仮想通貨として決済ができるようになってきていますが,金のように先物取引のような側面がありますし,悪質なハッカーによって,知らない間に奪い取られる可能性は否定出来ません。
そのリスクの高さと取引に足が付きにくいことから,現実の貨幣に成り得ないと思います。
今年の6月~7月にかけて猛威を振るった,ランサムウェアという「パソコンのデータを勝手に暗号化してしまい暗号解除(復号化)に金銭の支払いを要求する」という手法のウィルスがありました。
支払い方法は,まさに,ここで取り上げているBitCoinだったのです。
ビットコインは,暗号通貨とも呼ばれ,難解に暗号化された問題を解いて最初に到達した人または団体に所有権があるというものです。
一応,金と同じように,ビットコインの総量は有限です。
有限であるが故に,そこに金と同様の価値を生じさせたのです。
この所有権を巡って,先に暗号を解いた者が複数,発生しないように,暗号解除の問題を解く段階で,後から解いた者の経路が無効とされます。
ここで,問題となるのが,暗号解除のスピードです。
一時期,ビットコインが生まれた初期の段階で,グラフィックボードに寄生するという,暗号化解除のプログラムが組まれたウィルスが,流行しました。個人のパソコンも勿論,標的にされました。1つのパソコンでは,暗号解除のスピードは,そう大したこともないのですが,インターネットを経由して,世界中に散らばる膨大な数の個人のパソコンを1つのスパコンのようにすることは不可能ではありません。だから,この手のウィルスが流行したのです。
20年前くらいは,「SETI@HOME」というプロジェクトがありました。
宇宙から届く膨大な信号から,知能を有する生命体からの信号を発見しようという全てボランティアで行われた試みでした。スクリーンセーバーを稼動させるくらいならば,皆で少しずつデータの解析をしませんか?という趣旨だったのです。今は,どのようになったのかは知りません。しかしながら,ビットコインの暗号解除の手段として,インターネットに散在する個人のパソコンのグラフィックボードを乗っ取るという行為は,似て非なるものです。
前者は,個人の同意の上,後者は,個人の不知を悪用してのものと,大きく異なります。
BitCoinが注目されたことで,またウィルスが流行しかねません。
今度は,スマホもターゲットになると思います。
パソコンの売り上げが不振ということは,それだけスマホユーザーが増加したということに直結します。
スマホの性能は,5年前と比較して,約数倍に向上しました。
ビットコインの採掘者(ビットコインを掘り当てる人・団体)は,スマホに目を付けていると思います。
不安を煽る内容を書いて申し訳ありませんが,これから容易に予見可能な事象だから,書いたまでです。
セキュリティソフトウェアメーカーも,この問題に注目しているはずです。
とりあえずの対策としては,当たり前のことですが,無料の得体の知れないアプリをスマホにダウンロード&インストールしないことですね。
タダほど高いものはありません。