色々見比べてみましたが、やはり農業問題では賛成派の山下氏のほうが私の考えに近いようです。
他、気になった部分など。
戸別所得補償については、どちらも現状はいけないという認識。
山下氏の主張
「水田面積は戦後一貫して増加し、減反政策を開始した1970年には344万ヘクタールに達したが、減反導入後一貫して減少し現在では254万ヘクタールとなっている。米価を維持するための減反政策が、水田を減少させた。食料安全保障に不可欠な農地資源を、これだけ潰したのである。政府は食料自給率を40%から50%へ向上させるという目標を掲げている。しかし、ジュネーブでのWTO交渉では、関税の大幅な削減を回避するために、代償として米 のミニマム・アクセスなど低税率の関税割当量を大幅に拡大するとしている。国内では食料自給率向上を謳いながら、ジュネーブでは高関税を維持するために食 料自給率を下げてもよいという交渉をしている ~ 農林水産省はTPP が結ばれると米農業は壊滅し、多面的機能が大きく減退すると主張した。しかし、水田を水田として利用しないという減反政策を、40年間も続けている」
うん、生産調整は私も反対です。
鈴木氏は農政の基本方針を決める「食料・農業・農村基本計画」の委員をしていたはずなので、生産調整を継続するのを決定した人だったと思ってたのですが・・・生産調整を批判していたことに驚きました。具体的な試算をして「一番支出が少ないから」と生産調整が一番であるという風に『現代の食料・農業問題-誤解から打開へ-』では解説していた・・・はず。
私が鈴木氏の主張に共感できない理由は、対案が「ふわふわ」しているからです。
一言で要約すると、「農水省に予算がないから自給率が上がらなかった。金さえあれば解決するんだ」という風な主張だという印象を受けてしまうからです。
地元の意向を尊重するのは大事ですが、それは予算を多くすれば済む問題とは思えません。
特に明確に反対できるのは、「海外への食料援助を増やす」という案です。
アメリカは食料援助を輸出補助金の隠れ蓑として、「攻撃的な保護」を実現しています。
それを鈴木氏はマネしろといっているのですが、それがアメリカからの圧力によってできないと書いているのにどう解決するつもりなのでしょうか。
そこはおいといて、食料援助は「人間として」必要以上にやってはいけないことです。
もちろん難民キャンプなど必須の場所もありますが、開発途上国の多くの人々は農民です。
農民は自分たちの作物が売れることでお金を稼ぐ必要がありますが、アメリカの戦略によって不当に低い市場価格を強いられていました。それによって土地や生活を奪われ、その後のバイオ燃料政策によって穀物価格が高騰。泣きっ面に蜂です。餓死者が何万とでました。本当に必要なのは、お金なんです。
開発援助というものは、その人が食べられない状態から脱し、一人で暮らしていけるようになってこそのものです。施しはその人の経済基盤をなくすことにつながります。「一回で無くなる食べ物より、食べ物の作り方を教えるべき」ということも言われます。
話がそれましたが、もう一つ、あまりわからないことがあります。
東アジアCAPという構想です。
これは、そのまま引用で「EU統合の原動力がCAP(共通農業政策)であったように、アジア諸国間の賃金格差に基づく大きな生産費格差を克服して、各国の農業が共存できるようなFTA利益の再分配政策としての『東アジアCAP』を構築することが必要です」と書かれていました。
どうもこれだけ見ると、鈴木氏はAU、またはACとでも言うのか、アジア共同体として日韓中の経済統合を想定しているように見えます。でもFTAだけってことなんでしょうか。
もし経済統合前提での話なら、これは明確に反対なんですが。ギリシャを例に出せば明らかで、「アジアのギリシャ」と呼ばれている韓国は財政危機状態です。そんな国と経済統合すれば日本はEUにおけるドイツと同じ状態になるのは目に見えているからです。
FTAだけ、ということであれば、私自身が明確に反対する理由は勉強不足でわかりませんが、賛成派の報告書では「中国は韓国に対し米も例外とすべきではないと主張したという報道があり、二国間だから例外の設定が容易であるとは限らない」と書いてあり、確かに競争事項と差異のありすぎる中国は未だにできていない日米FTAよりも妥結できるようには思えません。
