11月12日にシンガーソングライターのKANさんがお亡くなりになったという訃報が入りました。死因はメッケル憩室がんというとても珍しいがんでした。


KANさんといえば"愛は勝つ"が代表曲ですが、僕ら世代の方は、この曲を心の応援歌とされていた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。


この曲は何が凄い曲なのか、若かりし頃考えてみたことがありました。


この曲はいわゆるAメロとサビが同じメロディです。『心配ないからね』のサビ(Aメロ)で始まり『Carry On Carry Out』のBメロで盛り上がり『夜空に流星を見つけるたびに』のサビで締めくくる、サビ〜Bメロ〜サビという比較的ありがちな力強い構成になってます。


※一方で『心配ないからね』のサビの入り方があまりにもスマートすぎてごく普通のAメロのようにも捉えることができます。

Aメロ(心配ないからね)〜Bメロ(Carry On Carry Out)〜Aメロへ戻る(夜空に流星を)このようにも聞こえてしまいます。サビに過剰なメロディを盛り込まなかったことで絶妙な感性を聴者に届ける凄い曲です。


このような意識を持っていま一度聴いてみると、意図されてる構成がなんとなく理解できるかもしれません。


KANさんはこのメロディーが出来上がったとき、「自分の才能が恐ろしい」とおっしゃったほど自信作だったようです。


"心配ないからね"で始まり、"必ず最後に愛は勝つ"で締めくくる最強の応援ソングですよね。





こちらは、KANさんが"愛は勝つ"を作るときにお手本にしたと言われる曲、Piano Man ビリー・ジョエルのアップタウン・ガールです。


同様にAメロとサビが同じメロディで絶妙なさじ加減です。サビ(Aメロ)〜Bメロ〜サビ(Aメロ)で構成されたノリの良い名曲です。


"愛は勝つ"と聴き比べてみると構成(さじ加減)がよく似ているのが分かります。


個人的な感想ですので異議申し受けます。笑




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⚫︎メッケル憩室


あまり聞き慣れない用語だと思います。


小学生の頃、読破したブラックジャック(手塚治虫作品)の漫画本を1年半前に再読破しました。そしたら"メッケル憩室"に関連した『再会』というお話があったんです。なんとも言いようのない切ないお話でしたが、偶然にも"最後に愛は勝つ"と言う結末のお話でした。


その際メッケル憩室とはなんぞやと思い調べてみたんですよね。

http://www.phoenix.to/80/bj233.html



妊娠初期の段階で、赤ちゃんの小腸は、卵黄のうと呼ばれる体の外の空間とつながっています。卵黄のうと小腸をつなぐため、卵黄のう管と呼ばれる組織がへその緒の中に存在していますが、通常は妊娠7週ごろまでに卵黄のう管は閉鎖します。しかし卵黄のう管がうまく閉鎖せず、残った時にメッケル憩室が発生します。


確率で言うと、約2%以下のひとが残るようです。


※卵黄のう管

胎児の腸とへその緒は胎生早期の胎児への栄養補給のために卵黄のう管で繋がってます。不要になった時点で自然に消失するひとの体の不思議ですね。





メッケル憩室の治療は基本手術になるが、何も症状が出ない場合が大半で気がつかない場合も多くある。


消耗性メッケル憩室は腸閉塞の場合に発見されやすい。だが、術前に本症を同定する事は困難な場合が多く、手術を要する腸閉塞性の原因として本症は念頭におくべき疾患である。


メッケル憩室ががん化する確率は極わずかのようで、日本国内で報告された例もわずか数十件程度。がんになる原因もよく分かっていない珍しいがんのようである。


(小児症候性メッケル憩室の臨床的検討)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsps/50/7/50_1087/_pdf



KANさんのご冥福をお祈りいたします。