◉交差とレムニスカート(8の字)の不思議
これまでにあらゆる年齢の子どもや大人、
発達障害、精神障害の有る人、無い人・・
いろんな人たちといろんな場面で
オイリュトミーレッスンをしてきました。
何と27年間に亘って!
長きに渡り、オイリュトミー教師として、多様な人たちに関われた経験の全てが、
今の私の財産となっています。
オイリュトミー体験を通して、いつも不思議に思い、
カタチの持つ叡智に感動するもの。
それは、
交差のEと8の字フォルム
を体験した人々の
反応の違いでした。
この二つはオイリュトミーの練習でも、特に大事なフォルムで、しかも「9歳の危機」の頃の子どもにとって、重要な課題となっています。
◉知性と感情の両方セットで味わう
生命の「ダイナミズム」
このフォルムを、美しく生命的に動くためには、
冷たい知性だけではなく、
柔らかな感情も伴っていないと、本当の意味で、動きのダイナミズムや調和を味わうことはできません。
だから芸術が必要なのですね。
◉中心から動く、心を動かす。
単に腕を交差する、という身体の体操ではなく、
「堅き地面に 竹が生え!」
という詩で、潔くキッパリとEを 体験するのとでは、雲泥の差があります。
前者は、体を動かし、
後者は、心を動かし、その心の動きが自ずと体に伝わります。
「自我」という人間の中心から動くようにする、それがオイリュトミーです。
◉世界と分離するEから
無限を体験する8の字へ
Eは、自分と世界の分離を体験する母音であり、
交差する二つの直線を、柔らかな曲線で繋ぐと、8の字フォルムとなります。
8の字フォルムを指で辿ると、ずっと止まらずに廻り描くことができ、それは「無限大 ∞」の記号となり、「無限」「永遠性」を象徴する形です。
そこには、有限のミクロコスモスである人間と、無限のマクロコスモスである宇宙の照応の秘密が隠されています。
円から楕円、そして8の字へ変化するフォルム
◉そもそも9歳の危機とはどんな時期?
世界に対抗して「自分自身」も存在している。
9歳の頃は、世界と自分が分離する時期と言われています。
3歳ごろから、徐々に分離を体験しているのだが、決定的な体験となるのが9歳。
後戻りできないことから※「ルビコン川を渡る」と古代ローマのカエサルの言葉で表現されたりもします。
ルビコン川とは、古代ローマ時代、ガリアとイタリアとの境をなした川で、ルビコン川より内側には「軍隊を率いて入ってはいけない」とされていた。
違反すれば反逆者として処罰されたが、カエサル(BC100年~BC44年)が大軍を引き連れてこの川を渡り、ローマへ向かった。
カエサルは「賽は投げられた」と叫び、元老院令を無視して渡河したという故事に基づく。
このことから、もう後戻りはできないという覚悟のもと、重大な決断や行動を起こすことをいう。
説明はネットの記事より引用させていただきました。
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交差する 母音 Eの仕草
◉交差する母音Eが、動けないとき
オイリュトミーの母音Eは、「交差」「分離」、そして「出会い」を表し、フォルムとしては X と表します。
手をXのように交差することは、とっても簡単ですね。
でも足で、交差することが、難しい場合があります。
一本の棒を床に置き、それを足を開き、跨ぐ。・・これは母音Aの開かれた心と体の状態を体験するものです。・・意味するところは「世界と私は一体だ」
今度は、その床に置いた棒を足を交差した状態で、跨ぐ。・・これは母音Eの動きであるが、その意味するところは、
「世界に対抗して自分も存在している」・・である。
世界に呑み込まれ一体化してしまうのではなく、自分自身が別にあることを感じ、世界に抵抗して自己を感じるのです。
9歳の頃の子どもたちは、
孤独になったり、不安になったりしがちです。それは、慣れ親しんだ「世界」からの分離体験からきています。
だが、それは自我の成長にとって必要なことなのです。
だから、世界と自分が分つことを肯定し、応援するのが、Eのオイリュトミー練習の目的といえましょう。
これが歯が生え変わる7歳を過ぎても、
さらに9歳を過ぎても、
E のフォルムを(手だけではく、足で作ったり、体で動いたり)体験するのが困難な場合は、
世界と自分の関係において、何らかの問題を抱えていることが多いのです。
それは自我の受肉に関わります。
(だからこそ、この母音Eの練習を、芸術体験を通して、子どもにも楽しめるような工夫を凝らしてレッスンに導くのです!)
◉8の字の秘密とは?
・・内外が「ひっくり返る」こと!
また、無限大の記号でもあるレムニスカート(8の字)も大変重要です。
8の字を手で描くことは、何とかできても、
足で動いたり、背骨で空間に美しく8の字を描くのは、思ったより結構難しい。
大人の方でも、冗談ではなく、途中で迷子になってしまう方が、かなりの割合でいらっしゃるのです。
目に見えない中心線や交差点を感じるのが困難なケースや、
中心線をクロスして、左から右へ、また右から左へと別の領域に移るのに困難を感じる人もいます。
(おそらく右脳と左脳のバランスの悪さや連携不足も原因にあると思います)
周囲に影響を受けやすい方は、苦手な場合が多いようです。
レムニスカート(8の字)フォルムが、楕円や円と異なるのは、「交差点」があること。
レムニスカート(8の字)は、向きによっても、やり方によってもいろんな体験の仕方ができるフォルムだが、
「中心で交差すること」が一番のポイントです。
しかも、元になるフォルムが、楕円で、かつそれに捻りが入るので、交差点で、内と外がひっくり返るのです。
円や楕円はずっとなぞっても、内は内、外は外のまま。
固定したままでひっくり返りもない。
しかし、8の字は、
内を向いていた・・と思ったら、外を向いている。
外を向いた、と思ったら、内を向いている。
このひっくり返りの8の字体験を一番必要とし、
かつ、その練習を心から喜んで練習しようとする時期は、やはり9歳ごろなのです。
ということは、子どもは自分にとって必要な糧を知っている、ということではないでしょうか。
内と外に分かれる、そのプロセスをオイリュトミーを通して叡智に満ちたフォルム体験として学べることは、この時期の魂の糧となります。
また、発達に凸凹のある大人の方も、
交差すること、内外が分かれ、さらに出会うこと。
これらをオイリュトミーで練習することは、自分自身や世界と出逢い直す体験につながるのだと思います。
機会があれば、ぜひオイリュトミーで体験なさってみてくださいね。
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nasu.sousinsya@gmail.com 渋谷智栄子
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✴︎【ソフィア敎育芸術研究会】の講座では、
Eや8の字をいろんなバリエーションで体験し、解説します。
全く初めての方もご参加できます。
【告知】7/24ソフィア教育芸術研究会 「9歳の危機」「四大」と「気質」
https://ameblo.jp/eurytmie-sousinsya/entry-12753238728.html
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・22年度【子ども力を育む芸術クラス】・・小さな美しい時を重ねて✨
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・22年度【オイリュトミー大人クラス】 ご案内
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https://ameblo.jp/eurytmie-sousinsya/entry-12748254589.html