ニュージーランドで家を買う。その① | くうねるあそぶ。ニュージーランド

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南半球の果てで見つけたわたしの楽園



転機っていうのは予期せぬ時にやってくるもんですね。


私たちの家は1ベッドルームの小さな小さなビーチバッチです(Bachとは、ニュージーランドで小さなホリデーホームやビーチハウスのことを指します)。キャプテンが10年くらい前に買ったもので、私と二人でここ5年くらいこの小さな家に住んでいます。
コンパクトなのはいいんだけれど、まともな収納もないし、とにかく物をあまり持たないようにして暮らさないとすぐにとっちらかってしまうのがネックなのです。掃除は楽だけど。

ただここは、コロマンデル半島の超絶美しい大自然の中にあるめちゃくちゃのどかな村で、ビーチから徒歩2分、村の商店、カフェ、・ピザバーがすぐそばにあってとにかくロケーションは最高。人々は優しく、美しい海と山を目前に見ながらの生活はなにものにも代えがたい、大好きな場所なのです。






ただ、このバッチは築年数も40年たつのでしょっちゅうメンテも必要だし、庭も少しずつ自分たちで手を入れながら改良してきたけど、まだまだ行きわたらないところが多い。 家に関しては、今後も住み続けるなら一から建て直すか、本格的にリノベーションをしなくてはならないと思ってる。 リノベするとしてもあまりかけられるお金はないし、大部分は自分たちでやるしかない。 そうしたとしても、小さめの2ベッドルームの平屋がせいぜいだろう。

私もキャプテンも仕事してるし、やりたいとはずっと思っていてもなかなか大々的なリノベをする決心がつかず、今まで来てしまいました。 クワトヌは近年人気上昇中のビーチリゾートなので、売ろうと思えば結構よい値段で売れるはず、でもここを売ってまで住みたいと思えるところがなくて、決心がつかずにいました。ていうかどこも高いし。 まーまーの値段のところはうちと同じように古いし、そもそも環境が全然比較にならない。

ニュージーランドは不動産の値段が年々どんどん上がっていて、近年オークランドの高騰ぶりはハンパじゃない。 そのあおりで最近はオークランドを抜け出して、別の土地に家を買い求める人も増えてきて、そういう人達がこのあたりの地域の不動産を買い始めているとかで、ここもかなり値段が上がってきています。

周りの家はどんどん高くなるし、 自分の家はどんどん古くなるし、一体どうしたらいいんでしょうね。
キャプテンも、出稼ぎから戻っても家のメンテや庭の改良など、休まることがなくて、気の毒。


でも日本の地方都市から来た私にとっては、いくら家が小さくて古くても、山と海、毎日そこに沈む美しい夕日を見ながらの暮らしは、これ以上ない贅沢で、この6年間毎日が感動でした。

でもやっぱり欲って出てくるんですよね。もう少し家にスペースが欲しいなあとか、日本の親や友人が泊まれるスペアの寝室が欲しいなあとか、クローゼットが欲しいなあとか。


そんな先週のある日、同僚が家を買いたい考えていて物件の見学に行くと言うので、職場のみんなでウェブでその家をチェックしてあーでもないこーでもないと勝手な感想を述べていたのですが、その夜ちょっと興味本位で私も今売りに出ている物件を見てみたんです。今までも時々、気まぐれに

不動産のウェブサイト (見てるだけで面白い)をのぞいたりしましたが、最近はどこも高いし全然見てなかったので。 そうしたら、「お、これなんかいい感じじゃない?」ていう物件があったんです。

でも、キャプテンもまだ海外で仕事中だし、今すぐ新しい家を買うお金なんてないし、クワトヌの環境を出る心の準備もできてない。ただ、参考程度のつもりで「今の家売ってこういうの買うっていうのはどうかな?」とキャプテンにメールしてみた。

そうしたら 「I like it.  見てきてよ」 と返事が。

お、そうですか? じゃあ実物見に行ってみようか。実際どんなもんか興味あるし。
キャプテンの両親にウェブを見せてみると、彼らも興味深々。見学には一緒に行ってくれるという。 じゃあ、と不動産屋さんに電話してみたら、翌日のアポが取れた。


翌日、見に行ってきましたよ。


正直、期待も準備もしてなかった。




その家は、フィティアンガから南に15分ほどいった山の中にありました。保護区となっている森の中に立っているログハウスで、フィティアンガからあまり離れていないのに、思いっきり人里離れた僻地の雰囲気がある。


