アメリカのトランプ次期大統領は、イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱運動を主導した政治家が駐米大使になるのが望ましいとツイッターに投稿し、イギリス政府がこれに不快感を示すなど波紋が広がっています。

トランプ次期大統領は21日、ツイッターに、イギリスのEU離脱運動を主導した独立党のファラージュ党首代行について「駐米大使になることを多くの人が望んでいる。彼はすばらしい仕事をするだろう」と投稿しました。
トランプ氏とファラージュ氏は移民対策の強化など政策面で共通点があり、大統領選挙の直後に直接会談しています。

これについて、アメリカ・ホワイトハウスのアーネスト報道官は22日、記者会見でほかの国の政治への介入には慎重を期すのが原則だと強調しました。
また、イギリスの首相官邸の報道官も「大使の人事はそれぞれの政府が決めるものだ」と述べた上で「駐米大使のポストに現在、空きはない」として不快感を示しました。

国の指導者になる人物がほかの国の大使人事に言及するのは極めて異例で、イギリスのメディアは、メイ首相がトランプ氏と直接会談する前に2人の関係をぎくしゃくさせると指摘するなど波紋が広がっています。

 

 トランプ次期米大統領は22日、6月の英国民投票で欧州連合(EU)離脱派の急先鋒(せんぽう)だった英国独立党のファラージュ暫定党首を英国の駐米大使とすべきとの考えを表明した。英メディアは英政府が「駐米大使を変更する考えはない」とコメントしたと報道。トランプ氏の異例の“人事介入”に英国内で困惑が広がっている。

 トランプ氏は自身のツイッターに「多くの人がファラージュ氏が駐米大使になることを望んでいる。彼はすばらしい仕事をするだろう」と投稿。ファラージュ氏は大統領選の期間中、米国をたびたび訪れ、トランプ氏の選挙運動を応援。選挙後にトランプ氏とニューヨークのトランプタワーで会談した。