🌟29週のシュタイナー「魂のこよみ」(高橋巌訳)を
自分の感想を交えつつ、紹介します。
空の青
黄金色の大地、
そして緑の森。
🍁体験してきたことの意味・・・・
秋が深まってくると、内省することが多くなる。
これまでの人生を振り返ると、多くの良き出会いに恵まれていたことに気づく。
過去も、現在も、感謝してもしたりないほどだ。
出会いそのものを用意したのは、自分自身というよりも、
「大きな宇宙の計らいの力=他力」であるように感じる。
けれど、そこに「意味」を見出すかどうかは、
「自分自身」の「思考」がどう関わるかによる。
わたしは、どうして出会ったのか。
どのように感じたのか。
どこへ向かおうとしているのか。
内省しつつ問いかけると、そこから一貫した、自分の小さな主観を超えたものが感じられ、自分を導こうとしているのが、次第に見えてくるのだ。
🌠「宇宙」という語が意味するものは?
「宇宙に霊の故郷を求める」・・・・シュタイナーらしい表現だ。
宇宙とは?
太陽や、月、星々が運行しているところ。
途方もなく大きな存在。
人智を超えたもの。
遠い彼方にあり、
でも
不思議と、懐かしいところ。
命の根源
神、創造神・・・「神」という表現からは、人格神をイメージしがちだが、
「宇宙」という語からは、
わたしには万物を創造する基盤となる、もっと大きな「理性」のような存在が感じられる。
💙「音楽は、宇宙感情をもたらす」
このようにシュタイナーは語っている。
だから教育において、音楽は大切な土台となりえるのだ。
この言葉を知った時、真っ先にバッハの音楽を思い浮かべた。
バッハはどんなに小品でも大きく、底知れないほど深く、
背骨をまっすぐにしてくれるような力がある。
バッハに限らず、音楽は、感情の主体であるアストラル体に大きな影響を与える。
宇宙感情・・個人的な喜怒哀楽の感情を超えた上澄み部分で
私たちを精神的な領域に引き上げてくれる崇高な感情のこと。
でも音楽から引き起こされる「感情」にはその逆もある。
ドロドロの濁った感情に引きずりこむ?ような音楽。
(そういうのはちょっと苦手だが、人間的で感傷的なのもたまにはいい)
精神障害を持つ方とのオイリュトミーで、気をつけているのは「選曲」だ。
楽しいもの、躍動的なもの、ゆったりしたもの・・・必要に応じて色々使うが、
一番最後には、大きな調和を感じられる安定したものを選んでいる。
たとえば、パッヘルベルのカノンなどは定番。
療法的に用いるならば、真善美が感じられる音楽がふさわしい。
オイリュトミーの授業では、音楽のなかの原型の力が精神にプラスに作用するように、心がけている。
(目に見えない心に、カタチや秩序をもたらすように)
これは子どもたちのオイリュトミーでは特にそうだ。
音楽は良い意味でも悪い意味でも人を支配する作用があるから。
個人的な色合いを超えた純粋な感情・・それが「宇宙感情」なのだと思う。
特にアストラル体が独立する中学生ともなると、高貴なものに出会うことが必要になる。
👑古代ローマの皇帝、マルクス・アウレリウス[121~180]は、著書「自省録」において、
「51.宇宙が何であるかを知らぬ者は、自分がどこにいるかを知らない。」と記している。
ストア派哲学に精通した哲学者でもあり、五賢帝の一人と称されるマルクスは、
宇宙と対話しながら自分を律し、国を治めたのか。
現実から逃避するのではなく、常に、皇帝としての現実の務めを怠らず、畏敬の念を持って人生を送っていたマルクス。
2千年前の人物であるが、彼が記した言葉は、今も古びず、シュタイナーにも通ずるものがあるように思う。
私の大切な本の一冊である。
「自省録」
20代の頃、神谷美恵子氏の訳で出会った我が愛読書です。
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