はちすのはなのくに へ
愛するものたちは
旅立つ
あまたの甘い
思い出を残し
今は
目に 見えるもの
手で 触れるもの
すべてが
愛おしい思い出に
七月、浄土に旅立った我が父の
四九日法要と納骨式を
郷里で終えた、その翌日、
愛猫、りん(♀)が天へ旅立ちました。
もうすぐ12歳の誕生日を迎えるところでした。
この窓辺にいるのが好きだった。
この時はすでにかなり痩せて、
その後は、窓枠にも登れなくなってしまいました。
8月初め頃。
りんちゃんの好きだった
窓辺に花をお供えしました。
Yさん(りんちゃんを譲ってくださった方)からの供花
消化器型リンパ腫で、春からずっと闘病し、
最後の数週間は、壮絶で、
まさに、いのちの炎を燃やし切った・・という印象です。
動物病院の先生から
皮下点滴の仕方を教えて頂き、毎日、注射していたが、
日に日にガリガリに痩せ細り、
それでも健気に
一生懸命に食べ、一生懸命にウンチをしていました。
それが仕事であるかのように。
ひたむきに「いま、このとき」を生きる猫の姿に、
お世話するこちらが、勇気づけられ、励まされたのでした。
声も掠れて出ないくらい、痩せた体で、
「ちょうだい!」「ちょうだい!」と身振りで
前足の肉球でチョイチョイ、とタッチしてくるのです。
少し食べては、また、タッチ。
あの独特な眼差しでじ〜っと見てる。
一度にはたくさん食べれないので、
休み休み、
流動食、ムース状、カリカリ、いろいろ取り混ぜてあげていました。
進行がんなので、
これだけ食べれるのは奇跡かもしれない・・と思い、
フードをあげるときも、ついつい気合が入ってしまいました。
旧約聖書の「創造の六日間」で、エロヒム(神様たち)が
新しいものを創造する度に
「よし!」というのですが、
それがとってもポジティブな感じがして、
りんちゃんにも、フードをあげるときにも
「りんちゃん、よーし‼️」
と大きな声でいうと、一度離れたお皿に戻ってきては、
また健気に食べようとするのでした。
結腸そばに腫瘍があることがわかったのが6月末。
(その後、転移し、次第に大きくなっていた)
心臓も悪いことがわかり、手術は困難で、
緩和ケアとしての治療を行うことになった。
腫瘍がウンチの通り道を妨げ、
排便困難な時期がずっと続いていたので、
ウンチが出るだけで、「ああ、良かった、頑張ったね!」
と安堵する毎日。
腫瘍の位置が動いたためか、
毎日排泄できるようになったものの、
がんは進行して、どんどん痩せてゆきました。
半分の体重になっても、猫らしく振る舞い、
時折、食器棚に飛び乗ったり、びっくりさせられました。
抗がん剤が効いたのか、
患っていた甲状腺機能亢進症のせいか、
食欲があるのが、せめてもの救いでした。
旅立ったその日も、
いつもと同じように、たくさん食べて、
いろんなところで沢山ウンチをして、その後片付けをして・・・
それがずっと、まだまだ続くと思ってた・・。
しかし、
私がオイリュトミーコラボ練習中に
息を引き取ったらしい。
その瞬間にいてあげられなくてごめんね。
夫が見つけた時は、 椅子の下に潜り込んだまま、
もう、心臓が止まり、息をしていませんでした。
「愛するものを続けて失う」・・かなしい出来事に、
言葉もないほどショックでしたが、
りんちゃんを譲ってくださった方から、
「りんちゃんは、お父様の旅立ちに、お供してるんですね」
という言葉をいただき、
ほろりと
癒されたのでした。
不思議なことに、
法要と会食を終え、郷里から帰る時、
立ち寄ったお店で
「お供(おとも)りん」という、おりん(仏具)に出会い、
その可愛さと、響きの美しさに
一目(一耳?)惚れして購入したのでした。
その翌日、
死んだ愛猫のために、仏具として使おうとは、夢にも思わず・・・
猫の亡骸は、亡き父が植えてくれた柿の木と
ムクゲの木の間に穴を掘って、墓を作り、
ミントを沢山敷き詰め、
百合やいろんな野の花を摘み、飾りつけて
埋葬しました。
ムクゲの花言葉は、
「デリケートな愛」「繊細な美」。
りんちゃんは、繊細な賢い猫でした。
ひと足先に旅立った父を、全速力で追いかけ、
天へと、高く駆け上ってゆく、りんちゃん。
りんちゃんは、高いところに上るのが本当に好きな猫でした!
天へ旅立つ3ヶ月前、5月の頃。
お気に入りのベランダで。
綱渡りのように手すりを渡り切って、得意顔です。
じっと見る、眼差しの中に
引き込まれそう・・。
切ないなぁ。😢
お線香をあげ、
「おともりん」を チリ〜ンと鳴らし
愛するものたちの冥福を祈ります。
亡き父が小さな苗を植えてくれた柿の木(2本のうち、1本)
今やこんな大きな柿の木になりました。
秋にはたくさん実をつけることでしょう。
柿の隣にムクゲの木があり、今、花を咲かせています。
二本の木の間に
小さなお墓を掘り
埋葬しました
那須の森どうぶつ診療所さんからの供花は
むかし制作した、木彫の天使像のそばに飾りました。
天使に見守られて
天国に行けますように。
元気が出るビビッドカラーが嬉しい。
りんちゃんは、エネルギッシュな🐈猫でしたから。
この毛糸の、ちょっと汚れたモシャモシャは、
お気に入りのオモチャ。
自分が遊ぶためというちょり、
人を慰めるためにいつも咥えて持ってきてくれた。
私が仕事でウンウン唸ってる時、
疲れている時、
いつの間にか、そばに来て
く〜ん、く〜んとワンコのように、
甘え声で鳴きながら
さりげなく近づき
ポトリ、と
ハンカチ落としのように、モシャモシャを落とし、
サッと
立ち去るのでした。
「これで気分転換したら?」
そう言ってるかのように。
ノルウェージアン・フォレストキャット、凛ちゃん
先祖は「ノルウェーの森猫」だとか。
野生的で
賢くて
誇り高い、猫でした。
最後の日まで、猫らしく振る舞い、
自分の足で歩き、食べ、排泄しました。
凛としてるから、
りんちゃんと名付けた。
5月、若葉の頃に撮影
大好きなりんちゃん、
一足先に旅立った、亡き父を追いかけて
お供していくんだね。
果てしない高い高いお空へ。
宇宙へ。
りんちゃんの模様は
新しい 宇宙の星がうまれたときのような
ブラックスモークだとか。
宇宙の星まで旅したら、
また、
生まれ変わっておいでね。
一緒に過ごした
幸せな時間 本当に
ありがとう!