
アフターエイト。
あの、薄ーいチョコの間にトロ~リととろけるミントが挟まったオトナのお菓子。
幼少の砌より、あのネーミングセンスは秀逸だと感心していた私です。
子供達が寝静まった後に、大人達はふっふっふと微笑みながらあのダークグリーンの箱を開けるのに違いない。
ブランデーなどのお供に愉しむに違いない。
朝起きて、箱の中のチョコレートの残り枚数をこっそり数えては地団駄を踏んだりした記憶もある。
たまに特別に貰えるアフターエイトは、一枚を大切に大切に端から齧りながら、心を込めて大人の味を噛みしめたものでした。
今となってはあんなものなど足元にも及ばないほど上等なショコラが巷に溢れているわけですが、それでもなお、アフターエイト様は私の特別として記憶の中の眩しい位置に君臨しています。
さて。
オトナになって何が素晴しいかって、8時過ぎだろうが夜中だろうが明け方だろうが、好き勝手におやつを食べられることです。
ついでに、夜中のテレビも好き放題見たって怒られません。
自分さえよければ、そのまま歯を磨かないで寝たってへっちゃらです。
「アイスの日だ!」と張り切って買って来たピエール・エルメのアイスクリームは、「たまり漬けの日」」へと日付が変わった深夜に食されました。
バニラ。
一口食べて、バニラ好きの私がエルメのバニラだけはキライだったことを思い出し、そのまま蓋をして冷凍庫に戻しました。
(懲り過ぎ、香料効き過ぎでクドい)
これもオトナの特権です。
ルバーブとパッションフルーツの味は美味しかった。
完食し、さすがに歯は磨いて寝ます。
「不健康」とか「太る」とかは、あまり気にしません。
一夜明け、夏場のマンション特有の温室と化したリビングをふらふらと彷徨います。
やる気なく夫を送り出し、足はそのままキッチンへ、冷蔵庫へ。
午前8時から朝ご飯にアイス。
この麻薬のような罪悪感が、オトナの自由を感じる一番の瞬間かもしれません……。