いよいよ鳩山小沢両氏が辞任ということで、ちょっと民主党の農政方針について見てみようとおもいます。
といっても今回はその前の段階ですが。
民主党政権になるちょっと前、自給率100%を目指すといったらしく、そのことについて話題になったことがあったみたいです。私は知らなかったです。
で、民主党の今は見る影もないマニフェスト とやらを見てみたのですが・・・。
ありましたね、文言が。「主要穀物等では完全自給をめざす」と。
この「主要穀物等」というのも気になる所ですが。
国家戦略目標としての食料自給率向上
食料安全保障の観点から、国家の戦略目標として「食料自給率目標」を設定します。
食料自給率は、米、麦、大豆等の農産物に加え、牛肉、乳製品等の主要農畜産物の生産数量目標を設定し、10年後に50%、20年後に60%を達成することを目標とします。
最終的には「国民が健康に生活していくのに必要な最低限のカロリーは、国内で全て生産する」ことが可能となる食料自給体制を確立します。
民主党政策集INDEX2009
日本国財政破綻Safety Net
ずいぶん古いですが、「民主 自給率 100%」で出てきたのがここくらいなので孫引き。
(2006年5月17日のエントリ)
民主党の小沢代表は16日、農産物の全面自由化や食料自給率100%を目指す農政の抜本改革案を党の主要政策に掲げる方針を固めた。地方、農村部の活性化対策に力点を置くことで、「都市部偏重」ともいわれている小泉首相の構造改革路線との対立軸を鮮明化し、「小泉改革の陰の部分に光をあてる」のが狙いだ。
小沢氏の代表就任前に、民主党は、食料自給率を10年後に50%、将来的には60%に引き上げることを目標とする「農政改革基本法案」を国会に提出しているが、小沢氏は党内論議で「50%とか60%とか、ちゃちな話をしていてはダメだ」と指摘。
小沢氏は、農村の活性化と高齢者対策を結びつける構想も練っている。高齢者に農業の参加を促せば雇用対策にもなるし、農業従事者が生き甲斐や健康増進につながれば、医療・介護費の削減に有効との発想だ。
これを見て、小沢幹事長の農村票に向けたリップサービスだったんじゃないかと疑っていたのですが、民主党は小沢党だったということを失念しておりました。
一つ気になったのは、「医療・介護費の削減に有効との発想」との文言ですが、(これを記者が思ったのか小沢氏の発言なのか知りませんが)日本の60歳以上農業人口は兼業も入れて1千万人程度 。家族も入れると総数はわかりませんが。
同じ平成17年の人口1億2270万人から割ると・・・8%ほど。
大部分は農業してませんね。
8%の人の健康増進で医療費抑制につながりますかね?
農業をしているおじいちゃんおばあちゃんはしてない人より健康だというイメージがあります・・・。
新規参加が多くなって二倍くらいに増えれば1%くらいは医療費が下がるかもしれませんね。
あまり政策とかに関してくわしくないのですが、民主党のマニフェストで、アメリカや中国とのFTA締結と所得保障制度での自給率向上策に矛盾があるのではないか?と感じるひとがいたようです。
関税を撤廃すると、安い外国産に農家は太刀打ちできませんから、もっともな理屈ですね。
それと同時に、経済学の考え方「比較優位」を持ち出して、農業を保護するのは合理的でないと考える人もいます。
私自身は、農業にこの考えはなじまないと思っています。
なぜなら、この考え方は、「2国の間で品物1単位を生産するのに割安な国が優位を持ち、優位を持った国同士で交換するほうが劣位をもったものを生産するより合理的」というものなのですが、(大本の経済学を勉強してません。間違ってたらごめんなさい)アメリカを見てみますと、小麦の輸出シェアで圧倒的な差を持っています。
