占星術では月の遠地点は
ブラックムーン・リリス
と呼ばれています
リリスは
私たちの潜在意識の奥底にある
秘められたコードと繋がっている
マジカルポイント
リリスの女神性を
神話から見ていきます
占星術の起源といわれている
古代メソポタミア文明
紀元前3000年頃の
シュメール人の暦や占星術の記録が
粘土板から発見されています
歴史上最古の神話とされる
シュメール神話
天地創造や
神々の世界と人間の創造神話が
楔形文字で残されています
リリスの源流
“女神ニンリル”は
天空神アヌと地母神キから産まれた
神々の王エンリルの妻
エンリルは
乙女だったニンリルを妻にしようと
身籠らせた罪で
神々から冥界の王国へ追放されます
しかし
ニンリルはエンリルを愛していて
冥界まで追いかけていってしまったため
正式に結婚して
エンリルは最高神に返り咲き
ニンリルは
月・冥界・医療・運河の神となる
4神を次々に産みます
エンリルは
風や嵐、大気を司る畏れ多い神で
天地開拓や人間の創造神でありながら
人間が増えすぎると
大洪水を起こしてしまいました
シュメール語でニンリルは
Nin=女性、Lil=風を意味する
風の女神です
紀元前19世紀頃
古代バビロニア帝国がメソポタミアを統一
シュメールの神々を統合しながら
バビロニア神話を編纂し
宇宙創成や神々による宇宙の統治
占星術も記されます
バビロニア神話のシュメール語版は
冒頭の3つの単語から
『エヌーマ・アン・エンリル』
アッカド語版は
『エヌマ・エリシュ』と呼ばれます
風の女神ニンリル(Ninlil)は
リリートゥ(Lilitu*)へ
*itu...アッカド語の女性形接尾辞
リリートゥは
月や出産を司る女神でした
紀元前7世紀にオリエントを統一した
アッシリア神話では
最高神アッシュールの配偶神
ムリッス(Mulliltu)へ
その名を変えます
古代のイスラエルの地で生まれた
カナン神話では
リリスは
安産の女神として尊崇された
豊穣や生命力を神格化した大地母神でした
しかし
リリスの伝承は
後の時代の言語に翻訳されると
悪魔のように伝えられていきました
歴史上最も古い文学作品とされる
シュメール第5代国王ギルガメシュの物語
『ギルガメシュ叙事詩』序には
“闇の娘リリスは
住処を木の幹に作っていた”
と訳されている記述があります
バビロニアでは
シュメール語の風(Lil)に由来する
リルと呼ばれる
闇の時間に彷徨う吸血鬼のような
風の精霊も現れます
紀元前4世紀までに成立したとされる
ヘブライ語で書かれた旧約聖書
リリスの名は
旧約聖書『イザヤ書』に
“夜の魔女(Lilit)”として登場します
旧約聖書『箴言』(しんげん)からは
“危なくて、でも魅力的な女性”
ユダヤ教の聖典『タルムード』には
“翼と長い髪を持つ女性”
といった
伝統的なリリスの描写が見られます
8〜11世紀
ミドラーシュという
ユダヤの聖書解釈の文献の一つ
『ベン・シラのアルファベット』に
旧約聖書の『創世記』で
最初に生まれた女性はリリスだった
という伝説が登場します
アダムの下にいることを拒否し
エデンの園を飛び出していったリリスは
中世のヨーロッパで
悪魔として語り継がれていきました
19世紀初頭に初めて編纂された辞典
『ウェブスター辞典』の
リリスの項には
ヘブライ語で夜の意味。
一、ユダヤの民間伝承、
ヴァンパイヤーの女悪魔、
二、ユダヤの民間伝承、
イヴが創造される以前のアダムの妻。
と記されています
リリスの神話を辿っていくと
後世の思想や価値観によって書き換えられ
最初の女性となったリリスの女神性は
長い歴史の中に封印されたまま
秘められてきました
風の女神リリスは
新しい風の時代を生きる私たちに
ありのままの自分を解放し
私たち一人ひとりの聖なる力が花開くよう
パワーを送ってくれています♡
シュメール神話参考文献