灘高等学校入学試験より図形 | Seraph Boy~渦巻く記憶~ 小学生当時、偏差値30代のライトノベル作家が入試問題を解くと…?

Seraph Boy~渦巻く記憶~ 小学生当時、偏差値30代のライトノベル作家が入試問題を解くと…?

塾講師経験のある物書きのブログです。原稿の傍ら、脳トレも兼ねて入試問題を気ままに眺めています。

続いてはこんな問題です。

 

<出題:灘高校 ジャンル:図形 難易度:★★★★☆>

鋭角三角形の面だけでできた三角すいがあり, 各辺の長さは,

 

である。

 

(1) 点から辺にひいた垂線と辺との交点をとする。直線は辺と垂直であることを証明せよ。

(2) 点から面にひいた垂線と面との交点をとする。線分の長さを求めよ。

 

これは2019年度の灘高校入試問題・数学の最終問題でした。以下が僕の拙い解答方針と答案です。

(1) <証明> 鋭角三角形において, とおくとと表せ, より

となる。…① 

一方, 鋭角三角形について, からにおろした垂線の足をとし, とおくと, より

となる。…② 

ゆえに①,②よりとなることからは一致するので, 直線は辺と垂直であることを意味する。

 

(2) 点から辺に垂線をおろし, その足をとし, とおくと, 鋭角三角形においてが成り立ち,さらにと求められます。

直線と直線の交点をとすると,2組の角が等しいことから

∽△であり, 比率は

です。これよりが分かるのでから, 点から面におろした垂線の長さはとなります。

ゆえにこの三角すいの体積は△

と求められます。 二等辺三角形の高さはですから,面積はとなります。当然, 面を底面にしたときの体積も変わらず10ですから,が成り立ち,これを解くととなるのです。 

 

正解例 (1) ↑上記の通りです。 (2)

 

難関校ではよく出るいびつな三角錐の計量問題です。もし正三角錐しか習っていない場合, 「垂線を下ろしたら2:1であることを憶えろ!」みたいな指導しか受けていないと思うのでこのパターンは解けません。一般的な三角錐は、展開図にしたときにそれぞれ離れた点からもっとも近くの辺に垂線を引いて交わったところが立体の垂線の足になります。絶対に1点で交わるようになっていますのでご安心ください。あとは相似比やピタゴラスの定理を使って高さを求めて体積を出すという流れになります。ハイレベルな高校を受験される方は憶えておきましょう