それ以外の鈴木氏の対案は今までも話されていたことで、「現実的な解」であるように見えますが、今までの農政はそれすらできていないです。
それは確かに予算の制約もあったことでしょうが、一番の原因は「生産調整」に求められるような気がしています。
これを放置したままでいくら他の部分を補填しようとも、過剰在庫は解消されず、じり貧になります。
いやぁ、ちょっと鈴木氏ばかり批判しているような感じになってしまいました。
しかし山下氏の「コスト削減で集約」も、20ha以上の規模では効果が薄いという調査結果もありますので、現実的ではないと言うこともできます。方針には賛成なのですが、このままだと民主党政権でどちらにしても必要だとされる「戸別所得補償」の改正がされないまま、TPPは発効、ずるずると予算だけ増えていく・・・という感じにならないかと心配です。
この前報道された第4次補正予算の中身になぜか「TPPを受けた農業の競争力強化」という予算名目が入っていました。わけがわかりません。交渉のテーブルにつくことを決めただけで、関税がどうなるかも決まっていないのに。具体的に何をするのかもわからないし。
反対派議員がパフォーマンスですぐ引っ込んだのはこれをするためだったんでしょうか。
そして、テレビが明確に反対の姿勢をしていないことに面白く思っています。
アメリカの要求、または交渉事項には「電波オークションの導入」が入っているし、放送法の改正はTPPで特に支障なく入れられるでしょう。
しかし、テレビ局のスポンサーは経団連に入っている企業ばかり・・・
自分の都合では明確に反対だと言いたいけれど、スポンサーの手前それが言えない。
それが現在の「公共の電波としての両論併記」と題して反対論者の意見をどんどん紹介するという手口なんでしょうね。
最後に自給率で話しをすると、下がるのは間違いないでしょうね。
それを山下氏のいうように、輸出の増加で盛り返せるかどうか。
経済の問題というよりは、法律改正に関する政治の問題です。TPPに参加するのだけ決めて、(参加が決まったのなら、後は農業に関しては二択になりそうです。主業農家に絞って所得補償するのか、安全保障とわりきって全て補償するのか)あとは放置ということになりませんように。
他、気になった部分など。
戸別所得補償については、どちらも現状はいけないという認識。
山下氏の主張
「水田面積は戦後一貫して増加し、減反政策を開始した1970年には344万ヘクタールに達したが、減反導入後一貫して減少し現在では254万ヘクタールとなっている。米価を維持するための減反政策が、水田を減少させた。食料安全保障に不可欠な農地資源を、これだけ潰したのである。政府は食料自給率を40%から50%へ向上させるという目標を掲げている。しかし、ジュネーブでのWTO交渉では、関税の大幅な削減を回避するために、代償として米 のミニマム・アクセスなど低税率の関税割当量を大幅に拡大するとしている。国内では食料自給率向上を謳いながら、ジュネーブでは高関税を維持するために食 料自給率を下げてもよいという交渉をしている ~ 農林水産省はTPP が結ばれると米農業は壊滅し、多面的機能が大きく減退すると主張した。しかし、水田を水田として利用しないという減反政策を、40年間も続けている」
うん、生産調整は私も反対です。
鈴木氏は農政の基本方針を決める「食料・農業・農村基本計画」の委員をしていたはずなので、生産調整を継続するのを決定した人だったと思ってたのですが・・・生産調整を批判していたことに驚きました。具体的な試算をして「一番支出が少ないから」と生産調整が一番であるという風に『現代の食料・農業問題-誤解から打開へ-』では解説していた・・・はず。
私が鈴木氏の主張に共感できない理由は、対案が「ふわふわ」しているからです。
一言で要約すると、「農水省に予算がないから自給率が上がらなかった。金さえあれば解決するんだ」という風な主張だという印象を受けてしまうからです。
地元の意向を尊重するのは大事ですが、それは予算を多くすれば済む問題とは思えません。
特に明確に反対できるのは、「海外への食料援助を増やす」という案です。
アメリカは食料援助を輸出補助金の隠れ蓑として、「攻撃的な保護」を実現しています。
それを鈴木氏はマネしろといっているのですが、それがアメリカからの圧力によってできないと書いているのにどう解決するつもりなのでしょうか。
