◉「雨の音が聞こえる」八木重吉
今日は、ずっと雨が降っています。
今年に入ってから、オイリュトミーの授業では、八木重吉の詩「雨」に取り組んでいます。
(奏身舎、宇都宮「ひばりの会」、そしておひさまの丘宮城シュタイナー学園大人クラス)
仙台での「人生百年講座」(4/17 5/17 6/ )でも、雫のフォルムで取り上げました。
雪降る寒い冬から始め、
桜咲く春になり、
そして蝉の声が降りしきる暑い夏になり、
ずっと雨の詩を、オイリュトミーで深めています。
要所要所で、母音子音をとり、フォルムで動き、
惑星や12星座の仕草をつけ、
音楽でのオクターブの仕草をお仕舞いにつけると、
変容する人の在り方が、予感できるようになり、だんだん芸術作品らしくなってきました。
その間に、プライベートでは、郷里の父が入院し、
2ヶ月後、まさに「雨が上がるように、静かに」浄土に旅立ちました。
それは、八木重吉の詩のようでした。
◉八木重吉「雨」
雨のおとがきこえる
雨がふってゐたのだ
あのおとのように
そっと世のためにはたらいてゐよう
雨があがるように
しづかに死んでゆこう
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八木重吉は「雨」という詩を通して、日本的な
美しい死生観を物語っています。
「雨あがり」という日本語は、しみじみと美しいですね。
英語だと It stops raining でしょうか。
日本語では、雨は「あがる」もの。
それは実に、自然なこと。
「あめ」という語も、
・「天の川 /あまのがわ」
・「天地 / あめつち」
という語にあるように、「天の恵み」というニュアンスが含まれています。
天からくだった恵みの水がめぐりめぐって、
大地を潤し、草木に命をもたらし
働いた後に、再び、天の世界へと上がってゆく。
雨があがるように
しづかに死んでゆこう
オイリュトミーで この「雨があがるように」を
子音のLの仕草で、上方に明るく引き上げるように動くと、
とても晴れやかで、祝祭的な営みが感じられるのです。
また「しづかに死んで」のところでは
子音Sの仕草で下から上、上から下の動きを交差させつつ動くことで、
生と死のはざまに、私たちが生きていることが、心と体で実感できるようです。
宇都宮クラス「ひばりの会」メンバー、田崎和美さんから、
レッスン後に、
「久しぶりのオイリュトミー、とても新鮮でした。
生命の神秘を目の当たりにして、
一時一時がいとおしく思えます!」
という感想をいただきましたので、ご紹介いたします。
田崎さんは、2番目のお孫さんが生まれたばかりです。
天からこの地上に降りてきたばかりの、赤ちゃんの誕生と、
八木重吉の「雨」でのオイリュトミー体験が合わさり、
とても深く、心に響いたことでしょう。
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🟣生命の神秘
母体の中で育っていく胎児はもちろん、
陣痛の起こり方もそれぞれに全く違うので、
自然分娩の場合、
その子、その子の意志で産まれてくるのだろう!と感じます。
家族にとって、ベストなタイミングで産まれてくる、というのも余談ではありますが
面白いエピソードをよく聞きます!
🟣母の声にじっと耳傾ける新生児
産まれてすぐ、母親の声に耳を傾けてじっと聴くんですよね、
私の声など聞き覚えのある声にも耳をすまします。
その姿には畏敬の気持ちすら感じます。
1日を通して、新生児の様子はやはり、一人一人全く違っていて、
よく眠る子、感覚が敏感な子、いろいろな姿を見せてくれます。
地球のリズムに馴染んで行く様子に丁寧に関われるのは、面白いです!
🟣何を携えて、
この地上に降りてきたの?
「雨」の詩を学んでいると、
この子が何を携えて この地上に降りてきたのか?
この子が私たちに もたらすものは何なのか?
私たちはこの子に 何をもたらせることができるのか?
そう、問いかけたくなります。
🟣新生児の輝き と
死に逝く命の灯
「雨」の真ん中にいると、大きな世界と生命の根源とが繋がっている感覚を覚え、
また、新生児の輝きと死に逝く命の灯も感じ、とても厳かな気持ちになりました。
「雨」の静かに死んで~のSには、両極を感じ、厳かな気持ちになります。
オクターブの仕草も新たな世界への橋渡しを想い、深みをもって動きたいと思っております。
本当に心に響く詩との出会いに感謝です!
・・・田崎 和美 さん からいただいた感想より
ピアノ講師、
宇都宮「柿の木坂芸術学校」にてオイリュトミーのピアノ伴奏をしてくださっています。
⭐️宇都宮ひばりの会では、共に学ぶ会員を募集しています!
・宇都宮オイリュトミークラス「ひばりの会」
春を告げる雲雀のように高く羽ばたいて!
https://ameblo.jp/eurytmie-sousinsya/entry-12601837530.html
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