小湊鉄道の旅 前編 | VOYARK

小湊鉄道の旅 前編

バカの壁などの著で有名な養老孟司さんは昔、学生を田んぼに連れていった際に「あの田んぼはお前だろう」と言ったそうです。しかし学生はポカンとしていました。何を言ってるんだと思ったのでしょう。私も急にそんなこと言われても戸惑うと思います。養老孟司さん曰く、田んぼは私達自身だと言います。田んぼから米ができる。その米を摂取して体が作られる。米は体の一部になるわけです。その米を作ってる田んぼの水や土、そして日光だって全部私達自身ということなのです。しかし、現代人は人工的なものに囲まれて、自然と隔絶した場所でいきています。あの田んぼはお前だろうと言われてもあれは誰かの田んぼで自分ではないと思って当然でしょう。私もその1人でした。でも、これを読んで私は生物の本質を忘れていたことに気づいたのです。自然の豊かな場所にいかなければならない。私はそう思い立ち小湊鉄道にのり、自然豊かな房総の奥地へと踏み込みました。

まず、内房線五井駅から小湊鉄道に乗りました。Suicaが使えないということで、1日フリーパスを1800円で購入しました。

車窓から見える景色は、ずっと山と田んぼ。
美しい夏の田舎の景色を久石譲のsummerを聞きつつ堪能しました。





途中で停まる駅は、まるで平成生まれの自分が昭和時代にタイムスリップしたかのような気持ちになるくらいレトロな駅ばかりでした。





電車に揺られること約1時間、終点から一駅前の養老渓谷駅で下車。



駅近くのバスの運転手さんにおすすめの名所を聞くと、出世観音という観音様が祀られる寺があるとのこと。とりあえずそこに向かうことにした。

夏の容赦ない日差しと蝉の大合唱を浴びながら
歩くこと15分。




目の前に千と千尋の神隠しを彷彿とさせるような赤い橋を発見。どうやらこの橋が出世観音がある寺への入口らしい。



橋を渡って、階段を登ると薄暗いトンネルが現れた。いよいよジブリの主人公のような気持ちになりつつも、トンネルへと向かった。




続く。