奏身舎ではハンディを持つ子供や大人のためのオイリュトミーレッスンをしています。

(グループ、個別)

 

しかし、実は「障害者向け」の特別なことはしていません。

人と成るまでのプロセスを、本質に沿って、丁寧に辿る練習と言えるでしょうか。

 

そして

根底にあるものは、障害の有無を問わず、皆共通しており、普遍的です。

 

また、シュタイナーもこのように述べています。

 

・「教育は、治療」

 

・「芸術の中に自らを癒す力がある」

 

シュタイナーが、家庭教師として教えた障害児エルンストとの経験をもとに「シュタイナー教育」を構築したように、

私自身、オイリュトミストの卵時代、最初に出会ったハンディのある子どもたちや青年たちとの時間のなかで培われたものが、私のその後のオイリュトミー教師としてのベースとなりました。

 

◉現代社会の「流行病(エピデミック)

近年「発達障害」が増加傾向にあるといわれています。

現代社会の「流行病(エピデミック)」とさえ言われているとか。

 

自閉スペクトラム症(ASD)は、

1970年代には1万人に一人、

1995年には  千人に一人、

2000年には 150人に一人、

2008年には 88人に一人、

2018ねんには59人に一人、

と爆発的な増加を示しています。 「自閉スペクトラム症/岡田尊司著」より抜粋

 

それは、本質から外れたことが当たり前になっている社会や教育の現実を、こどもたちが「発達障害」という痛みを通して、私たちに教えてくれているのではないでしょうか。

 

パーソナルレッスンでは、教育思想家、シュタイナーの理念を元に、私自身の長年の経験や工夫から生まれた授業方法で、一人一人の興味や関心に添ったやり方でレッスンしています。

なので、原理主義的なものではなく、授業を楽しく進めるために、普通のオイリュトミー以外のいろんな要素を取り入れています。

 

手遊び、運動遊び、布を使った遊び、楽器の練習や音遊び、歌作り・・など。

 

 

◉心の動きを体の動きにする

 

大切にしているのは

まず、子ども自身の「心が動く」ように、そして

心の動きが体へと、自然に広がるようにしています。

 

心が動くとき、人はどうするのでしょう。

誰かに伝えたくなりますよね。

 

人に訴えたくなるような、胸を打つ体験があると、だれか他の人に伝えたくて、古代の人はそんな気持ちを「うた」でうったえました。

 

その時、息は自分の体の内から外へと広がります。

「うた」の中には、呼吸や感情と関連する「母音」が生きており、

うたを使ったオイリュトミーは、生命的な力が感じられるのです。

 

発音体感を動くオイリュトミーに加え、

 

やさしい響き、美しい音色の楽器も使います。

 

これは「聞くこと」がとても大きな役割を果たすからです。

 

「発音体感」とは、脳科学者、黒川伊保子さんによると、

言葉を発声するときの口や喉での「触感」のことで、脳の中でも無意識を司る小脳が担当しています。

 

◉小脳と運動、イメージ形成

 

小脳は、身体の運動に関わっており、発声においても、唇や、舌、顎などを瞬時に動かして音声を形作っています。

 

「言葉を体で動く」ことは、発語や発声、そしてことばのイメージ形成とも関わるのです。

 

  運動感覚→言語感覚

 

この関係は、シュタイナーの12感覚論でも対応しており、体を使った言葉の体験が、言語を形成していく子供にとって、如何に大切であるかが、よくわかります。

 

 

 

◉自閉スペクトラム症の女児とのレッスン

 

昨秋から、重度自閉症児のパーソナルレッスンをしています。

それより数ヶ月前に、その子のお母さんが私の講習会に参加され、そこで学んだ手遊び歌を、お子さんにしたところ、とても喜んで模倣してくれたそうです。

それをきっかけに、遠方よりわざわざ親子でレッスンを受けにいらっしゃるようになりました。

 

 

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柔らかな毛糸🧶ボールを歌と一緒に

放ったり受け取ったり。
それは、呼吸でもあり、
聞くことと話すこと、会話の本質でもあります。

 

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手遊びに使うおもちゃ。

梨の木の笛、クーゲル、毛糸ボール、お手玉。

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カエルは、Aちゃんにもとっても気に入ったようで、「ぴょんぴょん」という擬音に合わせて、何度も嬉しそうに響きといっしょにジャンプさせていました。

 

全く初対面でしたが、発音体感を使った手遊びをニコニコして模倣してくれたのでした。言葉を話せない子にとって、発声する口の動きを、手や身体で動く事は大きな意味があります。

それは動作言語から発声言語が生まれるからです。

 

いろんな自然素材を使っての手遊び、運動遊び。

オイリュトミー、棒を使った動きなど。

それらが単なる一時の刺激に終わらぬように、言葉や歌で、美しい物語のように紡いでゆきます。

 

五感を統合できるように。

バラバラな点としての、断片的印象が

意味のあるまとまりになるように。

内なる自我は、聖なるものを喜ぶのです。

 

◉やさしいもの、かわいらしいもの、美しいもの

・・大好きなのは人間だから!

 

「やさしいもの、かわいらしいもの、美しいものが大好きです。」

 

東田直樹さんが、著書「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」で語っておられるように、

ハンディのある人も、ない人も、

みんな美しい、ほんとうのもの、良いものが好きです。

「真・善・美」が、感じられるのは人間だから!

 

子どもたちの小さな自我は、目には見えませんが、

「ことばの中の聖なる語りかけ」を通して

初めて目覚めることができます。

 

この「ことば」とは、大人が使う日常的な「意味の言語」ではなく、

動きや響き、リズムなど、

ことばのいのちが生きている「本来のことば」のことです。

 

リズミカルな詩や音楽、歌で「ことばのいのち」を味わう芸術体験は、決して訓練ではありません。

それ自体が目的で、喜びなのです!

喜びは心を温め、生きる力を与えてくれます。

 

 

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✴️自宅でできるシュタイナー子育て

奏身舎に通うことのできない遠方の方のために、

11月から、みんなのシュタイナー主催で

オンライン「おうちオイリュトミーサロン」が始まりました。

 

【告知】おうちオイリュトミー〈オンラインサロン〉スタート!

 

   

◉おうちオイリュトミーオンラインサロン 
 毎月火曜日に開催。録画視聴もできます。 

  次回は3/1火曜  10時半〜12時 

 

▼静けさの中で耳をすますS音❄️「そーっとそっと」
https://ameblo.jp/eurytmie-sousinsya/entry-12707757627.html

 

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