そこはおいといて、食料援助は「人間として」必要以上にやってはいけないことです。
もちろん難民キャンプなど必須の場所もありますが、開発途上国の多くの人々は農民です。
農民は自分たちの作物が売れることでお金を稼ぐ必要がありますが、アメリカの戦略によって不当に低い市場価格を強いられていました。それによって土地や生活を奪われ、その後のバイオ燃料政策によって穀物価格が高騰。泣きっ面に蜂です。餓死者が何万とでました。本当に必要なのは、お金なんです。
開発援助というものは、その人が食べられない状態から脱し、一人で暮らしていけるようになってこそのものです。施しはその人の経済基盤をなくすことにつながります。「一回で無くなる食べ物より、食べ物の作り方を教えるべき」ということも言われます。
話がそれましたが、もう一つ、あまりわからないことがあります。
東アジアCAPという構想です。
これは、そのまま引用で「EU統合の原動力がCAP(共通農業政策)であったように、アジア諸国間の賃金格差に基づく大きな生産費格差を克服して、各国の農業が共存できるようなFTA利益の再分配政策としての『東アジアCAP』を構築することが必要です」と書かれていました。
どうもこれだけ見ると、鈴木氏はAU、またはACとでも言うのか、アジア共同体として日韓中の経済統合を想定しているように見えます。でもFTAだけってことなんでしょうか。
もし経済統合前提での話なら、これは明確に反対なんですが。ギリシャを例に出せば明らかで、「アジアのギリシャ」と呼ばれている韓国は財政危機状態です。そんな国と経済統合すれば日本はEUにおけるドイツと同じ状態になるのは目に見えているからです。
FTAだけ、ということであれば、私自身が明確に反対する理由は勉強不足でわかりませんが、賛成派の報告書では「中国は韓国に対し米も例外とすべきではないと主張したという報道があり、二国間だから例外の設定が容易であるとは限らない」と書いてあり、確かに競争事項と差異のありすぎる中国は未だにできていない日米FTAよりも妥結できるようには思えません。
それ以外の鈴木氏の対案は今までも話されていたことで、「現実的な解」であるように見えますが、今までの農政はそれすらできていないです。
それは確かに予算の制約もあったことでしょうが、一番の原因は「生産調整」に求められるような気がしています。
これを放置したままでいくら他の部分を補填しようとも、過剰在庫は解消されず、じり貧になります。
いやぁ、ちょっと鈴木氏ばかり批判しているような感じになってしまいました。
しかし山下氏の「コスト削減で集約」も、20ha以上の規模では効果が薄いという調査結果もありますので、現実的ではないと言うこともできます。方針には賛成なのですが、このままだと民主党政権でどちらにしても必要だとされる「戸別所得補償」の改正がされないまま、TPPは発効、ずるずると予算だけ増えていく・・・という感じにならないかと心配です。
この前報道された第4次補正予算の中身になぜか「TPPを受けた農業の競争力強化」という予算名目が入っていました。わけがわかりません。交渉のテーブルにつくことを決めただけで、関税がどうなるかも決まっていないのに。具体的に何をするのかもわからないし。
反対派議員がパフォーマンスですぐ引っ込んだのはこれをするためだったんでしょうか。
そして、テレビが明確に反対の姿勢をしていないことに面白く思っています。
アメリカの要求、または交渉事項には「電波オークションの導入」が入っているし、放送法の改正はTPPで特に支障なく入れられるでしょう。
しかし、テレビ局のスポンサーは経団連に入っている企業ばかり・・・
自分の都合では明確に反対だと言いたいけれど、スポンサーの手前それが言えない。
それが現在の「公共の電波としての両論併記」と題して反対論者の意見をどんどん紹介するという手口なんでしょうね。
最後に自給率で話しをすると、下がるのは間違いないでしょうね。
それを山下氏のいうように、輸出の増加で盛り返せるかどうか。
経済の問題というよりは、法律改正に関する政治の問題です。TPPに参加するのだけ決めて、(参加が決まったのなら、後は農業に関しては二択になりそうです。主業農家に絞って所得補償するのか、安全保障とわりきって全て補償するのか)あとは放置ということになりませんように。