なぜ、ナーブス・サーフェスだと有利なのか?。・・・ | EVANCE-DG 開発日誌

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ライノセラス用プラグイン・モジュール「エヴァンス」開発者のワタシが、日々の感想やライノのTips、開発状況を綴っていきます。

前回の続きで、なぜ、ナーブス・サーフェスだと有利なのかをちょっと解説してみよう。

例えば、天然原石ぴったりの石枠を作ることを考えてみる。



こんな感じの天然原石で、所謂ガタガタの石である。(笑)

で、造型、キャストの縮みを考えて、たとえば、0.1mm外側にオフセットされたサーフェスを作ってみる。

このサーフェスが、石枠の内側になる訳である。



石の周りの網目がそのサーフェスのワイヤーフレームである。

何箇所かで、石のメッシュデータと、サーフェスとの最短距離を計測してみたのだが、高い精度が出ているのがわかるだろう。もっと細かいサーフェス・ピッチにすればさらに精度を上げることも可能だ。

良く、サーフェスなどを切って(スプリット、または、トリムして)、その断面のギャップの距離を測っているのを見かけるが、それでは、おおよその最短距離しか測れない。

厚めに誤差が出るので、本当の最短距離(もっとも薄くなる場所の最も薄くなる方向の厚み)がどのくらいになるのか正確に計測するには、専用のプログラムが必要になってくる。

ヴァイタローラでは、独自に開発した専用プログラムで最短距離のギャップを最低でも、一万箇所以上!のポイントで計測・チェックして、管理しているので、バッチリ精度がでるわけなんである。



さらに、そのサーフェスから0.4mm外側にオフセットした、石枠の外側になるサーフェスを作っている。

オレンジ色のワイヤーフレームがそれである。

この外側のサーフェスは、一般的に、さほど細かいピッチにする必要はない。

そのほうが、データも軽くて編集しやすいし、凸凹も滑らかで見栄えも良く、磨きなどの後加工もラクになる。

で、これらのサーフェスをデザインに従って切り張りして、爪をつけるなど加工して、元の石にまさにピッタシ・コン(笑)の石枠を作ることが可能になるわけである。

が、果たしてポリゴンメッシュで、同じことが出来るだろうか。

まあ、いうまでもなく、ポリゴンメッシュでは、これだけメッシュの数を減らしたら、見事にペキペキの使い物にならないデータになってしまうだろう。

これがまあ、ライノのナーブスが、ポリゴンメッシュなどよりも高次元のCADシステムで、遥かに優れているという所以である。

ポリゴンメッシュでは、よっぽど高密度ポリゴンにしないと、滑らかな面は表現できないのであるからして。・・・

まあ、そういうことだね。(笑)


因みに、ウチの工場長がブログで関連の記事を書いているので参考にご覧いただきたい。

ウチの工場長のブログ



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