実は私たちは以前から、ビーチを離れて山のほうへ移るのもいいな、と考えていました。近年このあたりのビーチはバケーション人気で人が多くなってきたのが気になるし、もともと二人とも山や森も大好きなので。 ただ山側へ移るなら、ご近所の家から離れた完全プライベートな環境で、裸で暮らしてもいいようなところ、というのが条件で(あくまでも例え)。 でも人里離れた山の中で暮らすなら、家は十分な広さがあって落ち着ける空間であってほしいと。 そしてもちろん自分たちでも買える値段。。。 まあなかなかそんなところはないですよね。


でもここ、かなり理想に近い! いや、ズバリ理想どおりかも。

うん、ここなら裸で暮らせるよ。(お客さんは来る前に電話してもらってw)


お値段の割にびっくりするほど素敵で、正直驚きました。
聞けば、以前に1年間ほどもっと高値で売りに出していたのだけれど、結局売れなかったので、値段を大幅に下げて再トライしたばかりなのだとか。 うん、まあこういう不便特別な環境に住みたい人っていうのは限られているのでしょうね。


なんていうタイミングでしょう。


普段、別に売り物件まめにチェックしてたわけじゃなかったのに、偶然みたその時にこの物件がマーケットに上がってきたばかりなんて、さらに縁を感じるじゃないですか。


ちょっと興味本位で見てみよっかな、と思っただけだったのに、思った以上に家が素敵で、しかも周辺の庭のメンテも完璧。 これ以上手を入れる必要も、メンテする必要もない、ただ引っ越してくれば即座に平和な暮らしができる。 メンテがないのはキャプテン喜ぶなー。


これなら今のパラダイスから引っ越しても、、、いいかも。

ここに住みたい。

そう思ってしまいました。


キャプテンの両親もものすごく気に入って、自分たちが住みたいくらいだと乗り気。
この値段でこの環境だったら、きっと他にも欲しい人が出てきてしまうかもしれないという焦りもあって


その夜家族会議(キャプテンはスカイプ)をして


決めました(早っ)。



ただ、私らにはそんなお金はどーこにもないので、今の家をまず売るしかない。
でもダメもとで聞いてみたら、一部手付金として払っておけば、あとの支払い10月まで待ってくれるということになった。 ああ、親切な売り手さん、ありがとう。私たちが言い値で承諾して値切らなかったのが良かったみたい。売値には私たちは100%満足だったので、値切る気も起きなかった。


私たちにとって決して余裕のある買い物ではないけれど、今の家は人気のリゾートエリアだからあそこがそこそこの値段で売れてくれて、あと少し借金をすれば無理ない範囲で買える。ありがたいことに両家族のサポートもあって、これなら行ける!と判断し2日でGOを出しました。

まったく予定してなかったところからのスピード決断。しかもキャプテンは実物見ないままの遠隔地からのディシジョン・メイキング(笑) ちょっと無謀な気もするけど、こんなチャンスはもうないだろうというのが皆一致の意見でした


ウェブで偶然この家を見つけてから4日目。 最初の契約金を払って仮契約を済ませました。
このスピード、嫌いじゃないですね。決まったらどんどん行きたいタイプなんで。

この契約はまずは条件付きで、この先2週間かけて買い手(私たち)は満足いくまでこの建物や土地に対する検査を専門家に依頼したり(自腹)、役所から登記書類をとりよせてチェックしたりできますます。 そのうえで問題なければ最終的にこの契約は確定、ということになります。



まー家を買うって言ったって私はまったくの初めて。日本でもしたことはありませんから、何をどうすればよいのか、一切わかりません。でも義父母がいてくれて全面的に助けてくれ、また運よく義父が昔不動産業をしていたのでこの手のことはエキスパート。 また現在彼は市役所勤務なので、役所の手続きは全面お任せできる。なんてありがたいことだろう。


というわけで、私は横で聞いて「ふんふんなるほど」と言ってるばかりですが、初めて家を買うにあたり、少しずつ分かってきたこの手順や細かい手続きなど、次回から少しずつ書いていきたいと思います。


まー興味がある人がいればの話ですけどね。
まーつまんないですよね、たいがいこの手の手続きの話はw


とりあえずご報告。
家についてはまだ内緒!w
来週のチェックがOKだったらもっと詳しくお知らせします。




でもクワトヌのこの家を大好きだと言ってくれる友達は多かったから、彼らはちょっとがっかりするかもしれないな。 
でもきっと次の森の家も気に入ってくれるはず! もうテント泊じゃないし!!