「好奇心は猫を殺す」このイギリスの諺にあるように、
猫はいろんなものに興味を持ち、敏感で、尾を体にまとわりつかせながら実に優雅にしなやかに動く。そして猫の体は驚くほど柔らかくあたたかいのだ。
ネコ科の動物の体には「熱」が浸透し、息づいていると「魂の扉・12感覚」でズスマンは語っている。
「熱」とは「世界への関心」なのだ。
私たちは、他者や世界との出会いを求め、世界への関心や好奇心を抱く。
その時、魂はあたたかくなる。そして他者のあたたかさを感じた時、受け入れられたことを感じ、幸せな気持ちになる。
いろんな感覚が生き生きと働き始めるにも、まず、この「あたたかさ」「熱」に充たされ、「関心」がわかないと、感覚は眠ったままなのだ。
「冷血漢」という言葉があるが、無関心は魂を冷たくする。
そしてロボットのように「機械的に」なってしまう。
低体温の人が最近増えているというが、他者への無関心さと、ひょっとしてどこか関係があるのだろうか?
私自身がオイリュトミーの授業をするときに、一番大事にしたいのが、この「あたたかさ」である。
特に、幼い子どもたちやハンディのある人とのレッスンでは、これがないと始まらないくらい大切なものなのだ。
関心を示す見えないカラダ、意識のことを「アストラル体」と呼ぶ。
植物にはないが、人間や動物に特有の、好奇心を持ち、世界を知りたいと望んでいるカラダである。
それが表されているのが皮膚の中の単純な神経なのだという。
一番最初にあった根源的な感覚は「熱器官」だとシュタイナーは語っている。
この熱感覚は、黄道12宮の獅子座に関わり、ライオンや猫の本質は「熱」にあるというのだ。
「猫のように、見事に動くことができたら、体にどのように熱が浸透し、息づいているか、その動きの全てがいかにオイリュトミーに近いものであるかが、わかるでしょう」
猫好きのオイリュトミストは、ここで頷き、思わず膝を打った!