篠田節子さんの小説は、ぐいぐいと引き込まれていく。
どんな結末になるのか、予想もつかない。
ギリシャの廃れた修道院をめぐり、悪霊の仕業か?という事件に巻き込まれる主人公たち。
そこへ行きたいと言ってもレンタカーを借りられない、そんな場所は知らないと明らかに挙動不審で近くの町の住民はそっけない。
行けば何度も道に迷い、誰もいないはずの修道院の中で歌声がきこえたり、帰ろうとしても雪道に閉ざされ、借りの宿をもとめた町の修道院の司祭は原因不明で急死する。
ホラー小説かと思いきや、そうではない。
なにかに導かれるように、そのキーパーソンとなる「ミカエル」を描く男に出会う。
少し前に読んだ【失われた岬】にも似た流れだ。
少し、本が読めるようになったよ。イナ。
少し、日常が戻ってきたんだな。