北の大地で、期待の温暖化対策技術の検証が行われている。
北海道の玄関口、新千歳空港からほど近い苫小牧市。製油所や自動車部品工場が並ぶ湾岸の工業エリアに「苫小牧CCS実証試験センター」がある。 CCSとは、二酸化炭素(CO2)を回収し、地中深くに圧入・貯留する技術だ。大気に放出されるCO2量を削減できるため、地球温暖化対策の切り札の1つとされる。
IEA(国際エネルギー機関)によれば、2100年までに世界の気温上昇を2度以内に抑えるために、2060年までに必要とされる累積CO2削減量の14%をCCSが担うことが期待されている。日本でも2014年のエネルギー基本計画で、2020年頃のCCS技術の実用化を目指す方針が示されている。
3つの塔でCO2を分離・回収
センター内でもっとも目を引くのが中央やや西側にそびえる3つの塔。ここで隣接する出光興産の製油所から排出されたガスからCO2を分離・回収している。
パイプラインで運ばれたガスは圧力を高めたうえで、もっとも高い約48メートルの塔(CO2吸収塔)に送られる。この塔では上部からCO2を吸収する特殊な化学溶液が散布されている。ここでCO2を吸収した溶液は2番目の塔(上写真の左の塔、低圧フラッシュ塔)で減圧、3番目の塔(上写真の中央の塔、CO2放散塔)で加熱され、それぞれの工程からCO2を回収している。
減圧、加熱という2段階のプロセスを踏むことで、消費エネルギーを節約しながらガスに含まれるCO2の99%を回収することができる。溶液は独化学メーカーBASF製で、3つの塔を循環させて繰り返し使用する。いずれも操業コストを削減するためだ。
この後、回収したCO2は最大22.8メガパスカル(228気圧)まで圧縮されたうえで地中深く送り込まれる(圧入)。圧入地点(圧入井)にある大きな蛇口のような坑口装置には、さまざまな安全機能が付与されている。たとえば、津波などで坑口装置が破壊された場合、地中50メートルにあるCO2の逆流を防ぐ弁が自動で閉じるといった具合だ。
奥にある坑口装置は地下約1000メートルの「萌別層」という地層につながっている。パイプに耳を当てると遠くで「ゴォー」という音が聞こえる。内部では7.6メガパスカル(76気圧)でCO2が流れているという。
手前の坑口装置からは地下約3000メートルの「滝の上層」につながっている。こちらは深いだけにCO2の圧力は高い。萌別層までで3カ月、滝の上層までは5カ月かけて掘り進んだ。
この施設を運営するのが日本CCS調査。電力、石油、ガス、エンジニアリング、商社など35社が出資する、文字どおり日本でCCSの可能性を調査するための会社だ。
CCSを実施できる場所の選定からプラント建設、運営までを経済産業省から請け負っている。「ここにある設備は新しい技術で開発されたわけではない。既存の技術を組み合わせてうまく動くかを検証している」と説明するのは同センターの宮村宏広報渉外グループ長。
海外では稼働しているプラントも
CO2の分離・回収プラントは化学工場などで使われる技術。掘削は油田などの資源開発の応用技術である。技術的には十分に実現可能なのだ。そもそもCCSは海外で1970年代から多数実施されている。もっとも海外のCCSの大半はCO2削減のためではなく、原油増産が目的である。
油田は操業が進むと地下の圧力が低下することなどから、原油埋蔵量があっても生産量は減退してしまう。そこで液体やガスを送り込み、原油増産を図るEORという技術がある。海外のCCSの大半は、CO2を使ったEORである。
ここにCCSの最大の難しさがある。CO2の回収にも地下への圧入にもコストがかかる。EORならば原油増産のメリットでこのコストを回収できる可能性がある。しかし、EOR以外のCCSでは利益を生まない。
CO2排出に対する課税、もしくはCO2排出削減に対する補助金がない限り、事業者に導入するインセンティブが働かないのだ。油田がほぼない日本でCCSを実用化できるか。これを検証するのがセンターの役割だ。
CO2の圧入・貯留に適しているのは隙間の多い砂岩などの地層を、CO2を通さない泥岩などの地層がサンドイッチしている必要がある。こうした条件を満たした日本での潜在的なCO2貯留可能量は約1400億トン(日本の年間排出量の約100年分)あるとさている。
とはいえ、これはあくまで机上の数値。近くに断層がないなどさまざまな条件を満たす必要がある。こうした条件をクリアしており、実証試験に選ばれたのが苫小牧だった。
苫小牧では2012年から地上設備の設計・建設、坑井の掘削を開始。 2016年4月から試験操業を開始し、2017年2月から本格的にCO2圧入を始めた。2018年度末までの3年間で30万トンを圧入する計画だ。
初年度、製油所のメンテナンスによる休止時に一部の海水中のCO2濃度がわずかに規定値を越え、調査のため約半年操業が止まったり、滝の上層への圧入量が計画を下回るなど、細かな想定外は起きている。
ただ、CO2濃度の問題は自然変動の範囲でその後は問題が出ていない。滝の上層の代わりに萌別層へは想定以上に圧入できている。この3月で圧入量は15万トンを突破。若干遅れ気味ではあるが、実証試験はおおむね順調に進んでいる。
実用化へのハードルは?
それでも実用化へのハードルは高い。
まずは貯留量。80万キロワットの大型石炭火力発電所では年間約500万トンの CO2を排出する。合計30万トンではほとんど意味をなさない。“使える”ようになるには1億トンレベルまでメドを付ける必要がある。
コスト削減も大きな課題だ。苫小牧プラントは建設費だけで約300億円、候補地選定や操業(回収・圧入・貯留)も合わせれば総費用は600億円超。それで削減できるCO2量が30万トンでしかない。
もちろん実証施設でプラントの規模自体が小さいため、処理できるCO2当たりの単価が割高になるなのは仕方ない。理論通りにCO2を圧入できるか、圧入によって地震が起きないか、貯留したCO2が漏れてこないかなどを検証する目的がある。そのうえで地域の不安を解消し、CCSへの理解を深めることも大切な役割だ。
このためCO2センサーや圧力センサー、地震計などをぜいたくに配置し、厳重なモニタリング体制を敷いており、いざ実用化となれば削れる費用はある。「CCSはCO2削減の切り札となる。技術的には十分に使えるし、海外プロジェクト並のコストは見えてきた」と日本CCS調査の石井正一社長(石油資源開発副社長)は強調する。
(転載終了)
これが今回の北海道地震の原因そのものではないでしょうか?自作自演をやらされているだけなのではないでしょうか?
作業してる人たちは気づいていないんでしょうか?
こうして地震を創出しているのは一体誰の指示系統なのでしょうか?
このあたりも311の時の地下核ミサイルボーリング作業と似ています。
一体誰が温暖化を止めるという名目でこの装置を作らせているのだろうか。温暖化はそもそもインチキでそれを口実に
気象兵器も作られているのだからこうした地下実験が危険極まりない風評どころではない内容となっています。
圧縮装置であるスイスのブラックホールを作り出すCERNと何やら似ています。
15万トンってすごい量じゃないですか?
外国では石油産出のため日本では温暖化削減のため?意味不明です。
明らかに自然に反しています。北海道危ないんじゃないでしょうか?
日本中でこんなことしたら日本が破壊します。いい加減にしてほしいです。