続いてはこんな問題です。
<出題:灘高校 ジャンル:図形 難易度:★★★★☆>
(1) 点から辺
にひいた垂線と辺
との交点を
とする。直線
は辺
と垂直であることを証明せよ。
(2) 点から面
にひいた垂線と面
との交点を
とする。線分
の長さを求めよ。
これは2019年度の灘高校入試問題・数学の最終問題でした。以下が僕の拙い解答方針と答案です。
(1) <証明> 鋭角三角形において,
とおくと
と表せ,
より
一方, 鋭角三角形について,
から
におろした垂線の足を
とし,
とおくと,
より
ゆえに①,②よりとなることから
と
は一致するので, 直線
は辺
と垂直であることを意味する。
(2) 点から辺
に垂線をおろし, その足を
とし,
とおくと, 鋭角三角形
において
が成り立ち
,さらに
と求められます。
です。これより
が分かるので
から, 点
から面
におろした垂線
の長さは
となります。
と求められます。 二等辺三角形の高さは
ですから,面積は
となります。当然, 面
を底面にしたときの体積も変わらず10ですから,
が成り立ち,これを解くと
となるのです。
難関校ではよく出るいびつな三角錐の計量問題です。もし正三角錐しか習っていない場合, 「垂線を下ろしたら2:1であることを憶えろ!」みたいな指導しか受けていないと思うのでこのパターンは解けません。一般的な三角錐は、展開図にしたときにそれぞれ離れた点からもっとも近くの辺に垂線を引いて交わったところが立体の垂線の足になります。絶対に1点で交わるようになっていますのでご安心ください。あとは相似比やピタゴラスの定理を使って高さを求めて体積を出すという流れになります。ハイレベルな高校を受験される方は憶えておきましょう。