな時代に彼らは住んでいる。
「えーと、ここは今度のテストに出すから。」
「ちゃんと、覚えておけよ!」
「えーー」
「文句を言うな」
斉藤先生は時計を見て
「こんな時間か。」
「級長、号令!!」
「起立!!」
と級長の、東あずきの声が教室に響く。
ガタっ ガタッ
「礼」
「ありがとうございました」
「終わったーー」
という、クラス皆の声を耳にする。
「優斗、優斗はいるか」
担任の新垣信が僕を呼ぶ。
僕は
「はい、何ですか?」
「おぉ、イタイタ。あれ、えっと。」
「何ですか?」
「あ!そうそう!!美術の左藤杏先生が今すぐに、美術室に「来なさい!!」だって」
「あ、そうですか。ありがとうございます」
優斗はそう言い残して、美術室に走って向かった。
美術室の前に来ると、杏先生は教官室のドアの前にいた。
「杏先生。」
「あっ、優斗。」
「用事は何ですか?」
「ちょっと、入って。」
「はい」
「失礼します」
そういって、教官室に入ると、
杏先生が、優斗に抱きついた。