続きで、今回は私の個人的な感想です。

自給率向上の主な手段は、油脂や肉の摂取抑制にある、とされています。
それを達成できるかはともかく、「肉を食べるな」というのは、日本産の肉であっても食べないようになるということにつながらないでしょうか。

そこまでのところは農水省も言っていないですが、「米中心の日本型食生活」を推進しています。
つまり、欧米型の「肉」中心の食生活を改めよ、と言っています。
ということは、肉を食べるな、ということにつながりますよね。

で、本題です。

もし、日本人全体の食生活が「改善」されて、肉をあまり食べなくなったとしましょう。
その場合、海外の肉が減る保証はないでしょう。日本産の肉も同様に需要が減るはずです。

畜産の餌は粗飼料と濃厚飼料で分かれます。
粗飼料はわらや稲など、繊維質の多くて栄養量が少ないものを言い、濃厚飼料はトウモロコシ、大豆カスなど、栄養量が多いものを言います。

畜産農家はこれらを組み合わせて食べさせるのですが、粗飼料の自給率は70%。濃厚飼料の自給率は10%です。
つまり、濃厚飼料は絶対的に外国の穀物に頼らざるを得ないもので、100%自給することは不可能なのです。

ということで、畜産に関する飼料の自給率は25%程度になっています。
高級な国産霜降り牛であったとしても、飼料を100%外国産にしていたら食べても自給率は0%になります。

それで肉を食べるな、ということになるのですが・・・。
これは農水省主導で畜産業界を破滅させるプロパガンダをしているということにならないのでしょうか?
そこまで過激な物言いになる必要もないのですが、「ご飯を多くたべましょう→日本型食生活をしましょう→肉は食べないようにしましょう→畜産業者を殺しましょう」という論理にならないとは言えないのではないでしょうか。

畜産に関連してなのですが、現在日本は口蹄疫が蔓延しています。
これは非常にやっかいなウィルスで、畜産業者はこれによって破滅の危機に瀕しているほどです。
人間にうつることはないので、食べても問題ありません。
口蹄疫については色々なサイトで取り上げられているので、
ミヤザキ★ユーストリーマーズ とか、
いつも(未定稿)(。・ω・)ゝ
ここのまとめサイトとか、
財前ゴウの総回診2
ここからいけるリンク先とかも色々あるので探してみてください。

その口蹄疫で、何万頭もの牛や豚が「殺処分」されています。
他に移ってはいけないからですね。

これは海外からの輸入飼料によって起きた事件ではないかと一部で騒がれたようです。
もしそうなら、それは飼料自給率の問題につながるとも考えられますね。
よく言われる「自給率が低い→問題発生のリスク」ってやつです。
でも、十勝毎日新聞
(こんな新聞あるんですね。というかここぐらいしか出てこなかったので、ソースとして信頼度があるか知らないですが)
ここでは、「本別の発生農場では、台湾産稲わらとインドネシア産ケイントップ(サトウキビ)が使われていた。しかし十勝家畜保健衛生所は、「感染牛は七カ月の雄のホルスタインで、この時期に稲わらは与えない。ケイントップは他の農家も使用していたが異常はなかった」との見解を示し、飼料犯人説には否定的だ」
とのことで、輸入飼料は全国で使われてるのに、宮崎と北海道だけで発生するのが不自然だとしています。
ということは、自給率問題とは切り離して考えるべき、かな?

別の「自給率」視点から見てみると、こうやって家畜が捨てられることによって、実際には自給率が上がるのではないかと考えてしまいます。
肉は自給率25%ですから、食べれば食べるほど自給率は下がるわけです。
つまり提供されなければ「国内供給カロリー」である分母に計上されなくなります。
野球で打率3割の人が、次の試合に4打席1ヒットだった場合に打率が下がるのと同じだと思います。
(感覚で書いているので、間違ってたらすいません)

これが主な要因としてもし来年の自給率が1%以上上がったとしたら・・・。
農水省はどうやって説明する気なのでしょうか。
まあ、輸入豚肉等が需要に応じて多くなるのでしょうから、そんなに簡単にはいかないでしょうが。
逆に、国民が国産肉を敬遠することもあり得ます。

この理解ならば、自給率は下がるのでしょう。(国が作為的に自給率を低くする行動とってどうするんだ!って書いている人もいますね)
どちらに転んでも結局、日本の畜産業を圧迫しますね。
生産額ベース自給率も大打撃でしょう。

話がそれますが、
Sasayama’s Weblog
笹山氏はカロリーベース自給率は飼料自給率の計算方法が曖昧で、「推計統計手法に多くを依存した、きわめて、いい加減な飼料自給率によって補正された数値である」と述べています。
ここも自給率計算の問題点であるらしいですね。

今までにも述べたとおりカロリーベース自給率には極めて深刻な問題があるようです。
ただ、農水省は批判があることを押さえて生産額ベースの自給率を併記したり、FOOD ACTION NIPPONでも「自給率を上げよう」ではなく、「朝ご飯を食べよう」というふうに巧妙にずらしてきています。
というか、それ以外でいうと、「食料自給率の部屋」とか、政権交代以後まったく更新してません。
今は口蹄疫で大変なのでしょうが、なんかもうどうでもいいのかもしれませんね。


話を戻すと、カロリーベース自給率だけではなく、また生産額ベース自給率だけでも現在の日本の第一次産業は把握できるものではありません。
なぜなら、カロリーベースは今まで散々たたかれていますが、生産額ベースの自給率を上げることを目標にしたとしても、もし(法律的にできるかどうかなど考慮していませんが)コメや、その他国産のものを公認カルテルとして「一律値上げ」したとすると、国産のもののお金の消費総額が多くなるため自給率は上がるからです。
その他コメを自由化したりすると生産額自給率も下がります。

バランスよく全てを統合した統計数値などありえないのですから、「自給率が低いから農業を活性化すべきだ」とか、「カロリー自給率はインチキだから、自給率は上げなくてよい」とか言うのではなく、
これらの自給率の問題点を前提として組み込みながら論議するべきだと思います。。