時間 | VOYARK

時間



人類は産業革命を契機に数多の発明をしてきた。

工場は全自動化され、生産効率は上がり

人の手を借りずともその役目を果たす。


庶民の家々には、数々の家電が鎮座している。

三種の神器は昔の話。

今や便利さと機能性が追求された、

テレビや洗濯機、電子レンジ、炊飯器……

一般大衆にとっては贅沢過ぎと言っても良い

最新技術を結集して作られた家電が世に出回っている。



これらが開発され普及してきた理由は何であろう。


テレビは、わざわざ映画館や劇場に行かずとも

視覚的娯楽を楽しめる故に、世に普及した。


洗濯機は、わざわざ洗濯板でゴシゴシ衣服を洗う

手間をなくすために開発された。


電子レンジは、わざわざ火をつけなくとも

食品を温めることができるように開発された。


炊飯器もまた然り。

火を使わずに、米を手軽に炊くために開発された。



我々の周りを見渡せば、

時間を節約するための道具が勢揃いではないか。

しかし、多くの現代人はこうボヤく。

「時間が足りない。」

時計を見ては時間に追われる毎日。

何か矛盾してはいないだろうか。



そもそも"時間に追われる"とは、なんて馬鹿げた言葉だろうか。

時間なんてものは、

時計がない時代は、そもそも存在しなかったではないか。

現代の我々は、時間という実体のない

怪物に追われ、脅されながら生きている。



時間を節約するために、多くの便利な道具を開発してきた人類は、

新たに生み出された余剰時間を、活動時間として組み込んでしまった。

おまけに、夜を煌々と照らす照明の登場のお陰で

人類は夜中も活動せねばいけなくなった。

他の動物はとっくに寝てる時間に、同じ動物の人類はあくせく動き回っているのだ。


仕事から帰って、時計を見れば既に0時を回っている。

次の朝は6時に起きて仕事に行かなければならない。

これが日本の一般的なサラリーマンの生活であろう。


だが、こんな生活は生物として根本的に誤っている。

もっとゆっくりとした時間を過ごすべきだ。


私は、いわゆる社畜にはなりたくない。

時間を拘束され続けて人生を終えたくはない。

私はこれから、時間に一切拘束されることのない

生物のあるべき姿である、真の自由人となる。

私は、この"時間"という魔物によって支配された世界を脱出する。

時計がない世界、それこそ本来人類がいた理想郷である。



さあ、君たちも美しき理想郷に帰還しよう。

そこが私達の居場所なのだから……。





(・´  ω  `・)そう思うだろ?あんたも