プランターに植えた向日葵
風に揺れて…
向日葵を見ていると
5才だったあの日のあたしを思い出して
あのときは…
ほんと
くすっと笑って
思いだし笑いをして
あの頃のあたしは
向日葵の種が欲しくて欲しくて
向日葵の種の袋を握りしめて
買い物をしている
お母さんを必死に追いかけて
「 ねぇ ねぇお母さんお願いがあるんだけど、あたしね、向日葵の種が欲しいの! 」
向日葵の種?
それ欲しいの?
でも…セイきちんとお水あげられる?
向日葵のめんどうみれるの?
なんて聞かれて
「 うん 」
小さくうなずいて
笑顔一杯で向日葵の種の袋を握りしめて帰ったのを思い出す
小さな手で土を掘って植えた向日葵は、セイの背丈より大きくなって
あの頃は、どうしてこんなに大きくなったのかと、不思議に思っていた
夏の終わりに沢山の種を付けた向日葵が、頭が重いとお辞儀して
背の低かったセイでも
向日葵の種を沢山採る事が出来て
かご一杯になった向日葵の種を、お母さんに見せたくて
畑から走って帰って
走ったから
かごから種が落ちて
お家に帰ったときは
向日葵の種が半分になって
お母さん笑ってたっけ
お母さん
セイが通った道には
向日葵が咲くねって嬉しそうに笑っていた
向日葵を見るたびに
あの日の夏の向日葵畑を思い出す…