アメリカは一戸当たりの農地は多いですが、小麦を売るのは合理的ではありません。もっと人件費が安く、労働を投入できる国が生産したほうが合理的なのではないでしょうか。しかし現実には補助金漬けで農家はウハウハです。多くかかる費用を金の力で無理やり少なくしています。(wiki にある「不等価交換説」と同じことを言っているのだろうか・・・ちょっと違うような)
もし補助金がなければ、アメリカの農家は小麦を生産することがなくなるでしょう。黒字になる見込みがないのだから。それと同時に、補助金によって国際価格を下げていた原因はなくなり、価格が上がって他の国の小麦生産者には増産理由が生まれます。それこそ自由貿易のあり方でしょう。(このことについて書いてある本はなんだろう、勉強したいんだけど)
池田信夫氏 はこのことを不合理であるとして、「所得保障で自給率を向上させる」という民主党のマニフェストはWTO違反である。~先進国が協調して農業保護を廃絶するほうが途上国にとってはるかに有効だ。これが今やWTOのもっとも重要な役割である」と言っています。
そうか、つまり現実が理論にあっていないので現実を修正すべきだ、ということですね。私は理論ではアメリカのような事態を想定していなかったので現実には不合理なことがスタンダードになっている、という風なことで(関連本を全く読んでいないのでわかりませんが)アメリカの政策を理解していたのですが。
実際、アメリカのような資源国が比較優位に基づかない政策をしていたら、「国際分業」としてはどれか一国が違う政策を採用したら他の国がいくら比較優位に基づく政策をしようが合理的にはなり得ない、と思ってしまうんですが・・・。何か見落としがあるのでしょうか。
普通、現実が理論通りにいかない場合は理論のほうが間違っている、もしくはモデルに関係のある変数が組み込まれていないはずなのですが・・・経済学はここどういうふうに説明してるんでしょうか。
Twitterでもそうでしたが、こういう議論になると経済学者が比較優位を持ち出してきて理解できない一般の人を煙に巻き、結局そこで議論がストップしてしまう、ということが多いように思います。
重要なのはそれを前提にするとしてどういう政策をとるかのはずなのですが、もうちょっと勉強しなければ・・・わかんないですね。また今度取り上げようと思います。
私自身も開発学を少しだけ学んで、先進国の補助金が途上国の農家の所得を下げ、所得格差が縮まらないことを学びました。
しかしながらこれは視点の違いなんでしょうね。経済的に全体のことを考えるか、自国民の暮らしを考えるか。農業保護がなくなれば、先進国のほとんどの農業はやっていけません。不合理的であっても、「国民を守る」という面からは出さざるを得ない(=農村票がとれない)、ということでしょうか。
まあとにかく、このアメリカのやり方を真似するのならば、FTAで関税を下げるのと所得保障は矛盾しません(アメリカのように黒字になるように保障の金額が多くなればですが)。米を絶対的に有利な水準まで補助金を出し、国際価格に太刀打ちできるようにすれば自然と増産されます。そして農業の大規模化と企業参入も同時にマニフェストで謳われていますから、これもアメリカと同じく家族経営の小作農を排除し、利益を求める大企業がどんどん増産する狙いになると思います。
補助金が多くでれば米の輸出で自給率は100%を超えるでしょう。
それはまったく日本の消費とは無関係なので、「食の安全」も「安定供給」も準備されず、財政支出はものすごいことになりますが。
民主党農政で食料自給率は上昇するか
「カロリーベース」に騙されるな
ここなんかは多くの本でよく見られる「高付加価値農業」に米輸出を提言していますが、実際の民主党の狙いはこんなんではなかったのかと夢想してみました。
ただ、知ってのとおり
日米FTAについて民主党の七転八倒
「米など重要な品目の関税を引き下げ・撤廃するとの考えをとるつもりはない」「日米FTAは「推進」の表現にとどめており、~事実上修正した形だ」
加えて、戸別所得保障は大規模農家優遇にはなっていないとのことなので、現実には実現しないのでしょうね。
