暮れに、文化村へNODA MAPの「パイパー」を観に行きました。
野田地図モノ、何年か前に観て衝撃を受けて以来必ずチケットを取るようにしており、従って宮沢りえさんの演技も幾度か拝見していますが、今回は特に圧倒的な迫力を感じ、改めて「凄いなぁ」と感心していたところ、年が明け、なんとご懐妊されていたとの報道。
「妊婦」の鎧を纏って9ヶ月をのんべんだらだらと過ごした私。
一方、妊婦であるからこそのキレと迫力をもって創造と表現を可能にした人。
勿論、私と宮沢りえを比較するなんぞ、もともと比べるまでもない人間としての大きな差が存在するものの、今回は更に強烈に「全っ然、違うんだわぁ」という思いを深く深く胸に刻みました。
何はともあれ、素晴らしいお母さんになられることでしょう。
お子様もどうか、ばあばの毒牙をかわし健やかにお育ちあそばされますように……。
* * * * *
前置きが長くなりました。
さて過日、宅のダッコ(仮名)の6、7ヶ月検診がありました。
ダッコの成長や如何に?!
とは言え、よく食べよく飲みよく出し、よく笑いよく怒りよく泣き、お肌は全身ツルツル(髪は少々薄くなって里芋風)、お座りで遊ぶ、ズリ這い、つかまり立ち少々、人見知り、歯が生え始める等々、月齢的な課題は一応もれなくいたって平均的な速度でこなす健康優良児。
ダッコであろうが、泣き虫だろうが、寝なかろうが、親としてこれほど有難いことは無く、そんなことで検診結果も全然心配もしておらず、また結果も「極めて順調」とのお墨付き。
感謝感謝でございます。
この日訪れたのは、友人の美人皮膚科医の「近所で救急がある病院にカルテを作っておくとちょっと安心よ」とのアドバイスを受けて、広尾の日赤医療センターへ。
初の日赤。
外観の立派さと裏腹に、内装は…。
渋谷区役所並みというか、渋谷保健所並みというか、古い学校の職員室みたいというか……、まあ、ツルピカゴージャスではありませんでしたが、それでも、どんなにクラシックな病院であろうと、産科と小児保健科だけは絶対的なポジティブ感に溢れるふわふわキラキラした、病院内では特異な場所なのですねぇ。
運良く(知らなかったのですが)、一番人気らしい先生の診察を受けることができ、色々とアドバイスを頂いて来ました。
いかにも好々爺たる微笑みをたたえながら、静かに発される言葉はわりと強烈。
現在、Hibやら肺炎球菌やらB型肝炎やら、任意で受ける高いワクチンを片っ端からばかすか注射されているダッコ。
それについて伺ってみたところ、
「もちろん受けて下さい。どんどん早く受けて、全部受けて下さい(ニコニコ)」
見てごらんなさいな、と取り出された世界地図。
ほとんどが青く塗りつぶされた地図の中、日本とアフリカのいくつかの国などがちらほらと真っ白。
「青が、乳幼児に必要な予防接種を全部国が負担している国。白がしていない国(ニコニコ)」
「へえーっ、アジアは日本だけに見えます」
「そうです。北朝鮮だってやってます(失礼)。予防接種で防げる病気で毎年たくさんの赤ちゃんが亡くなったり後遺症で苦しんでいます。要するにこの国は最も子供を愛してない国のひとつってわけです(ニコニコ)」
「うわ~、大変な国に生まれちゃたね、ダッコ。けれど、どうして分かっていてやらないんでしょう?」
「国と厚生(労働)省がバカだからでしょ(ニコニコ)」
「バカですか」
「大バカです(ニコニコ)」
また、おすわりやはいはい、あんよ等について伺っていたところ、
「歩行器は使ってませんね(ニコニコ)」
「いえ、使っていません」(単に邪魔そうで買っていない)
「それは良かったです。お友達で使っている方がいらしたら、行って叩き壊してあげて下さいね(ニコニコ)。あんな危ないものはありません。毎年何人もの赤ちゃんが亡くなったり大怪我をしています」
ニコニコニコニコ……。
今やインターネットで大抵の情報や意見は入手できる時代ですが、注射や歩行器についても結局は「考え方次第」というような見解に終始する感じで、自分のスタンスは自分で決めにゃならんのかと思っていたところ、専門家に「こう」とハッキリ言われて助かった気がいたしました。
さて、生まれたての頃はどんな個性を持っているのやら、海のものとも山のものともつかぬのが赤子達ですが、6ヶ月も経つと、保健所やら育児教室やらで集団になっているところを俯瞰すると、みんなかなりそれぞれに違ってきてるなぁと感心します。
ダッコはおだやか~なタイプでは全くなく、起きている間は大抵トップギアに入っていて(しかも寝ない)喜怒哀楽が激しく、しかし外ヅラが良く、外へ出ればそこら中の人に笑顔で挨拶するタイプでした。
そして、何だかよくわかりませんが、被り物好き。
お帽子大好きですが、とにかく頭に何か乗っかっていれば喜びます。
犬。
アラビアのロレンス。
パンツ冠って上杉謙信。
アラブの兵士。
どこぞの王様。
……と、数週間まえにアップしようとしていたものが、やっとアップできました。
そして今やダッコはもうすぐ8ヶ月。
あまりに食べるので離乳食は既に3度となってしまい、遊びは全て掴まり立ちでやっています。
昨日は紀ノ国屋で、いつもカウンターサービスのところにいる白人女性に、
「おっきぃくなったねぇーっっ! スパゲッティー食べてるう?」
と聞かれました。
「いや、スパゲッティーはまだ……」
「わたしの息子、一歳の時にお医者さんに言われたよ。スパゲッティーちょっととぉ、トマトソースちょっととぉ、パルミジャーノちょっととぉ、肉ちょっとね。え、まだ一歳じゃないの? 早くスパゲッティー食べなさいねーっ!」
てなわけで、彼女がイタリア人であることが判明しました。
ダッコ、うどんは食べてます。
こうして、イタリア人はイタリア人に、日本人は日本人に育ってゆくのですねえ。
パスタを食ってイタリア語を、オートミール食って英語を喋れるようになればいいんですけどねぇ……。





