始まりました! 


Eva冬公演「キルヒト」の本番に向け、稽古が着々と進んでおります。


さて、今回、一回置いての、私小林、久々の脚本・演出作品。そんな訳なので、今回脚本に、少し関係のあるお話から。



昔、渋谷に、やたらと背の高い看板を持って、聖書の一説を一生懸命しゃべっているおにいさん(?)がいたのを、皆さんはご存知でしょうか?


「神は、申されました。汝の敵を愛しなさい」みたいなことを言っている人です。


今回の「キルヒト」は、私の中でもいろいろと紆余曲折があって生まれた作品で、別に、その兄ちゃんからインスピレーションを受けて出来たわけでもないのですが、なんとなく、今回のDMも渋谷を背景にしてみたり、そのイメージに関連しているところがあります。


で、数行前に「しゃべっているおにいさん」と書いたのですが、私、ある時、その人が「しゃべってない」のを発見してしまったのです。


なんかテープみたいなのを流しているだけで、その人、ただ、看板を持っているだけだったのです。


誰も見向きもしないような話をえんえんとしているわけだから、よほど何か伝えたいんだろうと。一生懸命しゃべっているんだろう、という思い込みの、完全にウラを書かれた気分でした。


え~、じゃあ、この人何がしたいの?


という衝撃。


でも、少し深読みして、もしかしてその人は、人前でしゃべるなんて、そんな大それたことは出来ない、謙虚な人なのかな、とか思ったりもしました。


もう、恥ずかしがり屋さんで、人前で何かを訴えるなんてことは出来ないんだけど、でも、どうしても伝えたくて、家でこっそりテープとって、渋谷の街頭で流してる・・・


完全に間抜けな風景なのですが、なんか、ちょっと切ない感じなのです。


で、最近見ないのです、あの人。


どこに行ったんだろう・・・。




と、おセンチな思いを抱えつつ、今回の作品も、小林ワールドが炸裂。


ギャグと勢いでつなげてしまった、物語です。


皆様にパワフルなエンターテインメントをお届けできるよう、これからますます稽古に励みます! 


どうか、ご期待ください!