じゃあ、結局何がしたかったのだろうか・・。
といっても今回はその前の段階ですが。
民主党政権になるちょっと前、自給率100%を目指すといったらしく、そのことについて話題になったことがあったみたいです。私は知らなかったです。
で、民主党の今は見る影もないマニフェスト とやらを見てみたのですが・・・。
ありましたね、文言が。「主要穀物等では完全自給をめざす」と。
この「主要穀物等」というのも気になる所ですが。
国家戦略目標としての食料自給率向上
食料安全保障の観点から、国家の戦略目標として「食料自給率目標」を設定します。
食料自給率は、米、麦、大豆等の農産物に加え、牛肉、乳製品等の主要農畜産物の生産数量目標を設定し、10年後に50%、20年後に60%を達成することを目標とします。
最終的には「国民が健康に生活していくのに必要な最低限のカロリーは、国内で全て生産する」ことが可能となる食料自給体制を確立します。
民主党政策集INDEX2009
日本国財政破綻Safety Net
ずいぶん古いですが、「民主 自給率 100%」で出てきたのがここくらいなので孫引き。
(2006年5月17日のエントリ)
民主党の小沢代表は16日、農産物の全面自由化や食料自給率100%を目指す農政の抜本改革案を党の主要政策に掲げる方針を固めた。地方、農村部の活性化対策に力点を置くことで、「都市部偏重」ともいわれている小泉首相の構造改革路線との対立軸を鮮明化し、「小泉改革の陰の部分に光をあてる」のが狙いだ。
小沢氏の代表就任前に、民主党は、食料自給率を10年後に50%、将来的には60%に引き上げることを目標とする「農政改革基本法案」を国会に提出しているが、小沢氏は党内論議で「50%とか60%とか、ちゃちな話をしていてはダメだ」と指摘。
小沢氏は、農村の活性化と高齢者対策を結びつける構想も練っている。高齢者に農業の参加を促せば雇用対策にもなるし、農業従事者が生き甲斐や健康増進につながれば、医療・介護費の削減に有効との発想だ。
これを見て、小沢幹事長の農村票に向けたリップサービスだったんじゃないかと疑っていたのですが、民主党は小沢党だったということを失念しておりました。
一つ気になったのは、「医療・介護費の削減に有効との発想」との文言ですが、(これを記者が思ったのか小沢氏の発言なのか知りませんが)日本の60歳以上農業人口は兼業も入れて1千万人程度 。家族も入れると総数はわかりませんが。
同じ平成17年の人口1億2270万人から割ると・・・8%ほど。
大部分は農業してませんね。
8%の人の健康増進で医療費抑制につながりますかね?
農業をしているおじいちゃんおばあちゃんはしてない人より健康だというイメージがあります・・・。
新規参加が多くなって二倍くらいに増えれば1%くらいは医療費が下がるかもしれませんね。
あまり政策とかに関してくわしくないのですが、民主党のマニフェストで、アメリカや中国とのFTA締結と所得保障制度での自給率向上策に矛盾があるのではないか?と感じるひとがいたようです。
関税を撤廃すると、安い外国産に農家は太刀打ちできませんから、もっともな理屈ですね。
それと同時に、経済学の考え方「比較優位」を持ち出して、農業を保護するのは合理的でないと考える人もいます。
私自身は、農業にこの考えはなじまないと思っています。
なぜなら、この考え方は、「2国の間で品物1単位を生産するのに割安な国が優位を持ち、優位を持った国同士で交換するほうが劣位をもったものを生産するより合理的」というものなのですが、(大本の経済学を勉強してません。間違ってたらごめんなさい)アメリカを見てみますと、小麦の輸出シェアで圧倒的な差を持っています。
アメリカは一戸当たりの農地は多いですが、小麦を売るのは合理的ではありません。もっと人件費が安く、労働を投入できる国が生産したほうが合理的なのではないでしょうか。しかし現実には補助金漬けで農家はウハウハです。多くかかる費用を金の力で無理やり少なくしています。(wiki にある「不等価交換説」と同じことを言っているのだろうか・・・ちょっと違うような)
