ポジティブ思考Ⅲ | タロットリーダー碧海ユリカのスピリチュアルコラム 碧海ユリカと読む「奇跡のコース」

ポジティブ思考Ⅲ

(承前)このように「何が何でもポジティブに捉えよう、良い意味づけをしよう」とする姿勢はそれ自体が一つの束縛・オブセッションとなり、人を不自由にするものなので、そのままネガティブな姿勢に文字通り「反転」してしまうのです。案外このパターンにはまってしまう人が少なくありません。

大体、ポジティブ思考或いはプラス思考というのは、一見ピンチと思えることを「変化のためのチャンス」とする捉え方です。つまり「怪我の功名」「災い転じて福となす」「人間万事塞翁が馬」を意識化して行なおうとするわけで、「禍福はあざなえる縄の如し」の「福」の部分にフォーカスしようというやり方です。「禍」の方にフォーカスしてしまうと、「嫌なことばかり起きる、ちょっと良いこともあったけどまたすぐ駄目になった、どうせまた悪いことが起きるだろう・・・」「こうなったらああなったらどうしよう」などとなります。こういう姿勢よりもポジティブ=いわゆる前向きに生きるほうが良いのは、誰に言われるまでもない恐るべき当たり前のことです。そうするほうが運気が上がるなどという以前に、考えても見て下さい。毎日憂鬱で不安を抱えたり怒りや恨みを抱いたりして過ごすよりも単純にこのほうが断然気持が良いではないですか。もちろん、いい気持で過ごせば波動が上がるのでそれだけ良いことを呼び込めるようにもなります。

自分に起きたあまりありがたくないことの全てを「良いことだ」と捉える必要はありません。くれぐれも「現実否認」と混同しないことが大切です。単純に自分の不注意から生じた失敗は天の配剤でもメッセージでもない、やはり「失敗」として認めなくてはなりません。ただ、そのことで過剰に落ち込んだり自分を責めたりしないで、例えば「今ならまだ取り返しがつく、ありがたいことだ」などとして次に生かしていけばよいのです。

また、「私には良いことしか起こらない、と思え」という人もいますが、この場合の「良いこと」とは「嬉しく楽しいこと」という意味ではありません。一見そうでないことでも自分の姿勢によって結果的に「自分にとって良いこと」に転換できる、何が起こっても良い方に向かっているのだから大丈夫!ということだと捉えてください。「悪いことが起きないでほしい」と言うのは、ネガティブとまではいかないかもしれませんがポジティブともいえず、非常に消極的な姿勢です。そのすぐ先には「悪いことが起きたらいやだ、どうしよう」があるからです。

最後に、一番分かりやすい例。「時間はかかるがうまく行く」といわれた場合に、「良かった、うまくいくのね」と捉えるか「時間がかかるのか・・・ガックリ、どうして?」と捉えるか。まずはこのあたりから意識してみて下さい。