「タケル、しおり!また明日な!」

「おう!」「じゃあね!」




俺は高校2年生のたくや。
元気いっぱいのサッカー部。
そしてタケルは、気心知れたFWの相方。
俺たち2人で、黄金の2トップなんだ。
しおりは、、、マネージャーであり、俺の好きな人。
優しくて、明るくて。。。
何より、モー娘の高橋愛に似てるところが好きなんだ!
だけど、実はタケルもしおりのことが好きで、俺たちは親友でもあり、ライバルでもあるんだ。。



そして明日はいよいよ、しおりに告白をしようと思ってる。

ドキドキ




彼らはいつものように別れた。

今日は部活もなく、放課後みんなでオシャベリをしていて、辺りはすっかり暗い。

たくやは西谷山小学校方面。

タケルとしおりは武道館方面だった。

たくやにはこの瞬間が一番つらかった。

「また明日」の言葉が、たくやにとってはどれだけ重いか。

2人の笑顔がたくやの心を傷つけていった。

恋特有の現象である。



たくやをこの帰り道のネオンが、優しく飲み込んでいった。






「しおり、寒くなったな。」

「そうだね。」

400メートルほど自転車をこいだであろうか。

武道館前に差し掛かった。


「今日は人が多いな。誰かのコンサートかな。」

「モーニング娘。が来るみたいだよ。」


………………


「タケル。。。」

「どうした?」

「好きな人が出来たんだ。」




しおりの言葉がタケルの心を大きく揺さ振った。




「たくや、、か?」




「ううん違う。タケル。」



タケルはひどく照れた。




「ほんと?」




「うん。。。」




この時タケルの中で、引っ掛かるものがあった。

たくやの存在だ。

もし俺たちが付き合ったら、たくやとは2トップ、いや、親友でいられるであろうか。

取り返しのつかないことになるのでは?

しかし、タケルの気持ちは抑えられなかった。

しおりの事が、やはり好きだったのだ。




「実は俺もさ、しおりのこと、、」 




「うぉーぉおい!高橋愛だぁぁ!!」

「ほんとだ!愛ちゃんだぁぁ~!!」

ズドドドドドドド!!!




!!!?




「なんだあいつら!」

「モー娘のファンだよ!逃げようタケル!!私は高橋愛じゃないわ~~!!」






キィィィィィィィィ!




タケルが自転車を止めた。。。

「何してるのタケル!?」







「おまえは、、、、俺が守る。。。かかってきやがれぇぇえ!!この童貞野郎共ぉぉお!!」



「愛ちゃ~~~ん!!!」

ズドドドドドドドド!!!



「ねどぅっっ!」



この言葉が最後だった。

モー娘。ファンの波にのまれたタケルは、小さく息をひきとった。。。




「タケルーーーー!!!」

悲しみを堪えながら、しおりはただただ自転車をこいだ。