8/25平和島サニー保育園での「子どもに関わる人のための一日講座」は、お陰様で大盛況のうちに終わりました。シュタイナー保育、教育、療育、治療に関わる方達が、各地から参加され、会場は皆さんの熱気で溢れ、さながら「まほうのお鍋」のよう❣️🥘 

どんどん溢れてくる熱いエネルギーと未来への可能性を感じました‼️

 

●丸く輪になって、手遊びの講習

・アイアイ

・まわそ、まわそ

・お花とチョウチョ

・ホタル

・十五夜の餅つき

・擬音を用いたストレッチ遊び

・秋の木何の木

  etc・・

 

誰にでもできるやさしい手遊びですが、手の動きの中に

実は、言葉を発声する時の発音体感を生かしています。(発音するときの口の動き)

なので、単なる振り付けではなく、いわばミニオイリュトミー。

動きに言葉の本質が入っています。

 

例えば「まわそ、まわそ」だったら、

フェルトボールを両手で包み込むように、転がしながら歌うことで、唇音「M 」のまろやかなあたたかさ、親密さ、吐息のリラックスした呼吸が(無意識ですが)感じられます。

 

手遊びを作ったきっかけは、障害を持った子ども達との出会いから生まれました。

言葉をうまく話せない子、落ち着きがなく集中できない子、立っていられない子、

教科書通りのオイリュトミーでは、全然通用しない人たちに、一体何ができるかな?

どうしたらいいんだろう?と、悩んだ時に、

編み出した、というか、ふっと降りてきたのが、これらの手遊びでした。

 

どれも静かに歌いながら、発音体感を、手の動きと連動させて遊びます

そして遊びながら他者との関係性を、楽しく体験するのが狙いです。

人と自分とのあいだにある「温もりや愛」を、自然に感じることができるように。

 

2011年の大震災後に、心と体が硬くなっていた子ども達のために作ったのが、

「お花とチョウチョ」の手遊びです。

悲しいことに、震災後、人と手を繋ぐことができない子が増えました。😢

また、きれいな輪をつくることも、難しくなりました・・・。

ボールを使うと、乱暴に投げたり、独り占めしてしまう子が増え・・・(大人社会の影響?)

そこで、ものを使わないでできる手遊びを考えました。

それが「お花とチョウチョ」の手遊び。

 

やさしく開くお花。🌷🌸🌺

そのお花にとまるチョウチョ。🦋🦋🦋

 

両者は、互いにやさしく触れたり、触れられたり、

花粉と蜜をプレゼントしたり、受粉を助けたりの素敵な関係❤️

「チョウチョ🦋とお花🌷」は、見ていても美しくきれいですが、

手遊びでやると、どこか神聖な感じがします。

「手の祈り」という表現がふさわしいようなこの手遊びは、障害がない普通の子どもたちも好きですし、また大人の方も(精神障害、発達障害など)喜んでなさっています。

 

 

 
 
●言葉と運動
 

母音や子音を発声するときの口の運動は、小脳が担当しています。

この小脳は、空間認識やイメージ生成の基盤となっているので、

発声しながら、手足や体を動かすことで、動作からイメージを伴った言葉への連携が起こり言葉の発達に寄与することができるのです。

 

母音のあたたかい響きを呼吸のように感じながら

ボールを投げます。

言葉を

放つように。

 
5音階のグロッケンの響きを
導入に用いることもあります。
 
●手と脳について
下の図のように、脳のシステムの中で手が占める面積は、非常に大きいのです。
次にが大きく占めています。
言葉の発達に、如何に手を使うことが大切かがわかりますね。
 
image
 
●手と耳について
 
妊娠中の胎児の手と内耳の発達を見ますと、
手は外へと成長するのに比例して、内耳は内へと陥入して成長を遂げます。
手と耳の関係を示す例として、
蛇は、四肢が退化した動物ですが、同時に耳も退化しています。
蛇には耳がないのです。
 
image
 
 

●メルヘン「まほうのお鍋」お遊戯バージョン

メルヘン「まほうのお鍋」では、

大事なセリフは、発音体感にオイリュトミーの動きを取り入れ

繰り返し歌って動くお遊戯にしました。

 

「おなべ」は、あたたかく包み込むB音、

「煮えろ」では、かき混ぜるR音の動きを取り入れます。

 

グツグツグツグツ・・・は粥が煮える様子を足を使って収縮拡散を繰り返し、

ふきこぼれる様子は、子音のLを使ってあふれ出すようにし、

鍋から台所、隣の家へとお粥が流れ出すところは、わらべうたの旋律で、手を繋いで大きく蛇行します。8の字で動くと、内から外への大転換が感じられ、ダイナミックな動きに皆さんとっても楽しそう!

 

 
あたたかく包み込むお鍋はBの子音で
 
 
お鍋よ、煮えろ!
グルグルかき混ぜる動きを Rの子音の仕草で。
 

     もう食べるものがない貧しい娘。

これからどうしよう・・・・

 

どこまで流れてゆくのやら・・・ダイナミックな動きで生き生きと!

 

 

♬不思議な秘密の まほうのお鍋♪

 

 

 

メルヘンの解釈をして下さったくに先生は、甘いものがお好きです!

「まほうのお鍋」のドイツ語の原題は 、《Der süße Brei甘いおかゆ」》でした。

小さな子にとって、甘〜くて美味しいものは、まずミルク!        

「甘さ」は、天の国を意味するそうです。

(ちなみに、メルヘンは、子どもにとって「魂のミルク」と言われています。

 

 

 
輪になって手を動かして歌う。
 
シンプルですが、大切な体験です。
 

        言葉は人と人をつなぐもの

傷つけるためではなく

 

 

 

 

 

手が動くと心が動きます。

心の動きを、体でも動きます。

 

 

 

空間をみんなで動くと
熱が生まれます。

このあたたかさことが、全ての始まり!

 

 

 目に見えない熱は、魂の熱。

 

 

 

 

 

みんなのシュタイナー主催
「メルヘン・手遊び・アクティビティ」シリーズに
参加してくださった皆様、ありがとうございました。
くに先生、ほんとうに素晴らしい企画でした!
また、会場を提供して下さった、サニー保育園さま、
ご厚意に感謝いたします。
 
次回は、11月24日「手袋」の予定です
 
また、皆様とあたたかな学びの時間を
心豊かに過ごせますように!
 
 
✴️ 教育芸術クラスご案内
 
現場で即実践できる手遊びや歌、基礎的なオイリュトミーが体型的に学べます。
 

●ソフィア教育芸術研究会

 

次回は、幼児から9歳までの子どもたちに相応しい教育オイリュトミーや手遊びを学びます。

芸術オイリュトミーでは、「子音」の世界を体験し、地水火風と気質についても学びます。

(単発受講は5千円。継続受講は割引があります。)

9月14日13時〜16時 なおび幼稚園にて

https://ameblo.jp/eurytmie-sousinsya/entry-12463110924.html

 

・face book「ソフィア教育芸術研究会」

https://www.facebook.com/events/607922099693054/permalink/607923363026261/