もし補助金がなければ、アメリカの農家は小麦を生産することがなくなるでしょう。黒字になる見込みがないのだから。それと同時に、補助金によって国際価格を下げていた原因はなくなり、価格が上がって他の国の小麦生産者には増産理由が生まれます。それこそ自由貿易のあり方でしょう。(このことについて書いてある本はなんだろう、勉強したいんだけど)
池田信夫氏 はこのことを不合理であるとして、「所得保障で自給率を向上させる」という民主党のマニフェストはWTO違反である。~先進国が協調して農業保護を廃絶するほうが途上国にとってはるかに有効だ。これが今やWTOのもっとも重要な役割である」と言っています。
そうか、つまり現実が理論にあっていないので現実を修正すべきだ、ということですね。私は理論ではアメリカのような事態を想定していなかったので現実には不合理なことがスタンダードになっている、という風なことで(関連本を全く読んでいないのでわかりませんが)アメリカの政策を理解していたのですが。
実際、アメリカのような資源国が比較優位に基づかない政策をしていたら、「国際分業」としてはどれか一国が違う政策を採用したら他の国がいくら比較優位に基づく政策をしようが合理的にはなり得ない、と思ってしまうんですが・・・。何か見落としがあるのでしょうか。
普通、現実が理論通りにいかない場合は理論のほうが間違っている、もしくはモデルに関係のある変数が組み込まれていないはずなのですが・・・経済学はここどういうふうに説明してるんでしょうか。
Twitterでもそうでしたが、こういう議論になると経済学者が比較優位を持ち出してきて理解できない一般の人を煙に巻き、結局そこで議論がストップしてしまう、ということが多いように思います。
重要なのはそれを前提にするとしてどういう政策をとるかのはずなのですが、もうちょっと勉強しなければ・・・わかんないですね。また今度取り上げようと思います。
私自身も開発学を少しだけ学んで、先進国の補助金が途上国の農家の所得を下げ、所得格差が縮まらないことを学びました。
しかしながらこれは視点の違いなんでしょうね。経済的に全体のことを考えるか、自国民の暮らしを考えるか。農業保護がなくなれば、先進国のほとんどの農業はやっていけません。不合理的であっても、「国民を守る」という面からは出さざるを得ない(=農村票がとれない)、ということでしょうか。
まあとにかく、このアメリカのやり方を真似するのならば、FTAで関税を下げるのと所得保障は矛盾しません(アメリカのように黒字になるように保障の金額が多くなればですが)。米を絶対的に有利な水準まで補助金を出し、国際価格に太刀打ちできるようにすれば自然と増産されます。そして農業の大規模化と企業参入も同時にマニフェストで謳われていますから、これもアメリカと同じく家族経営の小作農を排除し、利益を求める大企業がどんどん増産する狙いになると思います。
補助金が多くでれば米の輸出で自給率は100%を超えるでしょう。
それはまったく日本の消費とは無関係なので、「食の安全」も「安定供給」も準備されず、財政支出はものすごいことになりますが。
民主党農政で食料自給率は上昇するか
「カロリーベース」に騙されるな
ここなんかは多くの本でよく見られる「高付加価値農業」に米輸出を提言していますが、実際の民主党の狙いはこんなんではなかったのかと夢想してみました。
ただ、知ってのとおり
日米FTAについて民主党の七転八倒
「米など重要な品目の関税を引き下げ・撤廃するとの考えをとるつもりはない」「日米FTAは「推進」の表現にとどめており、~事実上修正した形だ」
加えて、戸別所得保障は大規模農家優遇にはなっていないとのことなので、現実には実現しないのでしょうね。
じゃあ、結局何がしたかったのだろうか・・。